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「青森県の工業」の授業


青森県(青森市立甲田中学校)/寺田充伯


メタルカラーの授業を参考に青森県に存在する先端産業をとりあげた。



準備物:掛け地図(東北地方)、MIA(メイド・イン・アオモリ)の実物資料
※対象は中学校2年生である。青森市の委託研究授業発表として行った実践。

指示1  前の時間に「東北地方の工業」を学習しましたね。
     東北地方では、どの様な所でどんな工業を行っていましたか。
     分かった人は手を挙げてください。

※挙手した生徒を起立させて発表させる。(列指名の方がよい。)
・伝統工業が森林資源や鉱産資源が多いところにある。
・重化学工業が海岸部に発達している。
・先端産業が高速道路や空港の近くに進出している。

説明1  ・伝統工業ですね。(といいながら)津軽塗りを教卓からだす。
      ・海岸部には重化学工業以外にも工場がありますね何の工場でしょう。
       (缶詰、かまぼこ、塩から、など水産加工品工場)
      ・IC工場などの電子工業は、九州地方に次いで多くなっていましたね。
       また新聞で読んだ人も多いと思いますが、クリスタルバレーなど
       青森県でも企業誘致に力を入れています。(新聞提示)

・「東北6県の工業生産額の推移」のグラフを配布する。

指示2 「東北6県の工業生産額の推移」のグラフをみて、
     青森県の工業出荷額の伸び率について気がついたことをノートに書きなさい。
     @Aと番号をつけて箇条書きするんですよ。


では書けた数を聞きます。書けた数の少ない方から指名。
・青森県は、約6倍になった。
・福島県は9.8倍になっていて青森県よりも伸びが大きい。
・岩手県は8.5倍になって、やはり青森県よりも伸びている。
・秋田県は6.7倍で青森県と同じくらいの伸びだ。

○○くんと同じ事を書いたという人はいますか。

指示3 グラフから疑問に思ったことはありませんか。     

※列指名で言わせる。一列終わったら他の意見がある人を挙手指名する。

発問1 「青森県の工業生産額の伸びが低いのは、なぜだろうか。」
     (「青森県と岩手県の違いはなんだろう。」)     

みんなで読みます。さんはい。(一斉読み)
それではノートにできるだけ急いで書きなさい。
書き終わった人は「書けました」といいなさい。
課題が書き終わった人は予想を書きなさい。

指示4 予想を発表してもらいます。
     では書けた数を聞きます。書けた数の少ない方から
     発表してください。

・東京から遠いから。
・新幹線が来ていないから。
・青森は食品工業が多いから。
・工場を建てる用地が少ないから。
・労働者が少ないから。

指示5 予想は   a 「交通について」
            b 「工場の種類について」
            c 「誘致企業の数について」
     の3つにまとめられますね。
     3人一組のグループをつくって、
     それぞれabc、bca、cab の順で調べましょう。調査は7分間です。

※ a は地図帳を使って、b はプリント「青森県と岩手県の工業出荷額割合」、
  c はプリント「青森県と岩手県の誘致企業数」を使って調べるように指示する。

指示6 いったん調査をやめて、おへそをこちらに向けなさい。
     3つとも調べられた人。(挙手確認)
     全部は終わってないが最初のものは調べ終わったという人。(挙手確認)
     その人は同じグループ内で調べた結果を聞いてノートに書きなさい。
     時間は3分です。

指示7 全員が表を埋められたグループは席をもとに戻しなさい。
     グループ毎に発表者を決めて発表します。

青森県 岩手県
a 交通 ・空港2つ
・新幹線×
・東北自動車道
・空港1つ
・新幹線○
・東北自動車道
・秋田道
b 工業の種類 ・1位 食品工業 30.9%
・2位 機械工業 29.6%
・1位 機械工業 49.1%
・2位 食品工業 21.5%
c 誘致企業の数 ・平成11年までで357件
・伸び方はゆるやか
・平成11年までで609件
・昭和58年〜平成2年まで、
 すごい伸びている

・「付け足し」や、「これは違う」と思うものはありませんか。

指示8 まとめをノートに書きなさい。書き出しは「青森県の工業生産額の伸びが低いのは、」です。

指示9 まとめを発表して下さい。まだ書けていない人は発表されたものを参考にして書きなさい。

まとめ 青森県の工業生産額の伸びが低いのは、
     ・新幹線など高速交通網の整備が遅れているから。
     ・他県に比べて出荷額に占める機械類の割合が低いから。
     ・誘致企業の数が少ないから。
     だと分かった。

発問2 それでは青森県は工業生産額も伸びが低いし、工業は食品工業が多いし、
     全国でも遅れているんでしょうか。

・遅れていると思う人と挙手させた。

説明2 実際に青森市にある工場に行ってきましたのでビデオを見たいと思います。
     まず工場の場所ですが黒板の地図をみて下さい。
     青森南部工業団地というところです。学校からだと30分かかりません。

・自作VTR(4分9秒)

指示10 ビデオを見て分かったこと、考えたこと、思ったことをノートに書きなさい。

・青森リバーテクノという会社だ。
・SONYのビデオカメラなどに必要な部品をつくっている。
・このサイズの「水晶振動子」の世界で98%も独占している。
・水晶を薄くスライスする技術がすごいと分かった。
・1円だまよりも小さくてすごいと思った。

説話 工場の中は企業秘密がたくさんあってビデオ撮影は禁止だったので、
    残念ながら見られませんが「水晶振動子」をつくるための工作ロボットや
    たくさんの機械がありました。中には10億円する機械も使っているそうです。
    
    案内してくれた久保田課長さんは
    「皆さんが知らないだけで、青森にも先端工業は、たくさんあるし
    世界でもそこだけでしか作れるところ無いというのもたくさんある。」
    と教えて下さいました。
    
    さらに「ただしその中でも競争はあるし、現在、世界一の商品でも
    自然に値段は下がっていくので、常に少しでも安く作れるような工夫を
    しなければどんな企業もつぶれてしまう。」と言っていました。

    また「青森に進出した理由は何ですか。」と聞いたところ
    「第一には安い労働力」と答えてくれました。
    「社員教育には年間700万円かけるそうで、特に意識教育を
     徹底するそうです。」しっかりとした意識で仕事をしないと
    事故やケガが増えたり、能率が上がらなかったりするからだそうです。

    最後に「どんな会社でも社長がこれを作るぞと命令をして作ることろはない。
    社員が次はどんな製品が必要とされるかを考えて作っていくんだ。」と
    言っていたのが印象的でした。

指示11 今日の授業で分かったことや感想をノートに書きなさい。
      書けたらノートを持ってきなさい。 

・さっきのビデオを見て、青森はそんなに先端産業はやっていないと思ったけど、
 意外にさかんだと言うことが分かり、すごいなと思いました。
 青森も交通も整備すればもっとさかんになるなあと思いました。
・やっぱり機械工業のほうが食品工業より生産額が多いんだなと思った。
 あと青森でしかできないようなことをしている工場があることを知って驚きました。

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