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道徳・「生きてます、15歳。」


青森県(青森市立甲田中学校)/寺田充伯


井上美由紀さんの「生きてます、15歳。」の親子関係から、親への感謝の気持ちや子育ての厳しさなど親子愛を考える。
菊地はす江氏(TOSSランド2210254)の部分追試。参観授業で実施。保護者からの手紙を読んで泣き出すものが多数いた。


修正点
・授業実践対象は中学校3年生、一学期の授業参観で実施した。
・保護者にあてて手紙を書かせる場面を保護者からの手紙を読んで返事を書くように変更した。


今日の道徳は井上美由紀さんについて勉強したいと思います。

「生きてます、15歳。」(井上美由紀著 ポプラ社)の本を見せる。
(CCDカメラでテレビの画面に映したがスキャンしてプロジェクターで見せても良い。)

発問1 美由紀さんには体に不自由なところがあります。どこでしょう。

生徒が口々に「目」などという。正解を告げる「全盲なのです。」

発問2 赤ちゃんが産まれるときの体重はどれくらいか知ってますか?

3000グラムくらいの反応が多い。
「そうですね。先生の娘はちょっと小さくて2400グラムくらいでしたけど。」

発問3 赤ちゃんが生まれるまで何週間ぐらいお母さんのおなかにいるか知ってますか?

すぐに答えを言ってしまう。40週ぐらいです。

説明1 美由紀さんは23週で産まれてしまいました。
     美由紀さんのお父さんが交通事故で亡くなった知らせを聞いて、
     お母さんがおなかが痛くなったのです。
     産まれたときの体重は500gでした。
     手のひらにのるくらい小さな赤ちゃんでした。
      ・身長はボールペンくらい
      ・頭は卵くらい
      ・指は、つまようじくらい
      ・太股は、大人の小指ほど
    だったそうです。

本のページをめくり、保育器の中の写真をCCDカメラでテレビ画面に映す。

発問3 小学校の3年生の時、自転車に乗る練習をしました。でも美由紀さんは自転車ごと倒れてしまいました。
   お母さんはどうしたでしょうか。
    1.すぐにかけよって「大丈夫?」と声をかけた。
    2.知らないふりをした。
    3.大声で怒鳴った。

一つずつ挙手で人数確認。2が多かった。
正解は3「大声で怒鳴った。」である。

発問4 お母さんのとった行動をどう思いますか。

この発問をする前から、「なんで」「鬼だ」「ひどい」などの声が聞こえていた。

井上美由紀さんの弁論大会の原稿の一部を読みます。

「母の涙」(部分)
 私が小学校3年のころ、母とふたりで補助輪を取って、自転車に乗る練習をしました。
私はてっきり母が、自転車の後ろの荷台を持ってくれるものだと思っていました。ところが母はベンチに座って、大声で叱るだけなのです。私は自転車ごと倒れてしまい、ひじやひざからは血がふきだしました。でも母は、知らん顔です。
 1回倒れたら、自転車がどこにあるかさがすのが大変です。やっとの事でハンドルをつかんでも、今度は自転車をおこすのにひと苦労です。それでも母は大声でどなるばかりです。私は腹が立って、腹が立って、「なんて冷たい母親だろう。」と心の中で思いました。
 しばらくの間、乗ってはたおれ、乗ってはたおれしているうちに、なんと自転車がスイスイ進むようになったのです。
 そのとき、母が私のそばに来て、「美由紀、よく頑張ったね。何でも根性やろう。やろうと思ったらできるやろう。」と言って、ふたりで抱き合って喜びました。抱き合っているうちに、私は母に腹をたてていたことなど、すっかり忘れていました。


発問5 美由紀さんが2階の階段から落ちて、痛くて動けなかったことがありました。
    お母さんは何と言ったでしょう。
     1.大丈夫?すぐ行くからじっとしてなさい。
     2.かわいそうに、どこか痛いところはない?
     3.あんた、そんなところで何してるの?

もう分かったよ。との声多数。「正解は3です。」

説明2 その時、子どもにとっては、なんて冷たい親だろうとたとえ思われたとしても、
   子育ての中では厳しさが必要なんですね。
    美由紀さんにとっての自転車をみなさんにとっての受験勉強だと考えたらどうでしょう。
   親の気持ちが少しは分かるのではないでしょうか。


指示1 これから皆さんのおうちの方に書いて頂いた手紙を渡します。
    先生も読ませて頂きました。何度も何度も繰り返し読んでいるうち朝の4時になってしまいました。
    ゆっくり読んで下さい。読み終わったら手紙を伏せて待っていて下さい。 

手紙は事前に保護者にお願いして書いて頂いた。
便せんと下のように触れて頂きたい内容についてを同封しておいた。

○○君(さん)へ

  ・あなたが産まれた時
  ・名前の由来
  ・あなたがいて良かったと思ったこと(うれしかったこと)
  ・あなたと生活して、こんなことに気づいた
  ・あなたは覚えていないかも知れないけど
           こんなことが思い出に残っている。
  ・あなたのこんなところが大好き
 
    平成15年4月14日       △△より

読み始めてすぐに目を潤ませているもの多数。
中には人目をはばからず、ぼろぼろ泣いている男子もいた。

指示2 (全員が読み終わったら)ではお手紙にお返事を書きます。
    手紙を書いてくれた人へあてて書くんですよ。

便せんを2種類用意。
長く書きたい人には普通の便せん。
あまりかけそうにない人には字数が少なくてもすむ便せんを作っておいてやる。
好きな方を選ばせる。

手紙をいただいた方にお返事を書きましょう。

 △△さん へ

  ・△△が親でよかったと思うこと。
  ・△△にしてもらって、うれしかったこと。
  ・△△は、覚えていないかも知れないけどこんなことが思い出に残っている。
  ・△△のこんなところが大好き

  平成15年4月15日          ○○より

「残りの時間(実践時は20分)で一行でもいいから書こう。」
「なかなかかけない場合は、まず宛名を書いて、手紙をもらった感想を書こう。」と声をかけるとよい。

指示3 チャイムが鳴ったら先生に手紙をだして下さい。

集めた手紙に教師からのお礼の手紙も同封して後日返却した。

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