Kanon小説 (水瀬名雪偏)
・・・雪とともに舞いおりた天使
僕のもとに舞いおりた羽
白く・・はかない者達
その中にひときわ美しい天使がいた
今となってはハッキリ天使といえる
そんな気がする・・・
ドンドンドンドンドン
「起きろー、名雪ー」
ドンドン
「ふぁ〜い・・・起きたよう〜」
「本当だな、実験してもいいか?」
「い〜よ〜」
「1たす1は?」
「2〜って わ〜またあの質問されるのはやだよ〜」
「どうやら起きたようだな。先に下行ってるぞ〜」
「う〜」
かなりかわった返事だった・・・
そう言って階段を降りるとすぐにいい匂いがした。
味噌汁の匂いとコーヒーの匂いだ。
「おはようございます」
秋子さんに挨拶をして食卓につくと食べるのがもったいないほど
いい匂いがする
「名雪。起きましたか?」
「はい。これで起きてないことはないと思います」
「そうですか。いつも早寝遅起きだからそのうち
起きなくなるんじゃないかしらと思ったりもしてたけど
祐一さんがいてくれると安心ね」
「なんでそうなるんですか」
「死んでても起こしてくれるでしょう?」
「・・・・・・」
「冗談ですよ」
秋子さんは年下の俺に対しても敬語を使う
なぜかは気になるが言ってはならない気がするので言わないでいる
するとトントントン
軽く階段をたたく音が聞こえる
「おふぁようございまふ〜」
「ああ、おはよう」
こっちまで眠くなりそうな挨拶だ
さっき完全に起こしたはずなのにこいつは・・・
「おはよう名雪。今日も祐一さんに起こしてもらったみたいね」
「うー」
「お母さんが起こす時も簡単に起きてくれたら楽なんだけど・・」
「お母さんの起こし方と祐一の起こし方は違うよ」
「そうなの? じゃあ今度教えてもらわないといけないわね」
「う〜」
「それより時間は大丈夫なの?」
「そうだ。いま何時だ?」
「8時・・・くらい」
「早く食べろ!」
「早く食べたらおいしくないよ」
「遅刻するだろ!」
「わかった。早く食べるよ」
「しゃべらずに食べろ」
「祐一がしゃべらせてるんだよ〜」
「わかったから!」
・・・・・・・・・
15分後
「行ってきま〜す」
「いってらっしゃい、気をつけてね」
毎朝こんな調子だ
そして今日も短い42、195キロが始まった
つまりマラソンだ
「な〜名雪」
「ん?」
「お前秋子さんにはどうやって起こしてもらってたんだ?」
「内緒だよ」
「なんで?」
「改良して祐一がやるのはいやだから」
「そうか・・・」
「あれ?祐一君?」
「へ?」
「やっぱり祐一君だ〜」
そう言って飛びついてきたのは
昔来た時に会ったらしい月宮あゆだ
うれしそうに飛びついてくるが
なぜか俺には少し悲しく感じる・・・。消えていった思い出と
その中に閉じ込められた悲しみなのか・・・
途中まで一緒にいくはめになったが
途中からは違う道らしく悲しそうにして去っていった
そしてその日一日を何ともいえない気分で過ごした
「放課後だよ」
「ああ」
「授業おわったんだよ」
「ああ」
「祐一?」
「ああ」
「・・・・・・・」
「ああ」
「よく続くわね〜あなたたち」
「あっ!かおり〜」
「ああ」
「ちょっと。いつまでやってんのよ!」
「今日は・・・ずううっとこうなんだよ」
「何かあったの?」
「それがわからないんだよう〜」
「ふ〜ん、ま、がんばりなさいよ!名雪」
「何を頑張ったら言いのかわからないのに〜」
しかし聞かずに出ていった香里には届かなかった
「ねえ〜、もう帰ろうよ〜」
「ああ」
「天気予報で今日は雪だって言ってたんだよ」
「ああ・・・いや今日は晴だっていってたぞ」
「え?そうだっけ?」
「それにお前は天気予報みてる暇もなかっただろ!」
「うん。そうだね。じゃあもう帰ろうよ」
何か落ち着かない重い気持ちとともに
家路へとついた。
途中名雪がまた猫を見つけてよろこんでたが
猫なんてそこら中にいるのに
よく飽きないなと冷めた感情しか出てはこなかった.
また・・・今日も寝苦しく嫌な目覚めの時を迎えるために
眠りにはいるのだろうか・・・
「・・・・・だよ〜
朝ご飯食べて〜、学校行くよ〜」
この町にきてから・・・朝が重い
この目覚まし時計のせいだといえないこともないのだが・・・
また今日からいつもの繰り返し・・・
違いといえば名雪との仲が発展していったことだが
告白した返事は・・・
ぼやけた昔・・・
その封印の紐が解けていく
そうだ・・・俺は名雪に・・・