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| 第十章 ホイール組み編(追加)その二 | ||||
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前ページのイタリア組みだとかJIS組みだとかいうような用語は人に伝える場合に便利なので使うだけで、ご自分でホイールを組んでいる方の場合は別 にこのような用語を憶える必要はないかもしれません。 私がホイールを組む場合にスポークの向きをどうしているかは、スポークの金属疲労等による破損を最小限にしたいと考えて、すべて「走行中に特に強めに引っ張られる向きのスポークはハブフランジの内側から外側に通 してリムに繋がるようにしてやる。」という基本的なことをベースにして考えます。 スポークは走行中のバイクの重量やライダーの体重などの荷重や、慣性、路面からの抵抗や衝撃などによって生じる力などを一手に引き受けて支えているのだと思います。 そしてペダルを踏まずに慣性(惰性)で走行中のバイクのホイール内ではスポーク位 置(例えばハブの上側か下側か、前側か後側か等)によってスポークにかかるテンションには一定の法則のようなものに従って高低差が生じると思っています。しかし、私はその正確なテンションの高低差分布図のようなデータを持っていませんので正確なことはわかりません。ただ、「たぶんこんなふうになっているんだろうな。」ということぐらいは想像できます。 仮にライダーを乗せたバイクが鏡のような滑らかな路面を惰性で走行している一瞬を捉えてスポークの位 置によるテンションの高低差を調べれば違いが出てくるのでしょうが、ホイールは回転しているのですから前後2本のホイールを片側ずつ計4面 で考えて、1面のすべてのスポークはホイールが回転しているのであれば同じような条件下で繰り返しテンションの高低を受けていると考えてもよいのではないかと思うのです。 もちろん、このような状況でも回転するリムがハブを引っ張っぱっているとも考えることができますので引っ張る方向となるスポークのテンションが高くなるのかもしれませんが、軸部分であり重量 も少ないハブの慣性や、軸ベアリングのころがり抵抗が生じさせる特に強めに引っ張られる向きのスポークの出現は駆動や制動力が生じさせるそれと比べると遥かに小さいと考えています。 つまりぶっちゃけた話、惰性で走行している時は「特に強く引っ張られて苦労している特定のスポークは無いと考えてもいいぞ。」と(笑)。 となれば、面倒くさいことを考えたり書いたりするのが嫌いな私としては「今回はスポークの向きに関して書いているのだし、このあたりのことは無視してもノープロブレモ。」と後の説明ではこのことを省略してしまいます(笑)。 「そんなことどうでもいいじゃん。」と思いがちな私ですが、最初から「どうでもいいじゃん」と無視したわけではなく、走行中の荷重等によるスポークテンションへの影響のことも一応考えたけど無視してもよさそうなので無視したということで、読んでいるあなたも無視しちゃってください。 さて、慣性(惰性)での走行に対して、ペダルを踏んでの駆動やブレーキングによる制動のような強い力が加わった場合はスポークテンションの高低差分布が変化して特に強めに引っ張られる向きのスポークというものが生じてくると思うのです。 その特に強めに引っ張られる向きのスポークというのはあまり深く考えなくても特定できるので、それらのスポークをハブフランジの内側から外側に通 してリムに繋がるようにしているのです。 それはハブフランジの内側から外側に通したスポークは反対に外側から内側に通したスポークより金属疲労等の破損に対して強い(折れにくい)ような気がするからです。「気がする」というのは実際に私がそれを専門的に実験して調べたデータを持っているわけではないからです。しかし、自転車業界内では一般 的にそのように考えられているようです。(どこかで実際に検証されているのかもしれませんが。) こちらに来て一度駆動力によるスポークテンションの違いということをスポークの破損ではなく、リムのニップル穴部分の破損でまざまざと見せつけられたことがあります。 壊れ物図鑑をご覧になっていてカンの良い方なら「あれか。」と思い出される方もいらっしゃるかと思います。 日誌に時々登場した元UCIシニアXC世界チャンピオンだったナオスの壊れ物がそれです。 あのMAVIC CROSS MAXホイールはペダルを踏んで走行する駆動力によって引っ張られるスポーク(ハブから回転方向とは逆の方向に出てリムにつながっているスポーク)がつながっているリムのニップル穴部分のみがあの画像のような状態で、他のニップル穴はノープロブレモだったんです。 |
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