悪ふざけ架空戦記2 暦新島上陸作戦
第51回〜第60回
「あのー、ヨン提督?」
通信参謀のムクマー少佐が恐る恐るヨン提督に話しかけた。
「はい〜、何でしょう〜?」
「一航戦から、何度か攻撃隊発進の意見具申が来ているのですが。段々、投げ遣りでいい加減な意見具申になってきてはいますけど。テイラー提督が『敵の攻撃を撃破してから反撃する』という方針だと言うので、今までは何もしていません。これでよろしいのでしょうか?」
ムクマー少佐としては、これまでの司令部の方針には、全く賛同できないと思っていた。しかし、通信参謀である少佐に作戦方針を決める権限があるわけでもないので、自分の仕事を果たす以上のことをやろうとは思わなかった。だが、ウエスト中佐は卒倒するわ、内輪もめとしか思えないことばかり続いているわ、と事態が悪化し続けているようなので、多少は司令官の真意を質してみようか、と思ったのである。
「攻撃ですかぁ〜?それは〜・・・・」
ヨン提督が何か言おうとしたが、最後まで言えずに中断を余儀なくされた。急に、○○○○○○が○○○○○○○○○○○からである。
「○○○○ー!!これでやっと○○○○『○○○』も、○○○○○○○○○○○なるでしょう。○○○○○○○○で○○○○○○、○○○○○○○○とは『○○○』としての○○○○○○んですよ、○○」
○○○○○○○○○○○で○○○きた○○○○○○だが、相変わらずボケーッとした顔で指揮官席に座っているヨン提督を○○と、○○に○○○○○になった。
「○○○か、まだ○○○○○○○ですか。○○○○○○○○くせに」
○○○○を○○○○だが、ヨン提督は意味を解していないようで、それを聞いてもヘラヘラ笑っているだけである。
「そう仰られましても・・・・・一応ヨン提督が司令官ですから」
ムクマー少佐は遠慮がちに○○○○○○に話しかけた。○○○○○を○○○も、○○○○○○は○○○にしたように○○○○○、○○○を○○○しまう。「○○は、こんな○○○○○○として○○○○○○○」と○○○○○○○○○である。
(第51回終了)
「それでですねぇ〜、攻撃の方の話なんですけどぉ〜」
一旦中断した件を続けるヨン提督であった。しかし、それ以上ヨン提督が喋ることを○○は許さない。
「攻撃!?そんなものは決まっているじゃないですか。機動部隊の優勢な航空兵力を集中的に使用せずして、どうするというのです。直ちに全力をもって先制攻撃です。それ以外にやることなどありません」
有無を言わさず決め付ける○○○○○○であった。
「いやしかし、今まではテイラー提督の方針で、敵に先に攻撃させる、ということになっていたのですが。今さっき、敵の空襲を撃退したばかりですし」
ムクマー少佐が説明する。○○○○○○は、今までは○○に○○○○○○で、現在の戦況がどうなっているのか全く知らない。すでに先制攻撃どころではない状況であることは、○○は○○○○○○○○○のである。
「敵に先に攻撃させる?○○○○○○○○○○○○の○○○○○○○○○が○○○○は○○○○○ね。○○○○は○○○○いて、直ぐに攻撃隊の準備を命令しましょう。ムクマー少佐、いいですね?」
遂に○○○○○○は、○○○○を○○して○○が○○を○○○○た。
「そう仰られましても・・・・一応ヨン提督が司令官なので、提督の指示を頂かないと・・・・」
しかし、ムクマー少佐も、最後まで喋らせてはもらえなかった。
「○○○○○○○○○○○!!こんな○○○が○○○○○と、○○○○○○はないのです。どうせ、○○○○は○○○○○○ですから。それに、少佐が○○○○○○○、と言うのなら○○○○です。○○○○○○○○○から」
○○○○○○はムクマー少佐も○○し、通信室に向かい、○○に攻撃命令を出してしまった。すでに、「ヨン艦隊司令部」の○○の○○を○○○○○は○○○○ようである。
