両替屋さんのはかり

-------山陽新聞 昭和59年5月31日---------

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江戸時代に両替屋が使っていたはかりを

土蔵の整理をしていて発見。

このはかりは木製で,

たて27センチ,横73センチ,高さ72センチ。

下段に三つの引き出しがあり,

真ちゅうのてんびん,分銅,

木槌などを分解して収納するようになっている。

計り方は支柱にてんびんをぶら下げ,

一方へ分銅,もう一方へ品物を置く。

分銅は11キロから2グラムまで大小16個あり,

木槌は金貨や銀貨をたたいて音で質を調べるもの。

郷土史研究グループの福田史談会(木村久雄会長)は,

「江戸時代に藩貨があちこちで造られ,

 金,銀の量が違うため,

 両替屋でこのはかりが利用されていたらしい。

 それにしても,傷みがほとんどなく,

 完全な形で現存しているのは

 県下でも珍しいのでは。」

と説明。

田中さんは,

「家に置いていても宝の持ち腐れ。

 将来役に立つのなら,

 永久保存できるような施設へ寄付したい。」

と話している。

 


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田中家にはもう1台小型のものがあるとのことである。

写真だけでもと田中家を訪れた。

田中家のおばあちゃんは、快く土蔵の中を案内してくれた。

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ところが、いくら捜しても見当たらない。

そういえば、新聞記事が出てから、

古物商の人が頻繁に出入りしていたそう・・・。

惜しいなあ。

 

しかし、薄暗いほこりまみれのこの土蔵の2階に、

江戸・明治・大正・昭和の歴史がつまっている。

そう考えたら、ここにいるだけでしあわせな気分になった。

 

田中家古文書に「貨幣取調書」もある。

やはり、ここではかりを使って貨幣を調べていたのであろう。