Kanon小説 オリジナルストーリー
〜そしてまた繰り返す戦争〜
この街にきて忘れていた記憶のかけらが揃った・・・。
多くの友達・・特にあの6人:名雪、あゆ、舞、栞、真琴、佐祐理さん
彼女達との忘れてはならなかった記憶と新たな出来事
嫌いだったこの街からも今は歓迎されてる気がする。
そしてあの冬の日の記憶の戻った俺はやっと長い悪夢から覚めて
世界と向き合いはじめた・・・。
第一章 見えない戦争
いろいろあった二年生での間の出来事をもって
俺は3年にあがる・・・
舞と佐祐理さんは卒業してしまい少し寒く感じる。
どんなことがあっても寒い街ではあるのだが・・・
気分の問題だと思う・・・。
ただ問題なのは佐祐理さんは
「いつでも遊びにきてくださいね。まってますから」
とにこやかな笑顔で言っておきながら
毎日のように水瀬家へ訪ねてくることだった。
舞もつれて・・・・・
佐祐理さんらしいと言えばらしいけど・・・
言い知れぬ不安の中今日も目覚めを迎えてしまうのか・・・
「ピピピピピピッ カチッ」
目覚ましを普通のやつに換えてもらい目は覚めるが
なぜか日々楽しさの中に不安が入り混じる。
なんだろう。これは・・・
まあいいか。考えてても仕方ないし・・・
着替えて学校へ行く準備を整え
名雪の部屋へ来ると
「・・・・・・・・」
諦めともため息とも取れる息を吐き出し
思い切ってノブを回す。
やはりいつもの光景
鳴り止まない無数の目覚まし時計と
それを子守歌に寝る名雪・・・
俺は何を言っても無駄と判断し
とりあえずすべての目覚ましを止めて
名雪に向かい
「名雪。今日はイチゴジャムを
ケロピーが食べてやるって言って下りてったぞ」
「だめ〜だよ・・わたしの・・・イチゴジャム」
「早くしないと俺の分も食べるとか言ってたし
先に下りるからな」
「いやだよ〜・ひどい・・ぴー」
・・・・・まだ寝られるのか・・・
仕方ないな・・・。
「じゃあ俺は帰るな、名雪。今日でお別れだな」
「それはやだ!」
「おはよう名雪」
「あれ、あれ? 祐一?」
「なんだ?」
「わ・わたしに今言ったのって本当?」
「え? 寝ぼけてたのか名雪 何も言ってないぞ」
「・・・・・?」
「さっさと着替えて下りてこいよ」
「あ、うん。わかったよ」
階下(した)に下りると俺を待っていたのは
いつもの朝食といつもの秋子さんの挨拶
いつも通りで平和な日々・・・
「祐一さん。すいませんけど今日は帰れそうにないので
名雪とこの家のこと、頼みますよ」
「はい、わかりました。体に気をつけてください。
またあんなことになると・・・」
「そうですね」
「おはようございます」
「あら、名雪。いいわね〜また祐一さんに起こしてもらったの?」
「変な言い方しないでよお母さん」
うわっ 名雪の奴こんなことで顔真っ赤にしてるぞ・・・
それじゃあ祐一さん。お願いしますね。と言われて
はいとは答えたが・・・学校でこのことは内緒にしておかないとな。
「おい、お前今日は二人っきりで家にいるんだって?」
・・・いきなりだった・・・・・
「なんでお前がそれを知ってるんだ?」
運悪くこの学年でもこいつ(北川)とその彼女(?)香里とは
同じクラスらしかった。つまりまた一年こいつらと
顔を合わせないといけないことに・・・はぁ〜
「お前本気で言ってるのか?」
そういうと視線をそらす。
その先には・・・クラスの女子から囲まれて
何やら喋っている名雪だった。
それだけで十分理解できた。
そして今日一日分の気力を使い果たしたような脱力感に襲われた。
「おい。大丈夫か?」
「俺のことをわかってくれるのは北川。お前だけだ」
「お前ってそういうキャラだったのか?」
2、3歩ひきながらそう言ってのける。
かなり痛いところをつかれてしまった・・・
たしかにこんなおもしろい奴ではなかったはずだけど
無理矢理周りに変えられたと言う方が正しい。