「ヨン艦隊司令部、○○○○○○○○○○発。全航戦、直ちに暦新島への全力攻撃を準備、準備が済み次第攻撃隊を発進させよ」
一航戦では、この命令を受け取って、ゾック少将が首を捻る。司令官でも参謀長でもなく、○○○○の名前で何で攻撃命令が出るのだろうか。全く常識はずれもいいところである。
(第52回終了)
「うーむ、攻撃命令が来たのはまあいいにしても、何で○○○○の名前で出されるのですかね。普通は、司令官名で出るものでしょう、こういう命令は」
ゾック少将はゲッカイ中佐に意見を求めた。
「おそらく、これは○○○○○○が○○に○○○○○○○○のでは、と小生は推測します。今までの司令部の方針とまるで違いますし、○○○○に○○○○○○○○○ところも、○○○○○○○○○○らしいところでもあります。○○○○○○が○○○○を○○して、○○○○しているのでしょう」
ゲッカイ中佐の推測の通り、この命令は○○○○○○が○○に出したものである。本来、○○○○に命令を○○○○が○○○○ではない。すなわち、一航戦が従わなければならない義務はないのである。
「やれやれ、またですか。本当に意味不明なことばかりやってくれる艦隊司令部です。さて、我々としてはどうしましょうか?」
ゾック少将は思案げだ。少将としては、何度か意見具申している通り、直ぐにでも攻撃隊を出そうと思っていることは間違いない。しかし、いくら司令部からの命令とはいえ、○○○○の名で出されたものに、ホイホイ飛びつくのも考えものだ。
「小生はここは、知らん顔をして攻撃隊を出してしまうのが得策かと思います。○○○○だろうと何だろうと、『司令部の命令』として寄越してきたのは間違いないのですし、○○○○○○が○○○○○○命令だとしても、○○に○○○○○○○○○しない○○は、ヨン提督とテイラー提督に帰するものでしょう。ここは、こちらの都合のよいように解釈して、よろしいかと思います」
ゲッカイ中佐は、司令部からの命令をいいように解釈して良いだろうという見解を述べた。それはそれで、間違っている訳ではない。
「そうですか。では、それで行きましょう。特にスター・プラスチック少佐がそうでしたが、いい加減各隊のパイロットたちも、フラストレーションが溜まっているでしょうし。攻撃隊発進準備を命令して下さい。攻撃目標は先ずは地上の敵の航空基地ですので、陸用爆弾を装備させるように。『百舌鳥』級戦艦の攻撃は後回しです」
ゾック少将の命令で、一航戦の空母「フューチャーシンキング」「ヒストリー」の格納庫内は慌ただしくなった。出撃予定の機に兵員が取り付き、艦爆と艦攻には450キロ爆弾・900キロ爆弾をそれぞれ装着する。戦闘機には機銃弾を補給し、各機に補給される燃料のガソリンの匂いが格納庫内に充満した。一航戦が出撃可能になるのは、早くて2時間半後くらいになるだろう。
(第53回終了)
二航戦、「ボッタクリー」「モンキーボード」では、出撃準備はなされていなかった。二航戦司令官のワイルドキャット少将が、相変わらず「阿呆司令部どもを、震え上がらせるような事を何か考える」ことだけに熱中しているので、○○○○○○発信の命令は無視されてしまったからだ。
「司令官閣下、私がこんなことを言うのは僭越かも知れませんけど、一応艦隊司令部からの命令文には、目を通したらいかがです?」
「ボッタクリー」艦長のルジール大佐が、呆れたような物言いでワイルドキャット少将に進言した。かなり白い目で少将を見ている。
「むむ、艦隊司令部からの命令ですか?あの阿呆ども、今度は一体何を言っているのでしょうかね。小生としては、イカレポンチの言ってることなど、一々気にしてはいられませんよ」
ルジール大佐に意見されても、まるで対応しようとしないワイルドキャット少将である。ニタニタ笑っているだけであった。
