自分の席に戻ってぼんやりしてた。外は雪が激しくなって、真っ白。
「さっちゃん、どうしたの?」
 こーちゃんが目の前にいてびっくりした。
 全然気付かなかった、あの子のことが気になって…。
「後輩なんの用だったの?」
 こーちゃんはおっきな手をポケットに突っ込んで目をそらしちゃった。
「へへっ」
 そう言って鼻の頭をかいた。
「告白されたんでしょ?」
 私だってそのぐらいわかるもの。
「あぁ…、うん。まあそうかな。」
 ほらやっぱり。なんかつらいな。
 ……でも顔には出さないように。
「あの子と付き合うの?」
 こーちゃんは私を見て強く言い放った。
「付き合わないよ。知らない子と付き合うなんておかしいだろう。」
 ほっとしちゃったのバレたかなぁ?
 それを隠すようにふーんって小さく呟いてみた。
「さっちゃんが気にすることじゃないから。」
 私の頭をクシャクシャってして席に戻っていった。
 顔がほてってる。きっと真っ赤っか。恥ずかしいなぁ。

 あ、授業が終わった。帰ろう。けっこう降ってるなぁ。
「さっちゃーん、帰ろー。」
 美奈といつものように帰る。あれ?美奈だけ?
「ねぇ、ナツは?」
「あ、なんかね、用事があるって言って急いで帰ったよ。」
 ふーん。
 さらっとした雪。これなら傘はいらないな。コートに白い雪がくっついてく。
「6限授業さっぱりわからんかった!さっちゃんわかった?」
「…6限ってなんだったっけ?」
 美奈がすごく驚いたような顔してた。
「さっちゃんどうしたのー?いつも真面目に聞いてるのに。」
 ごめんね、美奈。でもね、こーちゃんのこと考えてたなんて言えないよ。
 ちょっと雪が強くなってきた。周りに急に傘が咲く。
 真っ白だった街が色を取り戻して、彼らのことを隠してくれようとしてたのかな。
「ねぇ、さっちゃん!あれ、ナツとこーちゃんじゃない?」
 ナツとこーちゃんは一個の傘に寄り添ってた歩いてきた。
 私は凍っちゃった。どうしろっていうの?
 こーちゃんがこっちを見て、驚いた顔してて…。
 なにもなかったみたいに雑貨屋さんに入っていった。
「ねぇ、あれ付き合ってるのかなぁ?」
 美奈が聞いてきた。私は答えられなかった。
 傘を持つ手の力が抜けて傘は雪に舞い降りた。
「さっちゃん…?」
 頬を涙が伝った。冷たく冷たく、頬の上で凍りそうになって。
「さっちゃん!!」

 私は走ってたみたい。
 気付くともう家に着いていた。