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キス子網漁
キスは6月になると、 今治沖の燧灘より水島灘へと群れになって入り込み、 東部の砂地で産卵する。 7月が来ると、 トラフグの子やキス子、ギザミ、メバル、ママカリなどの大衆魚がよくつれる。 昭和21年、 戦後の漁村の食糧事情は非常に厳しく、 少量の配給米で飢えをしのぐという状況が続き、 不安この上なかった。
農村との物々交換として食糧確保の源は、 漁民としては魚をとる事しかなかった。 悪天候が続くと出漁できず、 苦しい毎日が続く。 暗中模索の思いで佐柳島へ知人と漁業視察に行く。 7月半ば、 キス建網の最盛期で島は活気にあふれていた。 これを見て、 水島でもキスがとれはせぬかと思い、 使用済みのキス建網を購入、 船に積んで帰途につく。 途中、知人と相談し、 水島灘で網を入れてみた。 2時間後、 網を上げるとキスが大量にとれた。 喜び勇み港に帰る。 漁師仲間にそのことを話すと、 9隻の船が同調してくれ、 ただちに建網を新調することになった。 そして、昭和45年まで安定した漁獲が続いた。 平成12年には3隻の出漁があった。
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