「あのね〜、キャットちん。そんな暢気なことを言っている場合じゃないのよ?暦新島への攻撃命令が来ているんだから」
真面目に取り合おうとしないワイルドキャット少将に苛ついたのか、ルジール大佐はかなり砕けた口調になる。
「小生としては、『ルジちんには何を言ってもOKルール』をいついかなる場合でも適用しておりますので、何を言おうと構いません(キッパリ!)。ま、それはともかく、攻撃命令が遂に出たのですか?今までのことを考えると、ちょっと信じられませんね。本当に本当ですか?」
「本当に本当なのよ。もっとも、発信者名が○○○○○○○○、じゃなかった○○の○○○○○○になっているところが、おかしいと言えばおかしなところなんだけど。ミツキ少佐、あなたも確認したわよね?」
「は、はい。その通りです。○○○○○○発信になっていますけど、暦新島への攻撃を行え、とはっきりありましたよ」
急に話を振られたミツキ少佐だが、この二人のやり取りに、ちゃんと追従してきていた
「そうですか。つまり、ヨン提督やテイラー提督がいつもの通り訳が解らないので無視して、○○○○○○○○○○○が○○○○を○○○ということなのですね?むう、それはそれで結構『こわひ』ものがあるような」
そう言うと、ワイルドキャット少将は一見真面目そうな顔で、考え事を始めた。
(第54回終了)
「キャットちん、一見思考中に見えるけど、実は『考えているフリ』をしているだけでしょ?」
しばらくして、ルジール大佐が指摘した。実際は、少将は考え事をしているようなフリをしていただけである。本当に「フリ」だけで、何かを考えていた訳ではなかったのだ。つき合いの長いルジール大佐は、少将が何をやっているのか簡単に見抜いたのであった。ルジール大佐の指摘を聞いて、少将はニヤッと笑う。
「さすがはルジちん、ばれましたか。おや、少佐。何をやっているのですか?」
ミツキ少佐は思わずずっこけてしまっていた。それこそ吉本新喜劇でも思い出してもらうといい。緊張感は台無しといったところだから、それもそうなるだろう。
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい。今は受けを狙っている場合じゃなくて、攻撃隊を出すかどうか、本当に考えるべきところだと思うんですけど・・・・」
ようやく立ち上がったミツキ少佐がワイルドキャット少将に意見する。
「ん?別に小生は受けなど狙ってはおりませんよ。至極真面目に事態に対処しているのですが」
しれっとした顔で言う少将に、ミツキ少佐はガックリきた。
「キャットちん、ミツキ少佐をからかったってしょうがないでしょうに。そりゃ、面白いからというのは解るんだけどね」
すかさずツッコミを入れるルジール大佐である。「面白ければ全てよし」、ワイルドキャット少将の行動原理は、これに貫かれているといっても過言ではない。
「やはりここは一つ『ミツキ組』を一刻も早く立ち上げ、組員全員で『ミツキ派宣言』を行わねば。もちろん、小生が組員第一号ということで。直ぐに我も我もと手を挙げるものが続出するでしょう。取り敢えず一航戦のゾック少将、ゴトー一飛あたりが入ってくるでしょうし・・・・・」
勝手に訳の解らない話を始めるワイルドキャット少将の前で、青ざめて引きつった顔になってゆくミツキ少佐である。
(第55回終了)
「せっかく『ミツキ派』を設立するのですから、組長には是非頑張って貰わねば。ちゃちゃちゃ国軍最大の派閥にのし上がり、軍全体を手中に収めるその日まで・・・・」
「お、お、お、鬼ですか!!アンタわ!!!!」
ワイルドキャット少将の支離滅裂な「ミツキ派活動方針」に、涙目になって抗議するミツキ少佐である。そこへ、「何で?」といえる程絶妙のタイミングで、入電が三本あった。
「ミツキ組組員ナンバー2番は頂きました。ワイルドキャット少将の活動方針の通り、みんなで組長をもり立てましょう! ゾック少将@ミツキ派」
