2日目 動物園・人民公園・雑技団

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●冬 某日
●晴;朝の窓の外,街はうっすらと雪化粧
●起床6:50→ホテル朝飯→ホテル発→歩き→岳陽路→桃源路→常熟路→華山路→静安寺→上海商城(雑技団切符購入)10:00→上海火車駅行きと間違えたバス→乗り換えて上海火車駅行きバス→上海火車駅どっかのデパートトイレ→KFC昼飯11:50→上海動物園行きバス→長寿路→上海動物園着13:30→人民広場行きバス→延安西路→人民広場→人民公園→88酒楼で晩飯16:50→南京西路歩き→果物カップ麺購入→上海商城4F雑技団観覧19:30-21:00→タクシー→好望角飯店
●(pay;\200.5)\5;静安寺/\2;静安寺線香/\60;雑技切符/\2;間違いバス/\2;上海駅行きバス/\0.2;上海駅前デパートトイレ/\17;上海駅前KFC昼飯/\4;上海動物園行きバス/\10;上海動物園切符/\0.3;動物園入り口にいたボヘミヤンのじいさんへ/\1;動物園内案内パンフ/\3;人民公園行きバス/\50;88酒楼での晩飯/\16.8;南京西路のお店(梨,ボンタンのようなもの)/\3.2;同お店(カップ麺)/\15;ホテル行きタクシー/\9;好望角飯店内売店青島缶ビール2本
●朝,ホテル8階の部屋の窓から外を眺める.晴れ.心が踊る.あれれ,なにか薄っすらと建物の屋根や道路が白くなっている.雪降ったか.空港送迎のガイドさんは上海は雪降りませんと言っていたけれど,よほど寒かったか.ホテルのレストランに行く.メニューは昨日と変わらない.はて,中央テーブルにヤカンが出されていて,どんぶりに砂糖のようなものが,そしてガラスコップが並べてある.何かと尋ねたらミルクという.4分の1ぐらい注いで飲む.慣れた味でない.薄くて,甘みが無く,何の乳だったのだろう.
 今日は雑技団ショーを見るのが目的にある.先ずはチケットをゲットしようと,ホテルを歩きで出る.これはこれは寒い.買った手袋の暖かいこと.通りの水溜りが凍って滑って怖いこと.岳陽路,常熱路,華山路と,小1時間ほども歩いた.
 静安公園が見えてきた.公園には寄らず,静安寺に向かった.線香を買う.これが初詣になる.まさか,異国中国でなんてなあ.
 通り過ごしてしまって少し先に行き戻り上海商城に着く.ギターをカタドった金物のオブジェを建物の壁にくっ付けた,バーか喫茶店のような店の隣りだ.雑技のチケット売り場を探した.ガイド本には1階に売り場とあるが,見つけきれない.通りから奥まった玄関から中に入り,1階のホテルロビーのようなところの,エレベータの前にいたホテル従業員に聞く.
「I want to get the ticket of this. Where can I?」
と,ガイド本の雑技団のページを見せる.
「4 floor」
ときた.
 上がると,なにかの会社の受付のようなところがあって,お姉さんに同じことを聞く.すると奥をさした.行ってみれば,ホールの入り口があるだけで,どうにもチケット売り場が無い.ガイド本を信じることにして,再び地上に降りた.ホテル従業員のおねえさんに聞いたら,付いて来いという.エスカレータ乗り口の脇を通ってほど無く,大きな柱のようなものが2本立っていて,この柱にこぢんまりとした窓口が組み込まれている.なあんだ,ここだったか.初めに通ったよと向かう.地元の人が数枚まとめて買っていた.一番いい席を1枚買った.開演表,座席表が張られていて,求めたいものがわかる.開演が午後7:30だ.さて始まるまでどこ行くかと界隈をぶらつく.
