HERO
 僕が高校2年生の時、ホームルームの時間にトイレに行って帰ってくると、”修学旅行委員”にさせられていました。
 何をさせられるのかと思っていると、修学旅行説明会で、2年生全員が体育館に集められた時、修学旅行委員が前に呼ばれ、ジャンケンをさせられました。バスの順番を決める為です。僕の高校は工業高校だったので1組〜8組というクラス名ではなく、電気課、機械課、という名前なので、バスの順番でもめないようにです。(このジャンケンだけが修学旅行委員の仕事だったのです。)
 2年生全員が見守る中、ジャンケンが行われました。そこでなんと!!僕が最後まで勝ち残り、僕のクラスが
1号車に決定したのです。その時のクラスのみんなといったら、それはもう大騒ぎ、雄たけびを上げる奴、ガッツポーズをする奴、狂喜乱舞とはこの事か?と思うくらい。僕はたちまちクラスのHEROです。「よくやった!」とみんなにもみくちゃにされる始末。(いつもバラバラのクラスが一つにまとまったのは、この時だけだったのではないだろうか?)
 さて、いよいよ、修学旅行の当日、僕のクラスのみんなは「俺達、1号車だぞ!」とほかのクラスの奴らにメンチを切って、意気揚揚とバスに乗り込みました。そこからが又、大騒ぎ。1号車という事は、バスガイドさんも”いちばん責任のある人”(いちばんおばさん)だったのです。「ほかのバスは若くて可愛いバスガイドなのに何で俺達のバスだけ”おばさん”なんだ!」「修学旅行委員、何でジャンケンで勝つんだ!」「修学旅行委員のバカヤロウ!」と批難ゴウゴウ。(昨日まで、
HEROだったのに、何でこうなるの?)
この時から、僕は、ジャンケンがすごく弱くなってしまいました。
-本当の話です-