「組員ナンバー3番は私です。組長の為に、組員一同誠心誠意をもって尽くし、大望を果たしましょう。 ゴトー一飛@ミツキ派」
「組員ナンバー4番は私ということで。ヌフラー軍曹@ミツキ派」
電文を読んで、頭が真っ白になるミツキ少佐である。一体何なの?と言える程のタイミングの良さでこれでは、驚くなという方が無理だろう。
「あのね、キャットちん。ここまで大がかりに他人を巻き込んでまで、ミツキ少佐を苛めなくてもいいでしょうに。全く、こんなことだけには手間暇かけるんだから」
「ルジちん、とんでもありません。確かに小生は『ミツキ派旗揚げ』について皆さんに提案しましたが、誰も彼も喜んで趣旨に賛同してくれましたよ。いや、それどころか、小生より熱心に『ミツキ派の活動』に邁進しよう、という方々ばかりです。小生のせいにされるのは心外ですな」
「小生が悪い訳ではアリマセン」と平然と主張する少将であった。自分が面白がって最初に始めたことは、完全に抜きにしているらしい。勝手なものである。それにしても、完全に話が逸れていっているのだが、少将は全く気にもしていないようだ。
「遊ぶのはそれくらいにしておかない?で、話を戻すけど、どうすんの、キャットちんは」
際限がないので、強引に話を戻すルジール大佐であった。しかし、それを聞いてワイルドキャット少将は不満そうだ。
「せっかく話が盛り上がってきたところで、水を掛けないでくれませんか?これから、ミツキ組の活動について、組員一同で斬新なアイデアを出さなければなりませんし、組員による組長を囲む会の実施についての打ち合わせも必要です(キッパリ!)。余計なことをやっている暇はないのですが」
(第56回終了)
とことん不真面目に脱線しまくるワイルドキャット少将であった。しかし、そんなことをいっていても、唐突に話を元に戻したりするのが少将のおかしなところだ。
「ま、冗談(←でも『ミツキ組結成』はマヂ)はこのくらいにしておいて、攻撃隊の発進準備を命令しておいて下さい。阿呆の集団であっても、ようやく司令部が仕事らしい仕事をしたのですから、よしとしましょう」
あまりに不真面目な少将に、更に白い目で「珍獣でも眺めるような目つき」をしようと思ったルジール大佐だが、唐突に話が元に戻ったので、ため息をつきながらもその指示を伝えた。それ以上ふざけるのなら、タバコの火を押し付けて、いわゆる「根性焼き」でもやってやろうかしらん?と考えていたのだが、ワイルドキャット少将が脱線を止めたので、実際に行うのはやめたようだ。
一航戦では、酉急ぎ、もとい取り急ぎ出撃準備が急ぎ進められていた。ゾック少将も、一旦はふざけてワイルドキャット少将の「ミツキ派宣言」に付き合っていたのだが、その傍らでちゃんと攻撃隊の発進準備を急がせている。遊んでばかりいた、ということではないようだ。
「発進準備終了まで、あと約一時間」
攻撃隊が発進可能になるまで残り一時間。ようやく暦新島への攻撃が行えるのである。
「おほほほほほほほほほほほほほほほほほ、いよいよあたいの出番よね。腕が鳴るわぁ〜」
スター・プラスチック少佐が喜んでいる。しかも尋常ではない、異常なほどの喜びようだ。今まで出番がなかったことが、よっぽど鬱屈していたようである。
「そういや、酉国には(津菜)の阿呆がいたんだわよね。精々いいように、あしらってやるだわさ」
何だかよく解らないのだが、スター・プラスチック少佐は、酉国の(津菜)を目の敵にしているらしい。もっとも、それは相手も同じであって、お互い様ということのようだった。
暦新島酉京市。里将軍の司令部では、情報収集と整理に努めていたが、どうも成果は今ひとつのようだ。
