キイロショウジョウバエの交配実験(結果のみ)
なぜかうちの学校では、30年間もハエの実験をしているらしく今年も行いました。その結果についてだけ公開します。考察も書いたのですが、はっきりいって、全然あっていないので公開できません。
ショウジョウバエ交配実験
☆実験の目的
生物の形質は親から子へ、ある規則性をもって受け継がれることを調べる。また、生物の飼育管理などを行うことにより、生物に関する理解を深める。
☆実験に必要なもの
交配用のショウジョウバエ、飼育ビン、麻酔ビン、タイル、小筆orスパーテル
☆実験方法
◎第一回交配
@第一回交配を親(P)と名付けて、品種交配する。
A毎日、飼育ビンを観察し、観察記録を日誌のように記録する。
交配後の卵(孵化)→幼虫(脱皮)→蛹(羽化)→成虫などの変態の様子および形や行動・生体など記録する。
B交配日の約一週間後に親だしをする。
C約2週間後、羽化した全部の子(F1)の品種および雌雄の個体数を調べ所定のF1集計用紙に記録する。
◎第二回交配
@F1どうしおよびF1の検定交配をする。
一人が飼育ビンを1ビン飼育管理する。
A交配日の約一週間後親(F1)出しをする。
B約2週間後、羽化した個体(F2)の品種および雌雄の個体数を毎日(約1週間)調べ所定のF2集計用紙に記入する。
☆親だしの方法
親出しをする際、エーテルで麻酔をして親だけをとりだす。
◎用意するもの 麻酔ビン(コルク栓の下に脱脂綿がついている) ルーペ1本 タイル1枚 細い小筆orスバーテル1本
◎方法
@麻酔ビンのコルク栓をとり、栓の下の脱脂綿にエーテル1mlをスポイトを使って注入し、すぐにコルク栓をする。
A飼育便の綿栓をとる前に飼育ビンを机上または掌上で軽くたたくとハエが下に落ちる。それから綿栓をとると5秒くらいはハエは逃げ出さない。
Bその間に飼育ビンと麻酔ビンをドッキングする(くっつける)
C右図の要領で慎重にやる。ドッキングしたものを下にたたきすぎると、餌が落ちる可能性があるので注意!
D麻酔時間は、1分間厳守!!!!麻酔しすぎるとハエは死に、死んだハエは、はねが背側にピンと持ち上がる事で区別できる。
Eタイル板に出してスバーテルで品種・性別に分ける。まず最初に性別からわけるといい。
※羽化したての個体は、はねがよじれていたり、体色が薄かったり等で性別、品種別の分類が間違い安いので飼育ビンに戻し次回で分ける。
※エーテルは揮発性で引火性なので充分注意すること。
☆実験上の注意
@交配品種をうけとったら間違いのない品種か否かを確認する。
A直ちにラベルを貼って、品種記号、♀♂、匹数、月日、名前などを記入する。
B麻酔は、麻酔処理を慎重に行う。
C餌瓶は、栓に細菌、カビなどがつかぬように注意する。(長くあけておかない、すぐ閉める)瓶は横にしておき、綿栓は机上等におかぬこと。
D綿栓はしっかりしておくこと。ちょっと触れてとれるようではいけない。
E麻酔されたハエを瓶に入れる時、水分にふれると死ぬから(はねが餌にくっつき取れなくて死ぬ)餌や瓶の水分に触れぬように、目が覚めるまで瓶を横にしておく。
F不用になったハエは、定められた容器にいれる。
G観察は休日以外は毎日充分時間をとって詳しく観察し、不明な点は質問して解明しておくこと。
H観察データ(ノート)整理し、何時でも提出できるようにしておくこと。I多数で観察するため、瓶をラベルがみえるようにして指定の場所におくこと。
J麻酔用のエーテルは引火性だから充分注意し、栓を必ずしておくこと。
K麻酔ビンを使用するときは瓶の中に何もいないことを確かめてから使用すること。
☆キイロショウジョウバエについて
名称:キイロショウジョウバエ
学名:Drosphila melanogaster MEIGEN , 1830
体長:2mm前後
品種:様々な品種交配によるものがいる。今回、参考資料としてもらったものだけをあげる。他にも都立大(http://dept.biol.metro-u.ac.jp/fly/ www/index.html)のページに様々な品種が満載されているのでそちらを参照していただきたい。
evony(黒檀体色)、vestigial(痕跡翅)、whit(白眼)、sepia(セピア色眼)、evony vestigial(黒・痕)、sepia evony(セピア・黒)、wild(野生)
