Ireland 2003 (Nov.)
Cork, Kinsale, Belfast, & Dublin

多少落ち着いてきたとはいえ、まだまだ紛争が続いている北アイルランド。
偶然参加したこのバスツアーが、一生忘れられない旅になりました。
下は北アイルランドの首都ベルファストで撮った写真です。
(11月15日 その1)
ダブリンからバスで約2時間半で国境到着。国境だけど何も無く、道路の標識が変わって「北に入ったんだな」と分かるくらい。
向こうにある丘の上に英軍の視察台が見える。
北の問題はあくまでも政治的問題だけど、プロテスタント信者とカソリック教徒に分かれて紛争が起こっている。これは、両者を分ける壁のグラフィティ。
紛争が落ち着いて見える今でも、このグリーンウォールは取り除けないのだそう。 壁の向こうから投げ込まれる爆弾を溝に落す為に、屋根から地面に傾斜が付けられ、壁自体もワイヤーフェンスを足して高くしてある。
歴史を忘れるなと住民に訴えているような絵。
一般の住宅の壁に描かれている。
上の写真の家の横にある、紛争犠牲者の慰霊碑。
最年少は4歳の子供だった。
住宅が並び、きれいな芝が敷かれた公園では子供達が遊んでいる。 犠牲になった10代の男の子。繰り返すなと、一般住宅の壁に描かれている。
暴力で勝ち取るしかない自由って。 プラスチック製だって、これが中れば死んでしまう。(かなり重いし、硬い。)
これを毎日見ながら育つ子供ってどんな大人になるんだろう。 監獄でハンストし餓死した活動家達の記念画。
さくらちゃんと「何時か絶対に行こうね!」って約束してたのに、一人で先に行って来てしまった。(笑)利用したのはホステル経営をしている会社の日帰りバスツアーなので、乗客はみーんな10代20台の『ワカモノ』で私だけ浮いてしまった感じ。柄に無く大人しくしてました。運転手のおじちゃんに歳が近い私って。。。途中トイレ休憩を挟んで約2時間半で国境に到着。バスを降りるどころか停止もせずにそのまま進行。普通の市道で検閲の門もな〜んにも無かった。

ベルファースト市内で、バスの乗客16名は3つの黒タクに分乗。タクシーの運転手がガイドを努めながら、グリーンウォールの両側を案内してくれた。出発前、運転手が後ろを振り返って私達に話し始めた途端、私は下を向いてしまった。彼の声もアクセントもLiam Neesonのそれとそっくりだったから!右運転席から振り返った時に丁度目の前になる左後座席に座ってる私がやってしまった。なんだ?と思っただろーな。ゴメン!そういえばLiamは北アイルランド出身で、出身地はベルファーストからちょっと北西に上がった所にあるAntrim。アクセントがそっくりでも不思議はない。

最初に着いたのが、上部写真のグリーンウォールの左側にある地域。プロテスタント側。(上の写真は、壁の左側と右側に分けて載せました。)まず、降りた所にあったクロムウェルの絵が描かれた壁を観ながら説明を受ける。説明してくれるのは他のタクシーの運転手さんで、私の運転手さんはタバコを吸いに行ってしまった。絵の説明が終わってふと周りを見渡し、そこが住宅地に挟まれた公園で、絵が描かれているのは普通の住宅だと気づいてショックを受けた。ここに掲載した写真の他にも戦意を煽るような絵が描かれた壁があちこちに見えた。壁の絵が銃を差し向けている公園で三輪車に乗って遊んでいる子供達。こういう事は両方の話を聞かなければいけない、オープンな気持ちで話を聞かなければ、と思うんだけど、「軍服は着ていないけど、我々は軍人だ。何時でも戦える。」というガイドの言葉で気持ちが閉ざされてしまった気がした。

自分のタクシーに戻り、次に着いたのがグリーンウォール。降りる前に「何か書きたかったらこれで。」と運転手さんからペンを渡された。彼の話では、プロテスタント側とカソリック側の争いを何とか抑える為に、この延々と続く壁が造られたのだそう。壁は人々が書いていったメッセージ(や、落書き)で一杯だった。私も「Love & Peace」と書いてきた。

タクシーに乗り、門を通過して壁の反対側へ。この日、門は開いていて誰でも自由に行き来できたけど、何かあると直ぐに門が閉じられるようになっているらしい。カソリック側は、壁に沿うように家が立ち並んでいた。私はどうして引っ越さないんだろうと不思議に思うんだけど、熱心な活動家ほど壁の近くに住むらしい。壁の横に立てられている犠牲者の記念碑前で私の運転手さんが話し始めた。プロテスタント側が作った「殺さない銃弾」というものは、プラスチック製だけれど重くて硬いし結構大きい。当たり所が悪かったら死んでしまうに決まっている。これを4歳の子供に向けた人間って。。。

SinnFein党事務所に向かう途中、前の席に座っていた女の子が「怖くないの?」と訊いた。「生まれた時からこの環境で暮らしてるから惨事にも慣れてしまった。道端で殺された知人を何度も連れ帰ったし、腕が吹き飛んで蹲っている知人を助けたりもした。これが自分の人生だから、怖いとは思わない。」という彼の返事に、「慣れてしまうなんて悲しすぎる。」とつぶやく彼女。私は、例え怖くても20歳前後の女の子に40歳前後の男性が「怖い」と答えるとは思えなかったけど、違う生き方を知らないって悲しいなぁと思った。ふと、グリーンウォールの向こう側をガイドしてくれた別のタクシーの運転手はプロテスタントで、私が乗ってるタクシーの運転手はカソリックなんだと気づいた。

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