 バス停があり,表示板に「上海火車駅」のような文字列があったから,たまたま来たバスに乗り込んだ.バス初体験だ.車内の行き先表示板のその文字列を指して,車掌のおばちゃんに運賃を払った.混んでなく座ることができた.念のためガイド本を見せて目的地を指して確認したら,違うようなことをしきりに中国語で言う.このひとが何々云々と,周りの客や,運ちゃんにも説明しているようだった.ジロジロ見られてまあ照れること.今日は特に行く当てを決めて無く,街をぶらつこうと思っていたからそのまま乗っていることにした.そしたらおばちゃん,行き先の正しいバス路線番号を運賃伝票の裏に記して渡してくれて,反対側のバス停を指しあれに乗るんだよ風なことを言って,運ちゃんに話して特別に止めて下ろしてくれた.
 待ちながら表示板を見ていたら,魯迅公園があった.これもいいな,どちらのバスか先に来た方に乗ることにしたら,上海駅行きが来た.
 上海駅に到着した.一杯荷物を抱えた,田舎から出てきた風な人たちが一杯いる.思っていたまさしく中国らしい風景が展開していた.人民服を着たおじさんが寄ってきて何かを尋ねてきた.にしても人民服とはこれまた.
「何を言っているのか分からない.日本語で話してくれ.」
と日本語で応えるしかなかった.何を聞きたかったのだろうか,あきらめた様で向こうに行く.
 トイレに行きたくなった.駅の右手のデパートに入りトイレを探す.2角だった.この旅で,そういえば有料トイレはここが最初で最後だった.ガイド本にはトイレは有料と書いてあったから,むしろ新鮮だった.
 お茶でもするかと,時計台が見える方に向かう.ケンタッキーフライドチキンがあった.コーヒーでもとボケっと立っていたら,注文票をもった店員の女の子が英語で声をかけてくれた.欲しい物を伝え,レジの女の子に口を聞いてくれた.昼にしてしまおうとチキンバーガーも追加した.支払ってお釣りを受け取ったら,あまりにボロボロのお札で,何かの商品の値段シールでもって破れた部分に張られている.使えないこともあるから交換してもらおうとするガイド本の指南に従って求めたら,なにか紫外線を当てる機器にあてがい,大丈夫ですよ風な仕草をする.偽札ということでないのだが伝わらない.さっきの英語の子がやってきて間に入り果たせた.こだわること無かったナ.ガラス張りの,外に面したテーブルに座り,少し時間をかけてゆったりと食べた.コーヒーもポテトもハンバーガーもなかなかどうしてうまい.
 昼飯を終え,そうだ魯迅公園に行こう,とバス停を探した.ボストンバッグと荷物をぶら下げた天秤を肩にかついだおばさんが前から向かってくる.すれ違うまさにその時,ボストンバッグから猫が逃げ出そうと飛び出た.首に紐がつながれた三毛猫だ.叩いてバッグに猫を詰め込んで,笑いながら回りの人につぶやいていた.しようがない猫だよまったく,と聞こえたよ.
 混み気味のマイクロバスが止まっていた.上海動物園行きと表示がある.4元とはまた安い.出そうだった.どうしようか,魯迅公園と逆だしなあ.パンダも見たいしなあと思いながらも,フラッと乗り込んだ.車掌のおばさんに,ガイド本で目的地を指して運賃を払う.動物園は遠かった.途中からどんどん乗り込んできて立っているのも辛くなってきた.このおばさん,やたら元気だった.乗り過ごした人をちゃんと覚えていてやんややんや言いきちんと徴収する.混んでいて離れているものだから,お金の受け渡しが乗客で手渡しだ.僕まで肩を叩かれ,リレーさせられる.なんなんだか.
 もうかれこれ30分ぐらいも経ったのだろうか,一体どこら辺だろうか不安になってきた.隣りに立つおばあさんに,動物園は先なのか過ぎたのか身振り手振りで尋ねたら,先だよと教えてくれた.車掌さんにも,目的地を伝えてくれた.もっとも,車掌の元気おばさんは承知していた.
 やっと到着だ.入園チケットを買い,さあ入るかと門に向かったら,ボヘミアン風のおじいさんが笑いながら空き缶をもち寄ってくる.なんとも笑顔がよくて,駅前でのトイレの釣りで受けたヨレヨレの1角札と2角札を上げた.おれもセコイなあ.このおじいさんすごく喜んでくれて,とても良い事をした気分になった.
