Interview Report  〜JICA Mr.Kikuchi

1A組 イスラエル調査班

 

JICA(国際協力事業団)のパレスチナでの仕事とは

パレスチナの現状:PNC(パレスチナ暫定自治政府)の統治するウエストバンクやガザ地区では、電力・水道・交通・住宅といった生活に必要な基礎的な社会資本が十分でない。

Why?>イスラエルが認めないから。電力は100%イスラエルより買電(有事の際、

イスラエルはパレスチナの足元から菜切り倒すことができるから)。水も多くはイスラエ

ルから買っている、井戸を掘るにもイスラエル政府の許可が要る。

また非常に資金不足である。(常にイスラエルはパレスチナの首を握っている状態)

そこで、日本やアメリカ、EUを始めとする先進諸国はODAを通してパレスチナ支援を表明している。日本の援助を実際に執行しているのがJICAである。

日本政府は社会資本整備のほかにも、民主化支援や法規制構築のバックアップ、教育・医療・難民救済、農業・工業・観光業開発の支援といったことをパレスチナ暫定自治政府のリクエストによって実施している。

 

現地の様子

 イスラエルには極過激派(シオニズム・ユダヤ原理主義的な考えを持つ人)と和平推進派といった人達がいて国内でも意見が二分している。またパレスチナにもアラファト代表をはじめとする和平推進派と極過激派(ファタハなどのテロ集団)がいてこちらでも意見が二分している。

 現在の状況は、言うなれば和平推進派と極過激派双方のバランスが均衡状態に有る。だが、それは非常に不安定なものなのでいつ崩れてもおかしくない。

 またイスラエル政府が認めたパレスチナ暫定自治政府が自治を及ぼすことができる地域をA,B,Cの3レベルに分けている。A)完全自治、B)民生のみ自治・治安はイスラエル軍、C)ほとんどイスラエル(住民がパレスチナ人)

 

パレスチナ人民の不安定要因と状況

イスラエルとパレスチナには非常に大きな幅の経済格差が存在している。

超高失業率に見舞われている。特にガザ地区では50%を超えている。

しばしばイスラエルに道路を封鎖され、農業出荷ができなくなる。

最近難民が多数パレスチナに戻ってきており、さらなる貧困と治安の悪化をもたらしている。

教育の後進(ガザ地区ではエジプトの教育、ウエストバンクではヨルダンの教育が実施されている)。社会としての基本的な要素がみたされていない。

電気や水が十分に供給されていない。特に水は乾燥地域では『水の一滴は血の一滴』と形容されるほど重要なものである。よって、社会としての基本的な要素が満たされていない。

ウエストバンクは非常に起伏に富んでいるため、ほとんどの高地をイスラエルが占拠している。(パレスチナ人住居区の中に点々とユダヤ人コロニーが存在している状態)

 

パレスチナの状況

最近は安定してきたが、毎日のようにテロが起こったりする地域もある。(ウエストバンクのヘブロンという街が危険、日本政府も最高の危険レベル4を出している)

ガザ地区からイスラエルには多くの農業従事者が出稼ぎしているが、イスラエル側の検問を通らねばならない。よって、毎日夕方になると多くの人が(チェックポイントは2つしかないので)行列をつくる。エレツチェックポイントには何キロもの長蛇の列ができていたという。

パレスチナ人は宗教的にもバラバラで、自国を持たず、自らを取り巻く激変する政治の中で何を縋ったら良いのかわからないという不安の中で暮らしている。また、強力なアラファトという指導者はパレスチナ人民より非常に信頼が厚いようである。

 

イスラエルの戦略的銃創とシリアとの特別な関係

シリアのゴラン高原はイスラエルの水源になっているので、この地域を押さえるのは極めて重要であると考えられる。また有事の際に備え、ゴラン高原にあるシリアの軍事基地を押さえておきたかったと考えられる。

シリアのダマスカスという地区にはパレスチナ難民が数十万人の規模で存在している。よってシリアはパレスチナ人の社会的影響が避けられない国である。だからイスラエルにとっては、シリアのパレスチナ的思想を制限したいという思惑もあったと考えられる。

 

イスラエルとパレスチナの関係

 パレスチナとイスラエルの関係は近年安定化傾向にある。しかし、それは政治的な関係であって民族的または宗教的な対立関係は依然根強い。今年の9月を目標に政治的分割に合意する見通しだが、過去4000年間争ってきた宗教対立までは埋めることができない。テロはこれからも決してなくなりはしないであろうし、これからもゴタゴタは続くと予想されている。

 よって、両政府はお互いの状況を見ながら交渉を進めていく模様である。

 

 

 

2000.6.25Sunreporter: Tomoya Yoshida