「南方海上の敵は、一体何をするつもりなんでしょうね?接近してきて、一度偵察機を放ったっきりで以後音沙汰無し。こちらの海軍航空隊の攻撃は失敗に終わってしまったとのことですが、空母を基幹とする艦隊を送り込んでおきながら、受け身にばかり回っているというのも変なものです。何がやりたいのか、全然解りません」
里将軍は首を捻っている。接近してきたちゃちゃちゃ海軍の艦隊は、ヨン提督の艦隊司令部が支離滅裂だし、各航戦司令部と意志の統一らしきものがないどころか、互いに勝手なことばかりやろうとしているのだ、という内情が将軍に解ろう筈もない。相手が統一した意思のもとに、作戦行動を取っていると考えていたのでは、真実が見えなくなっても当然だろう。
(第57回終了)
「よもや、と思うのですが、敵が上陸してくるということはないでしょうね?」
可口可楽大佐が疑問を投げかける。
「まさか。上陸船団を発見したという報告はありませんし、だいたい本当に上陸しようというのなら、上陸予定地点や酉京市周辺の基地などに、夜明けと同時くらいに爆撃を加えてくるのが当然でしょう。それが、偵察機を送って寄越すだけで、それ以外は迎撃戦闘しかしていないのでは、示威行為か何かが目的なのではありませんかね。そんなことをやって、何の意味があるのか知りませんが」
里将軍は敵の上陸を否定した。将軍からすれば当然の考えだったが、相手が普通ではないことにまでは及ばなかった。それはそれで仕方がない。
「いや、上陸を思わせるようなものは確かにないんですが、ですが敵が動かしている艦隊の規模は大きいようですので。示威行動にしては、若干大げさな気がしまして」
「そうは言っても、事実として敵が上陸してくる兆候はありませんね。今の段階で、それを決め付ける訳にもいきませんが。様子を見てから対処を決めましょう」
やはり様子見を決め込む里将軍であった。とはいえ、情報が少ないのも事実であり、判断を保留せざるを得ないことを責める訳にはいかないだろう。
ちゃちゃちゃ国、戦略空軍エイボード基地。前回の戦いで「百舌鳥」撃沈と「戦勝記念式典」会場、酉国皇宮に嫌がらせ攻撃を行う(戦艦「百舌鳥」大作戦!参照)、という戦果をあげた部隊だが、唐突に大問題が持ち上がっていた。
「それでは、皆の者。さらばでござる。私は、ちゃちゃちゃ国から離れ、新たな道を歩むでござ候にて」
ヘイーゾ准将は突然戦略爆撃旅団の全員に対しそう宣言すると、軍服から階級章を剥ぎ取り、投げ捨てた。そして全員に背を向けると、立ち去って行こうとする。
「ちょ、ちょっと待って下さい。一体、どういう意味なのですか?」
さすがにコ・タロー中佐が吃驚して、ヘイーゾ准将を一旦引き留めた。何故准将がそういうことを言い出したのか、コ・タロー中佐にはさっぱり解らなかったからである。
「私は、ここの軍では正当なる扱いを受けてござらん。統合幕僚本部とのやり取りで、そのことがはっきり解り申した。統合幕僚本部スタッフの、ウードンヤ少佐が言うには、私は不要とのこと。システ・ムカイ大将の意向を受けてのものと決まってござるにて、そこまで愚弄されてまで戦略空軍に残る必要はあり申さぬ。故に、ちゃちゃちゃ国軍とは決別すると決めたでござる。ちなみに、首相特別補佐官のノースウルフ大佐も賛同して下さって、行動をともにすると言ってくれたでござるよ」
ヘイーゾ准将はそう告げると、それ以上は何も言わずに背を向けた。コ・タロー中佐も、それ以上掛ける言葉がない。
(第58回終了)
「私も連れていって下さい!」
突然、背後の集団から一人が飛び出すと、ヘイーゾ元准将を追って行く。何のことはない、スパ・フランコルシャン少佐である。
「私も、ここでは正当な扱いを受けているとは言えません。新天地で、是非准将閣下と一緒にやりたいと思っているのですが」
「お前は単に自己認識が甘いだけだろうが、この大莫迦者。行きたきゃ、どこででも好きなところへ行け!仮にいなくなったところで、誰も惜しまんわ!!」と思わずツッコミたくなったコ・タロー中佐だが、「他人の苦言を真摯に受け止める」ということが全く出来ない奴には何を言おうと無駄なので、口に出すのは止めてしまう。