 中に入る.かなり広い.園内を観覧するカート列車があり,どうだ乗らないか風なことをオヤジが言う.ぼろぼろでテープで繕った案内パンフを見せて,パンダ,キリンも案内するよと言っている風だった.5元と書いていたから,乗るかと思ったら,60元と書いてある所の文字を指す.じゃあいいよと言うと,1時間も乗るのだし遠いんだよ風なことを言う.そんなにもこの動物園は広いのかよとビビってしまった.所で私もパンフを欲しいなと入り口の売店に戻り,1元で買う.パンダが一番と一直線に向かった.大きな池が途中にある.かなり歩いて,やっとパンダ舎に着く.円形のガラス張りの建物で,隣り合わせの2つの部屋それぞれに1頭ずつ居た.笹を食っていた.何とも愛くるしい動物だ.パンダ見物も中国で初体験となった.大熊猫がパンダで,小熊猫というのもいた.茶色い毛のタヌキのようでイメージしたものとは違った.夕暮れ近くになってきた.歩き疲れたわ寒いわパンダも見たしで,とっとと出るかと入り口に向かう.誰かが声をかけてきた.僕を何処かに連れていこうとする.パンダを目指しているときに場所を聞いた人だった.親切にも未だ探しつづけているんだろうと思っていたようだ.親切な人だ.しかし広い.
 やっと出て,通りを歩くがどうにも寒いしで,バスに乗り込み人民広場を目指す.
 人民広場近くで,降りたら寒いのなんの.我慢して人民広場を散策する.上海博物館から見て人民大道の先の,上海市政府の右の建物が照明も手伝ってきれいだった.オペラハウスだ.上海市政府を背に,老夫婦と息子さん風の青年連れが写真を撮っている.ジイさんが,道路からの入り口の車止め杭のようなコンクリート塊の上に立ち市政府を背にポーズをとっていた.僕もだと,後に続き真似てシャッタを頼んだら笑われてしまった.
 人民大道を超えて向こうの人民公園に行ってみた.ガイド本は入園料1元とあったから,どこで払うんだと探したが,それらしきところは無く,ゲートにも人が居なく,払わず入った.木々が植えられ,盛られた小山があり,池のようなところもあって,なかなか風情がある所だ.小山の林の中を歩いていたら,中国風な楽器の音楽がラジカセから聞こえてくる.合わせて老人が太極拳をしている.近代風の高層ビルが公園のそばに建ち,太極拳の風景とのコントラストがなんとも不思議.辺りはさらに暗くなってきた.
 通りに出てレストランを探した.看板が目に止まった.何とかかんとかがうんたら元と,なにかお得だ風な料金とメニューが書いてあった.家常菜,88酒楼とある.1階がピザハットのあるビルだ.ピザハットは混んでいた.エレベータでその酒楼に上がり,店の門をくぐる.各々の円卓に座って食事していた人たちがいっせいに私を注目する.あれっ,なに団体専用の店か,入ってはいけなかったかなと一瞬凍っていたら,男の声でどこからか,
「eat?」
と聞こえた.
「yes」
と言ったら,席に案内された.その背広の,中年の男が,一生懸命,片言英語で僕を助けようと,赤い制服着た給仕の女の子達との間の通訳をやる.そうだショーロンポーを食べようと,ガイド本で見せたら,
「点心,no」
と言う.そうかここは,飯屋だったんだなあ.じゃあとメニューを見せられて,それは何だ,これはこれだ,と片言でおじさんが汗をハンカチでフキフキ応答する.こちらもなにか冷や汗がでてきて,
「Please. Give me thinking time」
と言うが解してくれない.気づくと,さっきまで飯食っていた周りの人たちが居なくなっていた.どこに消えたのだろう,と考えるまもなく,この状況を抜け出さねばと焦っていた.先ずは肉と,メニューで牛肉の文字があるものをひとつ頼む.通訳のオヤジさんが注文取りの女の子に伝える.野菜も食べるかなと,ガイド本でチンゲン菜風の写真を見せたら女の子が,察してうなずいてメニューのどれかを指す.それで良いと注文して,オヤジさんが,
「rice?」
と聞くから,ガイド本の,ご飯の量を書いているページを見て,茶碗一杯が3両とあるから,ノートにそう書いたら,中年がそれはこんなもんだよとジェスチャーをして,いかにも足らないでしようと,言っている風だからしようがない2つ頼んだ.一杯飲むかと,調子に乗って青島(「チンダウ」と発言した.知っているでしょう風に.)ビールもと言ったら,ボトルかグラスかと聞いてきた.ボトルを選んだ.でも無くて,タイガービールになった.以上でいいよとした.さらには上海はどうだとか色々聞かれた.やれやれオヤジさんからやっと開放されて,お茶飲んで落ち着きトイレに立つ.一生懸命でいい人だったんだよなあ,実際.