◎ハエの発生(25度で保存の場合)
・卵
ハエの卵は、肉眼でやっと見えるほどであり非常に小さい。粉チーズ状で、餌の表面に産み付けられる。
・幼虫
24時間で孵化し、幼虫になる。この1令幼虫といわれるうまれたての幼虫は、小さすぎて見えない。49時間すると、第一回脱皮を始め、2令幼虫になる。これは1〜3mmで、肉眼でも確認できる。餌の中でうごめいている。64時間、約3日で第二回脱皮を行う。脱皮ごとに体節がふえていく。3令幼虫になるとさらに大きくなって4〜6mmにまでなる。黒い咽頭骨格がはっきりしてくる。120時間で3令幼虫の表皮が硬化する。前蛹といよばれ、静止し、ガラスの表面に固着する。白色。
・蛹
132時間、約5日半で蛹化する。蛹は茶色。169時間で複眼着色(白眼ではみられず)し、189時間で剛毛着色(背面が黒ずむ)する。
・成虫
219時間、約9日で、羽化する。羽化直後は、はねがよじれ細長い体。♀♂や品種の判別がしにくい。(→注意参照)227時間で後尾可能になる。はねが正常になり、体色は標準色になる。
☆実験の内容と結果
自分が担当した班は、第一回交配にて雌、野生種(Wild)3匹と雄、痕跡翅(vestigial)5匹との交配を行い、第二回交配において、その子供を雌3匹と雄5匹で交配させた。以下、観察記録を書く。
◎第1回交配
10.16(tue) 第一回交配開始
10.17(wed) 変化なし
10.18(thu) 飼育ビンのまわりに白い斑点があるくらいで卵はないみたいだ。
10.19(fri) 依然、卵がみあたらない。白い斑点ばかり増えている。2匹、餌にくっついて死んでいた。
10.20(sat) 卵みあたらず。さらに2匹が餌にかかって死亡
10.22(mon) 第一回交配の親(P)を出す日であったが、卵がないため、他で実験したものと交換。
10.23(tue) さなぎの数ざっと60。さなぎの数が、前日にくらべましていて、3令幼虫の表皮が硬化したものと、蛹化したものが混在する。中には、目がわかるものもいた。
10.24(wed) さなぎの数はかわらず。さなぎの大半が蛹化していて、3令幼虫の表皮が硬化したものはほとんどみあたらない。
10.25(thu) さなぎの数はかわらず。さなぎの中に剛毛着色して、背面が黒ずんだ蛹が半数近くになり全ての蛹にめがあった。
10.26(fri) 20前後が羽化していた。どれも元気いっぱい。まだ蛹が残るが、ほとんどが、剛毛着色している。
10.27(sat) 昨日より幾分増えている。最初にもらったものより元気。
10.29(mon) もう半数以上が羽化していた。まだ、さなぎが残る。
10.30(tue) 羽化した子(F1)を出し、個体数、品種を調べた。結果は、以下のとおり。
野生種(+)♀20♂48 計68 性比 1:2.4
野生種のみしかいなかった。この中から、♀3匹、♂5匹を選んで第二回交配に移る。
◎第2回交配
10.31(wed) 特に変化なし。みな元気。まだ餌を食べていないよう。
11.1(thu) 数個小さな卵が数個、餌の上に付着していた。
11.2(fri) 卵の数が増していて、少し大きくなっていた。1匹、2令幼虫を発見。
11.5(mon) 2令幼虫、3令幼虫が増えていて、餌の中にはかなりたくさんの幼虫がいた。外から見える幼虫の数だけでも約40。最初と違ってだんだん餌がぼろぼろに。さなぎはなかった。
数:約40↑
11.6(tue) さなぎがいくつかあった。どれも、蛹化して薄茶色。約40の幼虫と13のさなぎを発見。幼虫は全体的に増えたし、大きめのものが多くなった。
数:蛹=13 幼虫=約40↑
11.7(wed) さなぎの数がさらに増していた。約80を越える。2/3が蛹。一匹だけ、剛毛着色していた。まだ、餌の中に幼虫がいっぱいいた。餌は穴だらけで、ぼろぼろ。3令幼虫の表皮が硬化したものと薄茶の蛹化したものが混ざっていて、半々くらいの割合。
数:蛹:約55↑(うち剛毛着色している蛹=1) 幼虫=約25
11.8(thu) ほとんどの幼虫がさなぎに。幼虫は飼育ビンのまわりにびっしりついていた。1匹、剛毛着色していたものがいた。3令幼虫の表皮が硬化したものはあまりいなかった。