「おお、歓迎でござるよ。スパ少佐にも、私についていって下さるのか?」
「ようやく自分の真価を認めてくれる人がいた」とばかりに喜色満面で頷くスパ少佐を伴い、ヘイーゾ元准将はそのまま去っていく。戦略空軍以外からも何人か、准将に付いていく者もいるようだ。
「やれやれ、スパ少佐のような莫迦な子供はともかく、ヘイーゾ准将はそんなに不満が鬱積していたのかなぁ。まあ、しょうがないか。何といっても、トラブった相手はあの困り者のワイルドキャット少将だし。それはそれで大人の判断なのだし、あの人がいなくなったからと言って、戦略爆撃旅団がなくなる訳でもなし。ノースウルフ大佐の方は、理由がよく解らないんだけど。ま、ヘイーゾ准将とは仲が良かったからね。個人的な信頼関係が強い、ってことかな」
コ・タロー中佐はそれだけを言うと、これ以上事態を収拾しようがないことを確認し、「ヘイーゾ准将去る」の報告を統合幕僚本部に入れておいた。実際のところ、それ以上何もやりようがなかったのであるから、これ以上コ・タロー中佐に何かしろというのは酷だろう。
テイラー提督の「プロファイリング」は、周囲には全く理解できないものだったが、本人のとっては「得意中の得意の技」なので、「着々と進んでいる」ようである。
「ヤッ、ドモ。ドモドモ、ド〜モ。でわでわ(^^)/」
別に誰が話しかけているという訳でもないのだが、ひたすら妙な独り言を繰り返しているようだ。町中でこのような人物を見かけたりした場合は、お近づきにはなりたくなさそうである。
(第59回終了)
そんなことをしばらく繰り返していたテイラー提督だが、遂に「プロファイリング」の結論が出たらしい。
「ヤッ、ドモ。ドモドモ、ド〜モ。J.U.テイラーです。でわでわ(^^)/、プロファイリングの結果を言いますね」
にこにことした顔で聞いている、ヨン提督一人だけの前で、テイラー提督は「プロファイリングの結果」を話し始めた。
「現在の状況では、酉国海軍は混乱状態にあるようです。整理すると、敵は攻撃機を発進させてきましたが、一撃だけでしかも攻撃自体は失敗したのに、それ以上攻撃してきません。つまり、我が軍の戦力に恐れをなして、方針が定まらない訳なんですよね」
実際は、戦力に恐れをなしたというよりは、模様眺めに入っている酉国側であったのだが、テイラー提督はそんなことはお構いなしで「プロファイリング」を続ける。
「そういうことですので、このまま進んで、精々酉国海軍を怯えさせましょう。威風堂々と進撃すれば、何も恐れることはありません!」
大した結論ではないが、一応これがテイラー提督の「プロファイリング」のようだ。
「そうですか〜。それでは、また事態に変化があったときには、よろしくお願いしま〜す」
ヨン提督は、テイラー提督の「プロファイリング」の結果を聞くと、なにやら思案げな顔になった。そして、瞑目し、時間が過ぎて行く。
「あのー、ヨン提督?」
しばらくしてから、ムクマー少佐がヨン提督に話しかけたが、返事はない。また、寝てしまったようだ。結局、単なる時間の無駄である。
「だから○○○○○○○○○!その○○の○○をしても○○○、と。これから○○○○○は○○○○ます」
○○○○○○は○○にそう決めると、指揮官シートで眠りこけているヨン提督を○○○○○○○。しかし、ヨン提督はすでに涎を垂らして熟睡しており、全く気付く様子はなかった。
「さっ、○○○○の○○は○○○おいて、作戦を進めましょう。それで、発進準備の方はどうなっているのですかね?」
○○○○○○は、とうとう○○が○○○であるかの○○、○○○○始めた。寝ているヨン提督だけでなく、参謀長のテイラー提督も○○している。
(第60回終了)