水別れの狐

 

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倉敷の生坂から山手村の平山岡谷にぬける道。

広谷峠という名前がついているが、

みんな水別れ(みずわかれ)と呼んでいる。

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この峠の西に沿って七つのため池がある。

今から千年以上も前に造られたものらしい。

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山手よりの池には、祠と石塔がある。

 

昔、下津井や呼松の漁民が、魚貝類を売りに来るのに、

この峠をこさなければいけなかったが、

日暮れになるとよく狐が出てきて、

危険な目にあったそうだ。

大入道が出たと坂をころんだり、

池に落ちたりして命を落とした者もいたそうだ。

呼松の行商人も、

歩けないと泣く娘を背負って峠を越したところ、

娘は岩に、商品の魚は馬ふんになっていた事もあったらしい。

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そういう事がたびたび起こるので、

塩飽諸島の魚問屋が魔よけの地蔵尊をここに立てたところ、

それから、狐が出ることはなくなったという。

 

それにしても、

下津井や呼松からここまで、

さかなをかついで売りに来るなんて、

昔の人は相当強じんな足腰をしていたらしい。