埋め立てられたイナブラ

 

 

ともさんが子供のころ、

額にジャギ(痘痕)のある人がいた。

これは、天然痘の治った人であった。

天然痘で命を落とす人も多かったらしく、

墓地が一箇所に限られ埋葬された。

この墓地を、ほうそう墓といい、

岩壷を北に上がったところにあったが、

現在は私有墓地になっている。

 

伝染病にかかると、避病院に収容された。

この避病院は王地の旧駐在所の上にあって、

三棟と事務所があった。

今の新道の中央付近である。

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伝染病で亡くなった人は、

イナブラ(鼻ぐり島)で火葬された。

今は崩され埋め立てられたイナブラから、

煙が出ているのを見ると、

ともさんはたまらない気持ちになったらしい。

 

コレラ発生以来、伝染病もなくなった。

また、施設の充実した病院もでき、

みんな安心して暮らせるようになった。

 

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王島山南西角より約五百メートル沖にあったイナブラ。

昭和38年。

埋め立てられ、消滅する直前。