バラード第1番の中でも大体の人は上の大きく転調する場面が感動的だという感想を言います。
ここまで到達するのに4分30程度かかるのですが、そこまで寝ている人もここはおきるようです。
しかしそれまで寝ていて、ここだけ聞いたのでは、まるで本で言うとクライマックスだけ読んだようで
淋しいですね。
  この曲のポイントは、感情の爆発するところよりも、いかに淋しいところを淋しく弾くか、または音の
変化のつけかたにあると思いました。ずっと同じ音色ではたいくつな9分間になってしまいます。
技術的な難しさは練習するしかないですね・・


まず出だしですが



ここでまず汚い音を出してしまっては終了です。(よくやってしまうのですが・・・・)
  バラードを弾くということは、物語を語るのと一緒だ!
と先生によく言われます。物語の最初は「むかしむかしあるところに・・・」
と始まるのが普通です。いきなり「ババーン!」と始まる物語なんてありませんね。
それがスケルツォとバラードの最大の違いだと思います

そしてすぐ



↑ 
が始まります。これが実はかなり印象深いもので、この音型がずっと繰り返されるわけなので
いかに変化をつけて歌うか、で聞いている人を自分の世界に引き込むかどうかが変わるでしょう。
内声の音をいかに消すかも重要です。

そして物語少し悲劇的な部分を通過したあと、一種の楽園のような





に突入します。この曲はリトアニアの王子が人民のために身を犠牲にし、十字軍に処刑されてしまう、という
場面を描いた悲しい悲しいストーリーですが、解釈は100人いたら100通りの解釈があります。
僕はこの場面は処刑前の、昔の回想だと思って弾いてます。 


そして主人公の感情が一気に爆発します

          (すいません、数箇所ミスってますね・・・)

前の場面を転調して音量をでかく、強奏バージョンにした、ショパンやリストの得意技ですね。
ショパンとこの物語の主人公、ともに祖国を奪われとても境遇は似ています。
ここの場面でたまっていた感情が爆発するわけですから、弾く側もとっても大きく弾かなければいかない
と思います。しかしオクターブの高速上昇など、ミスタッチポイントもあり、また、決して音を叩いてはいけない、
ということにも気をつけなければいけません。 ここでミスタッチするとちょっと決まらない・・・ ので
あせらずゆっくりでもいいので大きく弾くことを心がけて弾くとよいでしょう。

技術的難所の和音の高速上昇は、最初は脱力して弾き、ラストの3音のみ、力を入れてはっきり弾く
という方法でミスはかなり少なくなりました。最初から力を入れてると、絶対に最後まで持ちません。


あとは劇的なコーダなどももちろん難しいです。
でもひたすら練習しかないので変なことは書きません

ショパンで言うと練習曲 op10-10 変イ長調のエチュードがコーダの練習に役に立つでしょう。


僕には思い入れのある祖国なんてないけれど、この曲を弾いていかにショパンが
ポーランドを大事に思っていたか、がひしひしと伝わってきます。
 これが同じ芸術でも絵にはない、音楽でだけ伝えることのできる事だと思います。