「とにかく、もう変な噂を広まらないようにしてくれないか?」
「それは無理だ。俺も改良して広めるからな」
「お前性格悪いな・・・」
「そんなに誉めるなよ。照れるじゃないか・・・」
「でも・・・それはたぶん祐一の性格の悪さが移ったんだと思うよ」
はぁ〜・・・ここまで落ち込む原因をつくった奴が平気な顔で
しかも俺のせいにされて、帰ろっかな〜
さらにそのあと俺と名雪の関係について興味津々の女子に
質問攻めにされたのは言うまでもない・・・
夢から覚めた一人の少女
それは長い幸せと苦しみの入り混じる夢だった。
赤い雪に包まれた時から始まった夢は
一人の男に起こしてもらうまで終わることはなかった・・・。
少女はやっとこの世界に舞い戻った。
起こしてくれた祐一という名の昔からの友達・・・
そう・・友達に会うために
放課後。
足早に立ち去ろうとした祐一の目前には
一人の少女が・・・
病気で死んだかと思われたが
起こらないはずの奇跡ですっかり回複したらしかった。
「私、お姉ちゃんからきいちゃいました。」
突然現れて突然言われた言葉に驚きながら
やっとあのことか・・・と理解した。
香里のやつ・・・北川と名雪のせいだ・・・
「今日は・・・その・・2人だけで一緒の家で寝るとか・・・」
「いや。そうなるけど別に・・・」
「私も行っていいですか?」
「え?」
「あの。私が行ったら証明できるじゃないですか・・・」
「・・・・・・・」
「じゃあ。今日行きますからね」
走り慣れていないのかストールを抑えながら走っていく姿は
危なっかしかった。
ってそれどころじゃないって・・・どうしたらいいんだ?
まあ、よくないことを考えないで
気分転換に商店街でも寄るか・・・
「あ、祐一、覚悟」
「なんでお前が生き返ってるんだ?」
「え? 何のこと? 真琴は死んでないわよぅ」
「え? あの時たしかに消えたはずなのに・・・」
「何をぶつぶつ言ってんのよ、逃げるために口実を考えたって
手遅れなんだからね」
「お前、今までどこにいてたんだ?」
「え? 家だけど」
「どこの?」
「祐一と同じ家に決まってるじゃない!」
(おかしい。俺にはたしかに消えたあの時からこいつとは会ってない
それに家にもいるわけはなかった・・・食事も俺と名雪と秋子さん
だけだったんだから・・・それにあの時俺の目の前で
鈴だけが転がってたんだぞ。姿は文字通り消えて
一瞬の煌きとして消えていった・・・それなのに なぜ)
「無視するとはいい度胸ね。今やってもいいけど
でも今日は商店街に用があって来ただけだから
・・・でも今度からはみてなさいよ」
「また失敗するくせに」
「あう〜みてなさいよ〜」
走り去る後ろ姿・・・話し方、仕草
やっぱり真琴だ。でも・・・
「どうしたの? 祐一君」
昏睡から目覚めた少女の声
長い眠りから覚めたとは思えない
明るい声を俺にかける
その声を知っていた・・・
覚えていた・・・
今となってはこれが日常になっていたが・・・
「うわっ! あゆか・・・どうだあれから」
「うん。やっぱり勉強してない時間が長かったから
頭はよくないよ」
「だれがそんな話をしてるんだ。体は大丈夫か?
ってきいてるのに・・・」
「え?あ、うん。大丈夫だよ。」
「そうか」
(今日は何か意図的に関係の深い人に会わせられてる気がするな)
「そういえば。ボクのせいであの木が切られちゃったんだね」
「そうだ。もう木には登るなよ。あんなことはもう・・・」
「わかってるよ。ボクそこまでばかじゃないもん」
「そうか?」
「うぐぅ〜、いいよ。じゃあ今日ボクの偉大さをわからせてあげるよ」
「なにっ!?」
「だから今日ボクが祐一君の家に行って料理を見せてあげるよ」
「お前忘れたのか? 秋子さんに迷惑かけたこと・・・」
「秋子さんってだれ?」
「お前何言ってるんだ? 何回か会っただろ」
「それ、祐一君が昔この街に来てた時・・・?
