正御影供2002

平成14年4月27日から5月3日、10年に一度の正御影供が行われました。

 

ともさんが腰を抜かしたという動く人形は、今回も健在です。

弘法大師にちなんだ人形たちで、どこかなつかしい感じがする。

作者は中田市男さん77歳。

 

以下山陽新聞(2002年4月25日)から

 

倉敷市呼松の自宅近くにある工房に、

製作中の等身大人形が雑然と置かれている。

天狗に美人,子供にお化け。

その中心にどっかり座り、

一心不乱にへらや筆を使って人形の造形を整えていく。

中田さんは全国でも少なくなった人形師の一人。

近所の寺の祭りで、

1週間披露する新作の仕上げに余念がない。

9年前に他界した先代の父とともに人形を作りつづけてきた。

お化け屋敷の人形や菊人形、

祭りの山車人形などこれまでに千体近くを製作。

12・3歳のころから父を手伝い、

「いつのまにか私も人形師になっとった。」

と笑う。

人形は顔が命。

まず顔の金型に紙を重ね張りして張りぼてを作る。

次に線香の粉でできた練り物をへらでつけ、

天狗の大きな鼻や子供のふっくらとした輪郭を生み出す。

最後にカキの殻を粉にした胡粉を塗って質感を出し、

顔料で彩色して仕上げる。

武士の青々としたひげ跡や、

ピンク色をした乙女のほおが見事に表現される。

人形に魂が込められる瞬間だ。

中田さんの作品はリアルなだけではない。

機械仕掛けで手が動いたり、

まゆがつりあがったりする。

先代は全国に先駆けて昭和初期に機械仕掛けで動く人形を考案し、

好評を博した。

後を継いだ中田さんの人形も動きのあるものが中心。

お化け屋敷で使われることが多かったという。

「30年程前までは、動く人形はえらい人気でなあ。

 でもお化け屋敷も下火になったし、

 今は仕事が少なくなってしもうた。」

かつて呼松地区には4人の人形師がいた。

しかし、今は中田さんだけになった。

「後継者もおらん。

 盛んじゃった呼松の人形作りも私でおしまいじゃ。」

少しさびそうにつぶやいた。

 

だんじりの上の天狗。