日本語授業訪問

 8月22日、私は午前中1時間、午後1時間の2つの日本語の授業を見学させてもらいました。どんな授業を受けて、どういう風に日本語を勉強しているのかとても興味があったからです。でも、前の日の夜中の1時までカラオケで歌っていたのに、朝7時半に起き、1時間かけて大学まで行くのはすごくきつかったです。それにバスが混んでいて、ほとんど立っていました。

 午前中の授業の先生は私と同じ九州大学を卒業した中国人の先生で、語彙と文法、読解のテストをしていました。語彙のテストでは、漢字の書き取りと読み、またカタカナ語などの問題がありました。シンガポールの人は普段英語と中国語を使っているようですが、中国語の漢字と日本語の漢字はかなり違うものも多いし、カタカナ語も英語の発音どおりではないので、みんな苦労しているようでした。でも、私を日本語の授業に案内してくれた、添才は優秀でこの日のテストは満点でした。この授業の最後に読解の問題を読んでいると、添才の答えが少し間違っていました。「が」と書くべきところを、「は」と書いていました。よく見てみると、 添才の答文だけではなく、先生の書いた質問文の文法も間違っていました。先生が「は」と書いているので、添才もそれを真似て「は」と書いてしまったのです。

 午後の授業の先生は、さっきの先生とは正反対のにぎやかな授業でした。授業が始まる時のあいさつや授業の途中でもまき先生の関西弁の突っ込みが学生たちを楽しませていました。この授業では最初に学生が3人ずつのグループで料理のレシピの発表をしました。添才たちのグループは私が授業前に教えた、「パンプキンパイ」の作り方です。添才がレシピを途中飛ばして読んでい、先生に「えらく短いですね」と言われていました。
 レシピの発表のあとは、新しい表現の勉強と練習をしました。この日の表現は、「〜なんです。」と「〜(できる)ようになりました。」と「〜したほうがいいです。」「〜しないほうがいいです。」の3つでした。特に「〜なんです。」の表現は普段何も気にしないで使っていますが、初めて勉強する人には難しいようです。動詞を活用して「〜なんです。」につなげるのにみんな苦労しているようでした。
 初めての表現になれるために、先生が絵を見せたり、例を出したりして、みんなに練習をさせました。先生が質問をし、何人かの学生をあてて答えさせました。

「車の運転はできますか?」
「はい、できます」
「何歳のときに運転ができるようになりましたか?」
「18歳のときに運転ができるようになりました。」

「どうしたんですか?」
「熱があるんです。」
「どうしたほうがいいですか?」
「病院に行ったほうがいいです。」/「出かけないほうがいいです。」

上のは普通の例でしたが、一番最後に先生が見せたのはなんと失恋した男の子の絵!これはクラス全員に答えさせました。

「皆さん、この失恋した人にアドバイスをしてあげてください。」

先生が名前を呼んでいき、一人ずつ順番に答えていきました。「カラオケに行ったほうがいいです。」「忘れたほうがいいです。」「買い物に行ったほうがいいです。」「ほかの人を探したほうがいいです。」などなど、たくさんの意見が出ました。

もうひとつ、この授業の中で面白かったのが、「ロマンチック」の条件。波の音、花火、月の光。先生がこれ以外に「ロマンチック」に足りないものを挙げてくださいと言ったときに、シンガポールの学生がみんな口をそろえて言ったのは、「雨」でした。それもただの雨ではなく、静かに降る「小雨」だそうです。何で雨がいるんでしょうか?クラスの中で、「雨」はいらないと言ったのは、私とまき先生の2人だけでした。  ある一人の学生が、「犬も必要だ」と言っていましたが、これも何で「犬」がロマンチックな場面に必要なのか不思議でした。もちろん、先生は「私は犬なんかいらない、うるさくて邪魔!」って言っていました。私も先生と同じく、ロマンチックな場面に犬は必要ありません。

最後に授業について、どちらの授業も1クラスの人数は10〜20人程度で日本よりも少なめです。そして学生が授業に積極的で、質問や発表をよくしていました。
 先生については、やはりどこの国にも教え方の良い先生と下手な先生がいるということです。シンガポールの学生に聞いてみても、最初の授業の先生は人気がなく、午後の授業の先生は大人気でした。もうひとつわかったのは、日本語の先生でも日本語の文法を間違えることがあり、その間違いを学生が正しいと思って覚えてしまうとういことです。留学生の友達が、いつも同じ文法を間違えるのは、日本語の先生が間違って教えたからだと言い張っていたのも、これで納得できました。



(C) Jasmine -Sep.04.2000-

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