数:蛹:約100↑(うち剛毛着色している蛹=1) 幼虫=約5
11.9(fri) さらにさなぎの数が増していた。もう、幼虫はみあたらない。ほとんど薄茶のものばかり。以前、剛毛着色のは一匹。
数:蛹:約120↑(うち剛毛着色している蛹=1)
11.10(sat) 孫が誕生していた。前回の失敗があるので、少し嬉しい。孫を出した。品種、性、数は以下の通り。
野生種(+)♀5♂0計5
数:蛹:約150↑(うち剛毛着色している蛹=51) 幼虫=約1
11.12(mon) 休日をはさんでいたせいもあって、かなりの数が生まれていた。品種、性、数は以下の通り。ほとんどがからになってしまったが、まだ50のさなぎはいて、ほとんどが、剛毛着色していた。
野生種(+)♀32♂50計82・痕跡翅(Vg)♀9♂31計40
総計:♀41♂81計122
数:蛹:約50↑(うち剛毛着色している蛹=45)
11.13(tue) 授業での観察。昨日に比べて大分生まれてきたはえの数が減った。今日は、初めて、うまれたての白いはえが見れた。他のと全然違って、尾のように尻がとがった形になったいて非常に白かった。今日だしたのはみんな元気で一瞬で上にあがっていた。羽のあるやつは羽を使っていたり。
野生種(+)♀10♂18計28・痕跡翅(Vg)♀4♂8計12
総計:♀14♂26計40
数:蛹:18(うち剛毛着色している蛹=18)
11.14(wed) もう中の入っている蛹もへってきた。ある蛹は全部剛毛着色している。あともう少し。今日、2匹餌の中ではえが死んでいるのを確認。
野生種(+)♀1♂6計7・痕跡翅(Vg)♀1♂2計3
総計:♀2♂8計10
数:蛹:9(うち剛毛着色している蛹=9)
11.15(thu) 少なくなってきた。さなぎも見える限りであと2つ。明日までには全部うまれそうだ。昨日より1匹増えてまた、餌の中で死んでいた。
野生種(+)♀0♂5計5・痕跡翅(Vg)♀1♂1計2
総計:♀1♂6計7
数:蛹:2(うち剛毛着色している蛹=2)
11.16(fri) 観察終了。ひとつの蛹をのこした。なんとなく寂しい。
野生種(+)♀1♂0計1
総計:♀1♂0計1
数:蛹:1(うち剛毛着色している蛹=1)
◎観察をして、気付いたこと
・形態・行動に関して
小柄。日常見ているハエと違って、音をたててとんだりはしない。非常にすばやい。第二回交配で生まれた子供などは、床でぽんっとたたいてもさっとあがってきた。餌を食べてる時はじっとしていて、足?手?を回転させたりして動かしていた。観察をする時はだいたい、栓である綿のほうについていて、上に上にいきたい性質があるようだ。ガが、夜光に集まる傾向のようである。(ちょっと違うかな)あるホームページによれば、エーテルで麻酔をかける時、ダンスを踊る物がいるとか・・・。おもしろい。
幼虫は、いもむしのように動いて、くねくねして動く。細長い。餌のなかでは、まとめて一カ所にいっぱいいた。蛹になって、黒くなりだすと成虫の形が予想がつくようになる。羽・眼など。うまれたては、尾のように腹部の先端がとがっていて、非常に白い。あまりに白いので、同じ種でも同じようには到底見えない。
・飼育に関して
最初は、いつも見ているハエの先入観が強くていやであったので、気持ち悪いと印象を受けた。ただ、第二回交配とまでなると、生物を育ててるという感覚になってきて、愛着まではいかないが、大事にそだてたくはなった。だけど、最後に殺してしまうのはいくら実験動物といえどもかわいそうな運命だと思った。あとオリの中のサルのように、ほんと狭い空間でにとじこめられていて、かわいそうなきもした。あんな狭い空間に、餌だけあれば生きられるハエがすごいと思った。この飼育によって、本当は一匹一匹大事に育てて生命の大切さを学ぶものだったのかもしれないが、俺は、ハエを育てることを大事にしてあんまり一匹一匹を大事には思えなかった。
◎F2の羽化が始まった日から羽化終了までの品種・性別の数の変化
総数
♀ 15 ♂ 42 計 57 性比(♀:♂) 1:2.8
全体総数
♀ 64 ♂ 121 計 185 性比(♀:♂) 1:1.89
形質比(Wild:vestigial)
2.2:1
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