円田地蔵様

国道430号線、新呼松バス停留所の横に円田地蔵様がある。
これは、もともと備中成羽の山奥にあったもの。
1人息子に嫁が来るようにお地蔵様を祀ったところ、
大変気立ての良いかわいいお嫁さんが来た。
それから、村中に『縁談の地蔵様』として評判になった。
ある日、大雨が続きお地蔵様も川に流されてしまった。
元禄の頃、福田古新田五の割あたりで漁をしていた
呼松の漁師が網に引っかけた。
持ち帰り山の中腹に祀った。
ともさんが子どものころ、手足にいぼができると、
ここの線香の灰をつけ、素焼きの皿をお供えして、
願をかけると、何日かの間にいぼがなくなった。
いつも、100枚くらいたまっていたらしい。
波にあらわれ、目鼻がなくつるつるしていることから、
誰かが思いついたのかもしれない。
また、若い男女のお願いもきいてくれたらしい。
よく赤と白地の「大願成就」ののぼりがたっていたそうだ。

天城の海禅寺にひきとられたという別の言い伝えもあり、
ともさんは住職に会い、実際にたしかめた。
「これが実物です。」と言われるが、
祭段の下のほうに他の位牌と祀られてあり、
ずいぶんと小さい。
おそらくこれは、海禅寺が焼けた時残った、
近くの庵のご本尊さまに違いない。
呼松にあるのが本物だ。
ともさんは、そう結論を出した。