題一話:ホトトギスよりも・・・
ほー・・・ほけきょ・・・
・・・ほのぼの・・・
あ、いやいやいや。
ホトトギスよりも鳴き声の 楽しいのは。。。。
何と言っても「すーいっちょん」でショウ!!
いやー、あの 小さなからだで がんばるよネ!!
そんでもって めちゃめちゃ ウルサイのよね。
ホトトギスくんも がんばっとるねぇ・・・・
ま、すーいっちょん君の 個性には 勝てないかも知れないが。。。
あ、いや、失敬!!
u−,a-…・ごほん!!
「先生は、君にも良いところが 沢山あると思うよ。」
「フ・・・いいんです、先生。僕なんかどうせ・・・」
ぱしっ!!
「な、何するんですか?」
「ホトトギス君!卑屈はいかんぞ!卑屈は!!!」
先生・・・
ぢつは・・・自分が追いこんどるのデス・・・
が!・・・そんなコトはお構いなしに話を続けます。
「私は 君の良いところを 沢山知っているんだ!
上手に託卵するじゃあないか・・・?」
良い所・・・
託卵・・・
人の子供より早く孵化して、他の卵を壊し・・・
家を乗っ取って他鳥に一人っ子として育ててもらうってアレですね・・・
なにやら、じゃあくなカン違いをかましてますが、先生は力説します。
「いえ、先生。・・・それは カッコウです。」
「良いんだ!恥ずかしがらなくても!!!」
先生はもはや、突っ走って帰ってきません。・・・
一人独走状態の先生は、なおも話しを続けます。
「さぁ、あの夕日に向かって、走るんだ!!」
きらーん 歯が光る・・・・・。
「せ・・・先生!!!」
あぁ!・・・ついに・・・ついに先生の不陰気にのまれてしまったホトトギス君。
そのまま、夕日に向かうと・・・断崖絶壁が待ちうけてますが・・・
この二人なら、なんとか突破しそうです。
あたりは、猛烈な勢いで土煙が上がっています。
そして・・・
先生の足跡に残されたのは・・・
平らになった 「すーいっちょん」・・・
「あっ先生っ!!なんか踏んづけたみたいですよ!」
「あ〜・・・気にするな・・・人生には多少の犠牲はつき物だ!」
ワザと踏んだな・・・
この先生・・・
人生には・・・って・・・
この犠牲に、なんか意味は・・・無いね・・・絶対。
無駄な犠牲を払いつつ、山々を疾走する一人と一匹。
山の木霊は、毒々しい笑い声をあたりに響きわたす。
あはははは・・・・
けきょっけきょっけきょっ・・・・
「さてと・・・青春ごっこも充分堪能したし・・・そろそろ帰るか・・・」
「そうですね・・・今日は楽しかったです。」
・・・さっき、人生とか偉そうな事をのたまっていたような・・・
ごっこで済ます所が、まさにミラクル・・・
帰宅した先生が始めに見たものは・・・
平らになった「す〜いっちょん」君・・・
「あぁ!す〜いっちょん君!!・・・面白いかね・・・平ら遊びは・・・」
先生・・・・・
ぢぶんがやったんでしょうが・・・
「それっ!」
・・・とか言って・・・
「うぅ・・・せ・・・先生・・・」
「ん?どうした?・・・面白疲れたのかね?・・・しかたのない奴だなぁ・・・
これ・・・ホトトギス君・・・ポンプを用意してくれたまえ。」
「はいっ!先生っ!」
ぺこんっ・・・ぺこんっ・・・
ポンプの先を口から押しこみ、見る見るうちに元の姿にもどってゆく、す〜いっちょん。
ぺこんっぺこんっ・・・・ぺこんっ・・・
「わぁぁ・・・先生・・・もう良いでしょう!・・・
先生っ!先生っ???・・・・」
見ると、す〜いっちょん君は風船のように膨らんだ体でバタバタあばれている。
慌てて、止めにはいるホトトギス君。
「ん?なんだね?・・・・・爆発遊びはこれからだぞ?・・・」
「先生・・・もう充分堪能しましたから・・・・」
「そうかね?・・・・残念だ・・・」
ぷしゅう〜〜〜〜〜。
先生は、しぶしぶ口からポンプを引きぬくと、
余った空気が勢い良く口から噴出す。
「げほっげほっ・・・せ・・・先生・・・」
「あぁ〜よいよい。楽しかったんであろう?礼には及ばんよ。」
楽しいって・・・本人涙ぐんでますが・・・
ホトトギス君もなにやら、青ざめてます。
「いやぁ・・・少し物足りんが、楽しかった。・・・今日はもう寝るとするか・・・」
「はい・・・そうしてください。・・・」
先生の言葉に、二匹そろって返事をする。
そして、夜は更けて行く。
悩みの欠片も無い、幸せそうな寝息をたてる先生。
一時でも心を、捕らわれて後悔の念にかられるホトトギス君。
今後の不安で一杯の、す〜いっちょん君。
三者三様の様相を見せながら、山々の夜は深々と寝静まってゆく・・・
朝には、・・・周辺の村々で騒ぎが起こっている事も知らずに・・・