水島灘埋立3

 

懸案の大事業水島灘埋め立ても

国会通過で全国に報道され、

不況に苦しむ県下住民にも明るい話題であった。

しかし、現実はきびしく、

いざ実行となると周辺を取り巻く諸問題が多数あった。

先祖より伝わる漁場を埋め立てるということは、

つまり漁師にとっては失業を意味し、

沿岸漁民の驚きは大きく、生活の不安は歴然であり、

賛否両論に分かれ騒然となる。

賛成派は好況到来と地元発展、就職安定。

また、市街化に変貌で、土地高騰により、

周辺山岳の社用団地としての用地確保、

沿岸田園の工業用地売買を先取りして、

平和な農漁村の狭き路は人車で混雑した。

全国の土建業者が砂糖に群がるありのように

水島地区に集まる。

沿岸の農地は工業用地として売買され、

鶴新田に始まり、連島地区、福田地区へ測量に入りこみ、

あっという間に農村の風景は一変した。

当時は福田地区田園で一反75万円・坪2500円であった。

多数の土地ブローカーが暗躍し、

山岳地帯は安い値段で売買され、

田園といえども店頭に並ぶ商品のごとく、

売約済みの標札が数多く立ち並んでいた。

水島地区周辺の不動産異動は激しい時代がしばらく続いた。