・第2話「啓示」 作者 小美野
「ちくしょう!! そんな言い方ってあるかよ...あばよ!!」
止めてくれるのではという期待を見事に裏切られ、悲しさと恥ずかしさで
100m 9秒72の世界新ペースで夕日に向かって走り去る大森。
いっせいに沸き上がる声。
「待ってください!大森さん!!」(津田さん)
「そんなに急ぐと転びますよ。」(杉本)
「ごくろう!!帰れ、帰れ!!」(川原さん)
「止めるな!!」(小美野)
一同押し黙る...。
「彼はきっと戻ってくる...サッカーを愛していれば。
今は信じるんだ...俺達にはそれしかできない。」
夕日に消え行く大森の影を見つめながら、そうつぶやいた。
− 場面変わる −
日も暮れかけた公園に一人たたずむ大森。
彼を乗せたブランコが人気の無くなった公園に寂しげな音をたてている。
「はあ、早まったな...。
これからどうしよう...。
ほとぼり冷めるころに「な〜んちゃって」とかいって戻ろうかな。
いや!! でも、あんな言い方はないよな。やっぱり。
所詮、俺はFALCONに必要ない人間なんだ。
あいつは俺のことなんてどうでもいいんだ。
畜生!! 絶対戻らねえぞ!!
このまま日焼けサロンに直行だ! ボード買って丘サーファーになって、
絶対ビーチボーイズ2には反町の変わりに出てやるんだ!!」
懲りずにまたしても白昼夢を見始めた彼の背後にふっと人の気配が。
振り向くとそこに、今まさに彼が夢見ていた浅黒い肌の青年...
というより真っ黒な、謎のブラジル人といった感じの男が、
杉本の「トリコロール」を手にたたずんでいた。
「ノー...オオモリ。キミハナニモワカッテナイ...
コミノノホントノキモチ...。」
「だっ、誰ですか!? あなたは!!」