 戻り,辺りを見渡せば,カラオケマイクのステージがあって,席が空の円卓テーブルがたくさんある.客は僕ひとりとなった.どこに消えたんだろう.料理が運ばれ,ビールを女の子達から間断なく注がれて,さながら王様気分.女の子達が可愛いんだこれが.牛肉炒めのは,麩のような揚げ豆腐のようなものと和えられていて,なかなかおいしくビールにあう.チンゲン菜とキノコの炒めアンカケはこれまた美味い.ほどなくご飯を茶碗2杯に大盛で持ってきた.食べきらんと,ひとつ取って他を戻してもらった.一皿の量の多いし,ご飯2杯は無理だった.と,給仕の子達が整列して,支配人らしきひとが一言話し始める.そうかさっき飯食っていた人たちは従業員だったか.開店準備だったようだ.申し訳無いなあ,特別にしてくれて.整列も終わり,給仕の子達4,5人に囲まれた.よほど旅行人が珍しかったのだろうか.ガイド本を見てはきゃっきゃ,今日はこれから雑技団を見に行くよとそのページ見せたら,ああなるほどねえ風な応答をする.客もちらほら入ってきて,彼女等も忙しくなってきた.平らげて,出た.楽しい夕食をすることができた.
 表の通りに出た.西洋風人形やら,キーホルダーやら道端で物を売る人たちがいた.自転車に新聞をいっぱい積んで,「ヤーポー」いや「ヤーフー」,「ヤープー」とかなんか尻り上り口調で叫んでいる.異国だなあ.
 南京西路を商城に向かって歩いた.いよいよ寒い.鹿児島と同じ緯度だからとの安易な考えが外れた.果物屋にホテルでつまむものを買うかと寄り,カップラーメン,梨そして蜜柑を買った.
 商城の奥のエレベータに乗り4階のホール入口に着いた.判子売りやら,日本人向けの即席店が出ていた.さあ,いよいよとわくわくして席に着く.中央の最前列から2列目で,前列は客無く,ブロック左から5つ目の,最高の席だ.左隣りは日本からの学生さん,右隣りは西洋人老夫婦だった.2階席までも満杯だ.たった60元で最前列中央で,これは良い.隣りの学生さん達は卒業試験を終えての旅という.同じガイド本を持っていた.豫園の有名なショーロンポーはお勧めだと言う.
 幕が上がる.お玉の投げ合いお手玉やテーブルの上の皿回しと,とてもテンポのよい芸で始まる.天井からつるされた2本の布切れを,腕に巻き取りながら回転して昇っていく芸やら,筒に板を載せて上に乗りバランスとりながら頭にアルミ食器やスプーンを飛ばせ載せるお兄ちゃんの芸やら,椅子を高く積み上げそれぞれに倒立するタワーやら,いい席で真剣さと感情が伝わりこれはすばらしい.1時間半の幕は飽きることが無かった.
 幕が降り,さすがに今日はとタクシーを待つことにした.トランシーバを持つ従業員が立っており,
「SANTANA please.」
「Yes.」
と,まさにサンタナを選び寄せてくれた.15元でホテルに着いた.なんなんだか,この安さ.
 寒かったけれど,天気も良く充実した日だった.

以上で 2日目 おしまい

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