4/27/03 はなみづきのあまりの白さに心奪われた。光に浮かぶこの白さはそれ自体が光を発しているかのように輝き、限りなく透明な白、或いは光そのもののような気さえする。光とは白色なのか?そんな問いに考えを巡らしていると咲子から聞いた白い月の光の話を思い出した。それは少しの驚きを伴い漠然としていてたが、私の頭の中に咲子が出てきた瞬間、この花の白さは私にその美しさ以上の何か言葉にならないものになっていた。
咲子との出会いに特別なものを感じたのは、彼女が私に Debussy の「Claire De
Lune」を教えてくれたときだった。そして時がたち思い返してみると、その白い月の光が二人の関係の始まりだったような気がする。今では私はこの女性を愛し愛し抜く決心をしているが彼女には家庭がある。それはある種の挑戦で、自分のものにしてはいけない難しいバランスを要求される。そして愛は愛であることを自分に突きつけて自分を試しいる。しかしその難しさ故に時々心にうずく激しい感情これに潰されそうになり格闘していた。自分の人生の目的はその愛なのか?試練の先にあるものを信じようとしている、、、がそれと同時に、何もつかめないままいづれ終わってしまうのではないかという不安、迷いまた自分の弱さに猜疑心を感じることもある。そして先が見えない自分に対する恐怖はこの白という不思議な色と重なった。
光の色を見ようとして盲目になり哀れむべき姿となった男のことを私は思った。ーーこの哀れな男は眼を焼き尽くし自然の法則の恐怖を知る。この世には色がある。誰が決めたでもないルールが社会を動かすように、色はそこにあるものなのだ。しかし男は見えるものと見えないものは狭間に妖怪のような真実らしきものを見た。同じところでじっと捉えられないものを見ていることがでないかった違いない。そして何を追いかけ何処を旅したのか?果敢に真実を追いかけ彼が見たものは何か?男は色眼鏡で光を見ることを拒んで最後に見たものは?今は哀れな姿となり、だれが理解してくれるのだろうか?ーーすでにこの男の恐怖は私自身のものであった。
愛とは何かと自分に問いかけると、無性にその見えないものを漠然と追いかけたくなり、それは私の夢であり私の人生に不可欠なもののように思えてしまう。まるであの男のように、、、そして今、咲子を重ねあの男の姿を重ねこの花を見るとき、あまりの美しさ故に心奪われ、その刹那に得体の知れない恐怖の感覚が私のからだの真を走るのである。