「アビスパ福岡選手大幅入れ替え問題」に
  思うこと


 報知新聞によると、ナビスコ杯にリーグ戦と大きく選手の入れ替わったチー
ムで臨んだアビスパ福岡に対し、最低でも500万円の制裁金がJリーグから課さ
れるという。

 さらに詳しく状況を説明するとこうだ。

 Jリーグ規約第42条に「Jクラブはその時点における最強のチーム(ベス
トメンバー)をもって公式試合に臨まなければならない」とある。
 リーグ戦でのメンバーのうちの8〜11人を入れ替えたメンバーでナビスコ
カップを戦ったアビスパ福岡の人選行為がこの規約にひっかかるという。
 42条に違反したクラブは1500万円以下の制裁金が課されることが第161
条に記載されている。

 もしアビスパ福岡がこのJリーグ規約に同意した上で参入したならば、この
判決はやむをえないように思える。たしかに、リーグ戦での主力メンバーを引
っ込めて、控えや新入りばかりでチームを編成したナビスコカップのアビスパ
福岡が現時点の彼らの最強メンバーだとは誰も思わないだろう。

 福岡の言い分としては、「それぞれの試合でベストコンディションの選手を
起用している。それが最強チームなのだ」(アビスパ福岡・ピッコリ監督)

 これに対しリーグ側は、「ベストメンバーは監督の主観ではなく客観的に判
断するもの」(川渕チェアマン)、「欧州ではリーグ戦とカップ戦のメンバー
が大きく入れ替わることは珍しくないが、それは100年の歴史がある欧州だか
らであり、まだ歯を食いしばらなければならないJリーグではやってはならな
い」(木之本専務理事)

 この一連の判決をみると、どうもやるせない気持ちが押し上げてきてたまら
なくなる。

 そのチームのメンバー構成にリーグが口をはさむことに、福岡はガマンしな
ければならないのだ。

 前々から思っていることなのだが、川渕チェアマンにしろ岡野会長にしろ釜
本強化委員長にしろ、彼らをそのポストにつけてしまったのは一体ダレなのだ
ろう。選挙でもやったのだろうか。
 彼らの言っていることの一つ一つには、説得力のかけらも感じられない。そ
こら辺を走り回っている犬のほうがよっぽどまっとうなことを言いそうだ。

 福岡が制裁金を課せられる判決の理由は、前出の川渕チェアマンと木之本専
務理事の2つの意見であるが、この意見は2つとも筋が通っていない。と言う
か、まっとうな大人が考えつくような有罪理由ではない。

 まず川渕チェアマンの「ベストメンバーは客観的に決める」とあるが、監督
が自由に出場選手を選べないならばなぜリーグが先発メンバーを決定しないの
だろうか。チェアマンの発言通りにリーグを運営していくならば、「客観的に」
見てベストメンバーをリーグが会議か何かで選出し、それで試合を行えばいい。
いくら監督が「この若い選手の調子がすこぶるいいので先発出場させたい」と
言っても監督が主観的にメンバーを決定することはチェアマンによって禁じら
れているので不可能なはずだからである。

 次に「欧州は歴史があるからよいがJリーグはだめ」という専務理事のコメ
ントだが、歴史が1000年だろうが10分だろうが選手は疲労する。
彼の言い分を解釈すると、「欧州の選手は100年の歴史があるから多少手をぬ
いても許されるが日本は疲れた体に鞭打ってでもかけずりまわらなければなな
いのだそして同点なら延長戦に突入なのだ疲れたとは言わせないのだなぜなら
歴史が浅いから」となる。

 リーグ戦で結果の残せなかったクラブには「降格」というおそろしいお仕置
きが待っている。しかし、ナビスコカップで1回戦負けを喫しても賞金はもら
えないがお仕置きもない。もし早く負けたら、あまりいい言い方ではないかも
しれないが、「ほかのチームが汗水たらして戦っている間休む」ことができる。
試合をしないのだから観客入場による収入もないのだが、その代わり試合で怪
我をすることもないし、悪いことばかりではない。やろうと思えばホームグラ
ウンドで客を入れて控えの選手を試すプレシーズンマッチを組むことだってで
きるはずだ。

 さらに、リーグとちがってナビスコカップはホームアンドアウェーの2回戦
によるトーナメント方式なので、勝ち点や得失点差の概念がない。対戦相手に
2試合トータルで勝てば勝ち進めるのだ。極端な話、1試合目で10−0で負け
たなら、2回戦目で11点差以上で勝てば勝ち抜きである。
 だから今回のように1試合目で控えのメンバーを出してみてたいしたことな
いなと思ったなら、2回戦目もレギュラーを温存しようという監督の思考の流
れは至極当然の成り行きだ。現に、アビスパはレギュラーを全員温存した状態
で勝った。これは、そうの薄いアビスパにとって大変に大きなアドバンテージ
となる。水曜日にカップ戦を消費した相手チームに対し、アビスパのレギュラ
ーはその水曜日の試合で消耗せずに土曜日のリーグ戦に望めるわけだ。

 これのどこがいけないのだろうか。

 明らかに力の劣る相手との試合や重要でない試合、どうしても落とせない試
合を近くに控えた試合などで主力選手を温存することはどんなレベルの国のク
ラブでも常套手段として用いているはずだ。たとえ、温存するのがレギュラー
全員であってもである。

 規約違反と言われればそれまでなのだが、そもそもJリーグの規約はあまり
完成されたものとは言えず、日本サッカー協会の面々は能無しぞろいときてい
る。

 まあ偉大なる川渕チェアマンがダメと言うのならあきらめるしかないのだろ
うが、これから先ピッコリ監督、いや他のJクラブの監督はチームのスターテ
ィングメンバーを川渕さんたちに決めてもらうほかないようだ。なぜなら、ベ
ストメンバーは客観的に決めなければならないらしく、主観でなく客観的な判
断の可能な監督などいないからである。

 さらにリーグ戦とカップ戦で5〜9人を入れ替えたジェフ市原に対しても額
は福岡よりも低くなるものの制裁金が課される可能性があるようで、5人を入
れ替えたV川崎、京都、神戸については特におとがめはないらしいことを付け
くわえておかなければならないだろう。「最強チーム」のあいまいな判断基準
にはうんざりする。
 Jリーグはこれ以上くだらないことでJクラブに意見するのはやめるべきだ。

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