ラジオ体操



東京への出張の朝、
明治神宮を散歩していたら、
集団でラジオ体操しているのに出会った。
邪魔しても悪いので別の場所に移動すると、
そこでも別のグループが一生懸命ラジオ体操に取り組んでいた。

どこかで見たことがある光景。
しばらく歩いていて、思い出した。
中国の朝の公園。
いたるところで集団で太極拳をやっている。

どちらも朝早くから人が集まっているが、
身体の動きは別物である。
太極拳はゆるやかに。
ラジオ体操は正確にすると動きが速くきつい。
お年寄りには正直無理である。

ラジオ体操をきちんと習得している人は、
最初の深呼吸の最後に、
すでに次の動作に移っている。
胸の前に両腕がクロスしている。
さらに、次の運動で、
普通の人は腕を横に開くときだけかかとをあげるが、
NHKのお手本のお姉さんは、
腕をクロスするときも上げている。
つまり、この運動のとき、
両足のかかとはほとんどあがりっぱなしである。
この調子で、すべての体操を正しく行うには、
朝起きたばかりの体には、
ちょっとつらいだろう。

話はかわって、
我々の夏休みの7月は、全校児童が小学校に集まって体操した。
師範は、宿直の先生。
8月になってから各地区に分かれて体操した。

さて,その小学校3年生。
学校で体操をしている時に
「今晩,運動場に空とぶ円盤が下りてくる。」
といううわさが子どもの間を駆け巡った。

もちろん,私も信じた。
待ちきれずに
3時頃からわくわくして運動場で待った。
50人は集まっていたはずだ。
円盤が運動場に下りてきて、
校長先生と握手をするという情報も流れてきた。
「あっ、来た。光るもんが見えた。」
と誰かが指さすと、みんな一斉に空を見上げた。
「こっちじゃあ。」
と誰かが言うと、
「ほんまじゃ、見えた。」
と誰かが返した。
でも、その光るものはいつまでたっても大きくならなかった。

ずっと見上げ続けて首が痛くなった夕飯時、
なかなか家に帰らなくて心配した家の人が
迎えに来た。
一人、また一人と家路に向かう仲間が増え、
私もついに帰ることにした。
しかし、空飛ぶ円盤は絶対来るものだと信じていた。
次の日、昨夜のことを残っていたものに聞いたが、
ついに誰も目撃者は出なかった。
「きっと、都合が悪くなって来れなかったんじゃあ。」
そう考えて、小学3年生の気持ちは次のことに向かった。


今は,勤務時間が複雑で、
ラジオ体操の音楽がうるさいという理由で,
なかなかみんなが集まる広場が確保できない。
運動会でも、ストレッチ体操にとってかわられようとしている。

しかし、ラジオ体操は
日本国民全員が、同じ曲で同じ体操ができる。
中国の太極拳は、曲が全部違う。
こういうの、他の国にもあるのだろうか・・・。