覚えてないよ、そんなこと」
「・・・・・・・」
「祐一君?」
「じゃあ名雪は? 名雪も知らないのか?」
「知らないよ」
「・・・・・・・」
「祐一君?」
「あ、ああ。わかった。今から家に来てくれ」
「本当?」
「ああ」
「じゃあ、ちょっと用意してくるね」
(なぜ? あの記憶はすべて俺だけの幻だったのか・・・
真琴も栞も俺の前から消えなかった
秋子さんの事故の時も奇跡的に助かった。
そしてあゆが目覚めたのも奇跡的・・・
不自然かも知れない・・・今考えると
すべてが幻で今が本当の現実なのか・・・わからない・・・)
「・・君・・・祐一君?」
「え?」
「準備して戻ってきたから呼んでたのに・・・」
「あ、ああ。そうか。じゃあ行くぞ」
「うん」
かくして奇跡的な偶然によって奇跡のヒロイン達が
祐一の家(名雪と秋子さんの水瀬家)に集まった。
必然的に起きたような偶然の奇跡・・・。
だがこれで終わりではなかった・・・
ピンポーン
こんな時に誰だと思いながらドアを開けると
にこやかな笑顔で俺を待っていた佐祐理さんと
やっぱり無愛想なままの舞の姿が・・・
(そういえばやっぱり舞の能力も奇跡かも知れない)
そしてリビングに集まった計7名
「ねえ、まずは自己紹介だよ〜」
名雪の提案で円になり自己紹介をはじめた。
俺は皆に知られてるのでする必要はなかったが
名雪は皆のこと知ってるはずだけど
楽しそうに自己紹介していた。
真琴は慣れない人に囲まれて
あう〜と、言う声が聞こえそうなほど
小さくなっていた。
「なんか修学旅行みたいで楽しいね」
名雪ほどいつでも楽しんでしまえる奴も貴重ではないかと思う。
「あ、忘れるところだったよ。
今日ボクは祐一君に料理の腕前を見せようと思って来たんだよ」
真琴、舞、俺以外が一瞬あゆをみる。
「あの。ボク何か悪いこと言ったかな〜」
「違うの、ただ今日はお母さんが帰ってこれないから
私が料理しようと思ってたから・・・」
「お前、本当〜に料理できるのか?」
「できるよ。小学校の時にしたことあるもん」
「わたしもできますよ〜」
「佐祐理の料理は嫌いじゃない」
「あははー、そうだどれが一番か祐一さんに決めてもらいましょうか」
「おもしろそうだね、それ」
海面下のたたかいが激化していくさなか
祐一はただ今日の晩ご飯は食べれるものになるのかの
心配で頭がいっぱいだった・・・。
無理そうなら佐祐理さんと名雪の料理は
食べられるだろうし大丈夫かも知れないが・・・
第1回 祐一争奪料理対決とでも題がつきそうな
料理対決が始まった。
不安なのは舞とあゆ、栞だ
「アイスクリームってありませんか?」
なんて言ってる栞に期待するのは危険だろう・・・。
もう日も沈み時計の針が8時10分を指した辺りで
ものすごい数の目を疑うような盛りつけの皿が眼前に広がった。
「さあ、決めてください」
「いや、さあって言われても」
「そうですよ。食べてくれないとつくった意味がないじゃないですか」
「でも・・・」
「祐一・・・食べて」
舞まで・・・
参戦してなかった真琴が早く食べたそうにして目で訴える。
「祐一、食べ物を粗末にすると罰が当たるよ」
そういう状況か? これは・・・
「わかったよ。食べたらいいんだろ」
みるだけで満腹になるが頑張って食べるしかないようだった。
しかも栞やあゆのものまで・・・
舞の料理はつくってないのが不思議なほどに
見た目はよく安心しているのだが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一通り食べたからの結論
「あゆ、お前は料理に向いてない・・・
名雪、さすが秋子さんの娘だなこんなものもつくれるとは・・・
佐祐理さんのもうまかったし
舞のも意外なことにうまかった
栞のは甘かった・・・」
「うぐぅ〜」
「祐一、・・・ひどい」
「祐一、イチゴジャムも嫌いだからね」
「そうなんですか・・・それでアイス食べないんですね」
「今の時期に普通はアイス食べないと思うぞ・・・」
「でも舞も食べてたよねー、少し前に」
「あれは季節では春だった。」
「もういいから皆食べろよ」
口々にいろんなこと言ってる・・・
真琴の視線に負けて言ってしまったが
皆も腹は減るらしく、舞の活躍もあり
料理はかなりなくなった。
「あゆちゃん、・・・私が料理教えてあげてもいいよ」
「うぐぅ〜」
「それにしても舞がこの人数の中でいるのは
新鮮な感じがするな〜、すぐ帰りそうだからな」
「こういうのも嫌いじゃないから・・・」
そんな感じで今日もまた日は暮れる・・・
結局全員で泊まることになり
皆が名雪の早寝遅起きであきれた顔をみるのは少し楽しかった。