大正琴ってどんな楽器?
『大正琴』という楽器を、まだ一度もご覧になった事が無い方もいらっしゃるかもしれません。
何か、お琴というと、弦がいっぱい張ってある大きな
あの『お琴』を想像されるかも知れませんね?
しかし、『大正琴』は70cm程のコンパクトな楽器なのです。
では具体的に説明してみましょう。
幅70cm、高さ5cm前後、奥行き15cm程の細長い箱に、
普通25〜27本の鍵盤がついています。
メーカーにもよりますが、多くは白鍵と黒鍵に別れていて、ピアノのように並んでいます。
ただ、ピアノと違うのは、その鍵盤の間隔が均等ではないという事。
低音の方(左側)は、2cm程の隙間が空いていますが、
高音の方(右側)になるにつれ間隔が狭くなり、
最高音部では隣の鍵盤とくっつき合うように並んでいます。
楽器の左側には弦巻きがついてきます。
ギターの様な金属の弦巻きで、弦の本数分あります。
弦はそこから左右の駒に乗せられて、左側面にあるフックに引っかかるようになっています。
楽器の右側には直径4cmぐらいの穴が空いています。
ギターの穴と同じで、音を奇麗に響かせるための穴です。
では、次に弦の説明をしましょう。
そう、『琴』というからには、当然、弦があります。
いくら立派な鍵盤があっても、それだけでは音は出ないのですね。
大正琴には通常5〜6本の弦が張ってあります。
そのうち、鍵盤によって音を変える事が出来るのが4本。
一番細い弦が3本と少し太目の弦が1本セットになって、およそ2mm間隔に並んでいます。
そしてその弦は、同じ音に調律されます。
ドレミでいう『ソ』の音。『G』の音です。
細い3本は同じ高さに、太い弦はそれより1オクターブ低い音です。
大正琴は、この4本の音を同時に弾く事によって、
哀愁をおびた、深い音色を奏でる事が出来るのです。
残りの1〜2本の弦はどうかといいますと、
更に太い弦が鍵盤の当たらない、一段低い駒に乗せられています。
この弦は鍵盤で音を変えない代わりに、調律で曲の調にあわせて変えています。
鍵盤の動きで音が途切れないので、太鼓のようにリズムをとるのに使ったり、
合いの手(?)を入れるように使ったりします。
そうそう!!
大正琴に忘れてはならない小道具がひとつ。
それは、弦を弾くための『ピック』です。
これは、大正琴専用・・・というのもありますが、
私達は、専らギターのピックを愛用しています。
ピックの厚みや形を多くの種類の中から選べるという事と、
何よりも、奇麗で可愛いものが沢山ありますから・・・。
そういった、小物に凝ってみるのも、楽しみのひとつです。
・・・と、一般的な大正琴について書いてみましたが、
それは、高音域を担当する『ソプラノ大正琴』と呼ばれるものです。
大正琴にはその他に、中音域を担当する『アルト大正琴』、低音域を担当する『ベース大正琴』、
その他にもメーカーによって、色々な大正琴があります。
特に最近では、広い場所で演奏される機会が増えているようで、
マイクを内蔵した大正琴が増えてきています。
私達も、マイク内臓の大正琴を愛用しているのですが、これが、結構大変です。
演奏のたびに、大きなミキサーとアンプとコードを運び、
ああでもない、こうでもない・・・と時間がかかります。
それでも、少しでも多くの人に、ハッキリとした演奏を聞いて頂こうと
素人ながらに頑張って準備をしています。
どんな楽譜?
大正琴の演奏には『数字譜』と呼ばれる譜面を使います。
大正琴・・・邦楽のイメージがありますが、
その『数字譜』は洋楽の『五線譜』にのっとったものなのです。
洋楽で言う『ドレミ』を大正琴では『123』と表します。
洋楽の譜面で音の長さを表す音符のハタの数は、
数字の下の線の数で表します。
下に洋楽の五線譜と、大正琴の数字譜を書いてみましたので
見比べてみて下さい。
いかがですか?
なんとなく、わかって頂けたでしょうか?
では、五線譜で表せるものを、
何故わざわざ数字譜にするのでしょうか?
数字譜というものは、大正琴だけでなく、
ハーモニカ等にも使われていたようです。
五線が無くても手軽に曲を譜面に出来るというので
重宝がられていたのではないでしょうか?
実際、私も幼稚園の時から短大まで五線譜に親しんできましたが
今、実際に曲をメモするのには数字譜を使います。
その手軽さは、五線譜とは比べ物になりません。
ただ、和音になると、五線譜に軍配が上がりますが・・・。
とにかく、大正琴は単音で奏でる楽器ですので、
便利さと親しみやすさで使われるようになったのではないでしょうか?
これは、譜面が先か、楽器が先か解りませんが、
大正琴の鍵盤には音の数字が記されています。
譜面に『5』と書いてあれば、楽器の『5』を押さえれば良いのですね。