私の「遊び」再発見!
**小学校 HIGUMA
1.学校がいや!
今から数年前、私は初めて1年生を担任した。それは私の教育観が変わる出来事だった。はっきり言って地獄のような毎日だった。毎日「先生!」の叫び声の連続だった。子どものケンカの仲裁に追われていた。いつも『仲良くしなさい。』が私の口癖だった。
ある日、二人の女の子がカバンを背負って教室から出ようとした。
『どうしたの?』「学校がいや。保育所に帰る。」
『先生が、何かいやなことをした?』「ううん。」
『どうして、学校がいやの?』「いやことばっかりだもの。」
そんなやり取りをしていると別な男の子がカバンを持って「ボクも帰りたい。」と言い出した。私は、あわてた。心の中で「もうダメだ。」と思った。他の先生の協力で、何とか3人を引き留めた。
こんな事件が起きた原因は、学級の子ども同士の仲が悪かった(人間関係のトラブルの多発)ことである。原因は、わかっていた。しかしどうしたらいいかわからなかった。
2.親の知恵
7月の参観日で、お母さんたちと懇談をした。『学級では、子供たちのケンカが多いんです。「いつも仲良くしなさい。」と言っているのですが、ダメなんです。』とついグチが出てしまった。「先生、仲良くさせたいなら、遊ばせたらいいよ。」とあるお母さん。私は、衝撃を受けた。それまで「教師は、勉強だけを教えればいい。」「子供は、だまっていても遊ぶ。教師は、子供の遊びの世界に介入すべきではない。」という常識にとらわれていたからだ。常識を捨てることにした。積極的に、遊びを学級経営に取り入れることにした。
3.遊びを通して成長する子ども
休み時間を子どもと一緒に遊んだ。教室でスキンシップゲ−ムをおこなった。はじめは、「高い高い」,「肩車」,「オンブ」をした。休み時間になると列ができた。そのころ、集会前に廊下で整列させることがうまくできなかった。この時は、すぐできるようになっていた。スキンシップもいろいろとバリエーションがでてきた。「暴れんぼう将軍」,「エレベ−タ−」,「ごあいさつ」,「こうもり」,「ゆりかぼ」などが開発された 体育の時間や時間を見つけて集団ゲームをした。主にジャンケンゲ−ム系とおにごっこ系をした。ジャンケンゲームは、ジャンケン列車,リ−ダ−ジャンケン,口ジャンケン,足ジャンケン,一分間ジャンケン,億万長者,王様ジャンケン,お開きジャンケンなどを行った。
いろいろ遊んでいくうちに子どもたちの仲が良くなった。
集団ゲームを通して子どもたちはいろいろなことを学んだ。「自分たちで決めたルールを守る」「もめごとの解決の仕方」「我慢すること」「ゆずること」など。
実は私が一番学んだと思う。子どもと一緒に遊びながら新しい発見がたくさんあった。「子どもが集まれば必ずもめる」「もめごとから逃げないで解決のための努力を払うことによって子どもは人間的にも成長する」など。遊べばすぐ仲良くなるという単純なものではなかったのだ。子どもは[遊ぶ→ぶつかる→話し合う→解決]というサイクルを繰り返しながら成長していくことがよくわかった。
現在3年生32人の子どもたちと遊んでいる。一番うけているのが「探検ツァー」である。本校の敷地内の野原や山を歩きまわっている。極めて単純な遊びだが子どもたちに好評である。自然が一番だとしみじみ思う。只今季節は冬に向っている。今度はどんな遊びをするか楽しみにしている今日この頃である。
(1994年、**研究所所報原稿より)