撮影にあたって

 前述したように、私がB少女達を撮影するにあたって最も重視する原則は、「Bは前から」である。これには、立っている子を撮るときと座っている

子をとるときの2つの場合がある。まず、立っている子を撮る場合について。私は、絶対に動いている子は撮らない。止まっていないと、Bが本来

持っている美しい形が出ないからである。ところが、これを手に入れるシュチエーションはわりと少ない。列記すると、入場行進後の整列状態、

国旗・校旗の掲揚、リレーでのバトンを待つとき、競技の補助、集団演技などである。まず、整列状態についてであるが、各学年の前に立つ

6年生のプラカードガール達は、おそらく先生から選ばれたであろう見栄えのいい子が多いし、6年生の子達も一番端で撮りやすい。その後に続く

ラジオ体操も、様々なポーズをみせてくれる。ここまでで、フィルム1本は軽く消費してしまう。リレーでのバトンを待つ子を撮ることについいては、

とにかく忙しい。今立っている子の中の欲しい子を撮りながら、次に立つ子の中から、欲しい子を探しておかなければならない。たしかに忙しかった

が、撮りやすかった。それは、名ばかりのズームレンズがついたコンパクトカメラを持った父兄がすこしでも大きく我が子を写そうとよい撮影

ポイントに集まるので、その中にまぎれて、望遠のズームレンズでとると、寄ったのから引いたのまで自由自在に撮れるからである。国旗・校旗

の掲揚や、競技の補助をする子達(リレーのアンカーが切るテープを持って立っていたり、玉入れの籠のついた竿や、低学年の徒競走で折り返

す旗の竿を持っていたりする子)は、比較的長時間そこにいるので条件的には撮りやすかったが、こればかりはこちらが選ぶことができないので、

相手によりけりであった。また、各学年を赤組と白組みに分けて、(つまり、全校生徒が2チームに分かれて)対抗戦形式で競技が行われる場合

があった。このような場合、低学年のリレーなどのとき、6年生の応援団の子達が、座って応援している子達の前に立ち、旗を振ったり笛やピアニカ

などの楽器を吹くことがあった。彼女達は、グラウンドを背にして(つまり私のほうを向いて)いるので、これも撮りやすかった。最後に、集団演技に

ついてであるが、組み体操などでは、きめのポーズ(観客が拍手をする場面)が撮影の瞬間である。集団演技は総勢で行うので、「これはいい!」

という子が目に留まる。その子が動けば、私も動いた。今思えば、立派なストーカーである。

 次に、座っている子を撮る場合について。これも基本は前からである。すねとすねの間から見える三角形や四角形のBが、たまらなく好きである。

だが、これを撮るのはもっと難しい。なぜなら、座っているときは、まずグラウンドの方を向いているからである。一般人としてグラウンドの外から

撮ることができる唯一のシュチエーションは、リレーでバトンを受け取るために立っている子の次の座っている子と、走り終わって座っている子で

ある。前者は、次々と立ち上がっていくので、これもまた、欲しい子を探して撮ることが忙しい。後者は、男子が走っているときなどにゆっくりと

撮ればよいので、楽である。ただ、一番前の子以外は、かくれてしまうので、運が大きくかかわる。私は、運が強いので、一番前の子は写欲を

そそる子によく当たった。ただ、おませな子もおり、ご丁寧に、すねの前で手のひらをクロスして隠す子や、三角形のを同様にして隠す子が

いた。しかし、そんな子にもチャンスは数度訪れる。まず、ランナーが背中側になったとき、自分のクラスが気になって後ろを向くときと、後ろの子

に話し掛けられて振り返るときである。そのときだけ、ノーガードになる。その一瞬をのがしては、スーパーシューターとは言えない。とはいえ、

撮られている子には、嫌な思いはさせたくないので、撮るにしてもバトンを渡す瞬間を流し撮りするようなふりをして、ランナーが通り過ぎた瞬間に、

座っている子にシャッターを切り、一枚撮り終えるごとに、すぐにゾーンに立っている子の方にカメラを向けなおす演技もした。

 以上、今となっては、懐かしい限りである。

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