'00.3.11
J1・1stステージ第1節
 鹿島アントラーズ 1−0 名古屋グランパスエイト


 2000年、開幕からいきなりの好カードだ。

 '99天皇杯を制し、ジョアン・カルロス監督就任からチームが活性化し地力
が出てきたグランパス。

 トニーニョ・セレーゾ新監督のもとベテラン・中堅選手を大量に流出しチー
ムの若返りを本格的に始めるとともに、大物外国人選手ベベットを獲得、ポジ
ション競争を促しチームの立て直しを図る鹿島アントラーズ。

 両チーム優勝争いに加わる力があるだけに、この開幕戦に対する意気込みが
強くうかがえた。

 ゼロックススーパーカップを通しチームとして仕上がっている名古屋。ウリ
ダの負傷欠場は痛いところだが、層の厚さでそれをカバーする。

 鹿島アントラーズはトニーニョ・セレーゾ監督就任以来テストしていた4−
3−3システムがうまく機能せず、テストマッチでもコンビネーション面で不
安を残していたが、この試合は慣れ親しんだ4−4−2で望む。
 話題のベベットだが今日はベンチ入りもせずスタンドで観戦。来日したばか
りでしかたないが、早くチームになじんでその姿をピッチで見たいものだ。

 2チームとも開幕してから何試合かを強豪チームと対戦するので、早くも全
開で戦わねばならず、白熱した試合展開が期待できる。


【アントラーズ】

      高 桑

   秋 田  ファビアーノ
名良橋         相 馬

   本 田   中 田
 小笠原      ビスマルク

   柳 沢   平 瀬

―――――――――――――――
【グランパス】

        呂比須
   ストイコビッチ

 平 野       岡 山
   山 口   望 月

小 川         石 川
   大 岩   ホミルド

      楢 崎 


         【アントラーズ】    【グランパス】
                 ―得点―
11 中田浩HS(←ビスマルクFK)

                 ―交代―
                     46 古賀正←平野
                     56 福田健←石川
                     66 大森征←小川
         81 増田←小笠原
          87 熊谷←平瀬




 先制は前半早々アントラーズのFKから。

 左サイドから上がったビスマルクのクロスにボランチの中田がヘッドであわ
せゴール。すぐ前に秋田が飛んでいて、ボールには届かなかったもののうまい
具合にDFのマークを集め、結果的におとりとなった。中田がノーマークで頭で
ゴールネットを揺らしたときには、グランパスのDFは秋田とともにしりもちを
ついていた。

 両チームの司令塔はストイコビッチとビスマルクだ。いかにこの2人からラ
ストパスを出させないかがこの試合のカギを握る。

 ストイコビッチには本田がマンマーク。こういう仕事をやらせたら世界レベ
ルのボランチだ。マーク相手へのパスをカットする能力、ボールがわたってし
まったときにパスを出させないようまとわりつくディフェンス能力。かつてヴ
ェルディに在籍していたビスマルクは鹿島と試合をするたびに本田にこれをや
られ、仕事をさせてもらえず顔を見るのもいやだったという。ひょっとしてビ
スマルクが鹿島入りを熱望したのも、これ以上本田にまとわりつかれるのに耐
えられないと思ったからかもしれない。

 いっぽうグランパスは人数をかけてビスマルクをつぶす作戦に出た。そのた
め小笠原は比較的楽にプレーすることができた。石川、望月、岡山が中心とな
って、時にはストイコビッチもビスマルクをチェックした。ボールがわたるた
びにビスマルクは囲まれ、そして倒された。

 ストイコビッチは粘着性のある本田のマークに、ビスマルクは度重なるファ
ールに、それぞれイライラを募らせていった。わめき散らすストイコビッチと、
倒されてひざをつき地面をじっと見つめるビスマルクの姿は対照的だった。

 先制点が入ってからも攻撃の手を緩めない鹿島。3バックにして攻撃と中盤
の支配力に厚みを持たせる名古屋。開幕から見ごたえのある攻防が続く。楢崎、
高桑の両GKも安定して好セーブを見せ、大岩、秋田は守備の中心として試合を
引き締めた。

 鹿島は守備のチームだ。サイドから、そして中央から繰り出される強力な攻
撃も、チーム全体の守備意識の高さに基づいて生まれる。
 中心となるのはキャプテンの本田だ。フィジカルの弱さを補って余りある運
動量・ポジショニング・コーチングで、チームが攻めているときも常に周囲に
気を配り、フォーメーションを整えていく。今日の試合、特に彼の動きは光っ
ていた。

 福田を投入しツートップにし、呂比須とともにゴール前の制空力を上げる策
に出た名古屋のジョアン・カルロス監督だったが、ハイボールに強いGK高桑が
ゴールを許さない。

 FWの平瀬に替えボランチの熊谷を入れて守備力を高める鹿島。本格的に逃げ
に出る。

 そして、1−0のまま後半終了のホイッスル。鹿島アントラーズが王者復権
への第一歩を踏み出したと同時に、名古屋は早くも白星を逃した。しかし、こ
の2チームが磐田・清水・横浜といった強豪と優勝を争うのは間違いないとみ
ていい。そんな期待をもたせる、闘志が前面に出た好試合だった。

 笛を吹いたモットラム主審も、ゲームのリズムを崩さない的確な流しで試合
を引き締めた。




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