ヘンゼルとグレテル〜すべての始まり〜

 あるところにヘンゼルとグレテルというたいそう仲のいい?兄妹がいました。

兄のヘンゼルは、とてもいい性格で、いつも何をしでかすか分からない妹のグレテルを押さえる役でした。
妹のグレテルは、生まれたときから、髪が真っ赤で産声の代わりにつばを吐き出すという行動をとった程でした。
さてこの二人、今家が借金に追われているため、家を追い出されようとしています。
父はそんなことをしたくはなかったのですが、意地悪なママハハがそうするように言ったのでした。
 ある日のことです。

父がピクニックに行こうと言い、二人を森の奥の方へ連れ行きました。
二人を置き去りにしようとしたのです。
ヘンゼルは状況を把握していて、パンのかけらを道に落としていきました。帰り道が分かるようにするためです。
グレテルはこの森を燃やすと勘違いし、そこら中に満面の笑みで、ガソリンをまいていました。
その行動に父とヘンゼルは気付かず歩いていました。
父は「この辺でいいか。」というと、二人にサンドイッチを渡し。
「すぐに帰ってくるから、これを食べて待っていなさい。」と言うと、走ってどこかに行ってしまいました。
ヘンゼルが、「グレテル!お父さんは僕らを置いていってしまうつもりだ。
さっきお兄ちゃんがパンのかけらを落としていったから、それをたどってお家に帰ろう。」
とグレテルに言うと「あ、なんかようか?兄貴?それと、さっき落っことしてたパンはもうねぇのか?」とパンのかけらを食べながら答えました
言うまでもなく、それはヘンゼルが落としていったものでした。

ヘンゼルは、生きる気力を失いました。
そんなヘンゼルにグレテルは、「おい!俺は腹が減った。何か喰いもんをよこせ。」と言ってきました。
ヘンゼルは(このまま悔やんでいてもしょうがないな。)と思い、
「グレテル!お腹がすいているのなら、お兄ちゃんと一緒に食べ物を探そう!まずは水の確保が必要だ。」と言いました。
するとグレテルは、「お前が一人で探せ!俺は喰うことしかしねぇ!」と言いその場を動こうとしません。
困ったヘンゼルは、一人で探すことにしました。
 しばらく水や食料を探していると、川が流れているのに気付きました。
「これで、一安心だ。」
そう思いグレテルの所に戻ろうとすると、川の向こうにお菓子の家がありました。まさかと思いましたが、確かにあるのです。
さっそくグレテルを呼びに行こうとして、後ろを振り向くと、辺りは一面焼け野原。
ヘンゼルはグレテルのことが気になり、炎の中にはいろうとした時!
お菓子の家の方から「おい!兄貴。ここに菓子の家があるぜ。そこの森は、虫がうるさかったから俺が始末しといてやったぜ。」と声をかけてきました。
見てみると、グレテルがお菓子の家を食べていて、すでに家の半分以上をたいらげていました。
ヘンゼルは川を泳いで渡り、慌ててお菓子の家へ向かいました。
 着いたときには、お菓子の家はすでに食べられていてさっきまであった家の姿、形が全くありませんでした。
ヘンゼルは食べられなかったことに少しがっかりしましたが、グレテルは満足そうだったので、(グレテルが喜んでいるのならそれでいいや。)と思い、その事は、忘れようとしました。
しかしグレテルが今度は「おい!コーラ出せ。」と言ってきます。「は?」ヘンゼルはグレテルの言っている意味がよく分かりませんでした。
すると、「コ・オ・ラって言ってんだよ。喰った後には飲みもんだろ!常識がねぇな。兄貴は。」と怒鳴りつけてきました。
さすがにこの事にはヘンゼルも怒り、グレテルを叱ろうとしました。とその時!何処からともなく魔女が現れ、「どうしたんだい?」と二人に声をかけてきました。
そんな魔女にグレテルは、「おめぇ誰だよ。俺らは今取り込み中なんだよ。」少し切れ気味で答えました。
すると、「困っていることがあるなら私が、何でもかなえてあげるよ。」と言ってきました。
グレテルは、「んじゃ、コーラ出せ!ダイエットペプシを頼むぜ。今ダイエット中なんだよ。」と命令するように頼みました。
魔女は、呪文のようなものを唱え始めました。すると見る見るうちに、魔女の手の中にコーラが現れました。
魔女がグレテルに渡そうとするより前に、グレテルはそのコーラを奪い取りました。
全て飲み終わると、「お前結構良い奴だな。俺の奴隷にしてやるよ。」と魔女に言いました。
魔女は、「奴隷はちょっとな。」と言ってから、「でも私と一緒に住まないかい?」と聞いてきました。
ヘンゼルは戸惑いましたが、グレテルが“喰いもんを満足のいくようによこしてくれるなら”という理由で少しの間、魔女の所でやっかいになることにしました。
家への帰り道も分からないし、野宿するのにも危険だったからです。
ヘンゼルは(見ず知らずの僕たちになぜこんなにまで親切にしてくれるんだ?この人何か考えているな。)と思いながら、グレテルと魔女の家で過ごしていました。
 生活していると、やはりおかしいことがあるのです。グレテルは、おりのようなところに入れられ、どんどん食べ物を出され太らされているように見えるのです。
ヘンゼルは、グレテルとは打って変わって働きづめですし…
 そんなある日グレテルが太ってきていた日の夜
ヘンゼルは恐ろしい言葉を耳にしてしまいました。
ヘンゼルが魔女の命令で薪を取りに行こうとしたとき、魔女が自分の部屋で「もうそろそろあの子は食べ時だな。」とぼそぼそ言っていたのです。
この魔女は人喰い魔女だったのです。
ヘンゼルは大急ぎで、グレテルのおりに向かいました。
相変わらずグレテルは、食べ続けていました。

ヘンゼルが「大変だグレテル!お前は食べられちゃうんだぞ!」と伝えました。
グレテルは、「喰われる?何言ってんだ兄貴。俺は喰うことしかしねぇよ。」と未来のことなど気にせず平然と答えました。
「おい!ふざけるな!現にお前は、おりの中に入れられているじゃないか!」ヘンゼルは必死に説得させようとしています。
「ちげーよ!これは俺のマイホームだ!失礼なこと言うんじゃねぇ!ははーん。兄貴!お前うらやましいからそんなこと言うんだろう!」
そう言ってグレテルはその場を動こうとしません。
「もう知らないよ。勝手にしな、グレテル!」ヘンゼルは一人で魔女の家から逃げていきました。
残されたグレテルは、ヘンゼルがいなくなってもひたすら食べていました。少しして、魔女がヘンゼルのいないことに気付きました。
「おい。グレテル!ヘンゼルを知らないかい?確か薪を拾ってくるように頼んだはずなんだけど…」
グレテルが、「薪取り?とんでもねぇ。兄貴なら逃げていきやがったよ。お前が俺を喰おうとしてるとかいってな。ご主人様を喰う魔女が何処にいるってんだよなー。」
と言うと、魔女は「あの坊主、もう気付いたのか。じゃあお前も早めに喰ってやらないとな。」と言いグレテルを料理しようと仕始めようとしました。
やっと食べられるてしまうと知った鈍いグレテルは、まずおりを自慢の力で破壊し魔女に襲いかかりました。
魔女は呪文を使ってグレテルを気絶させようとしました。
しかし魔法を唱えるよりも前にグレテルの鍛え上げた鉄拳が炸裂!
魔女は意図も簡単にやられてしまいました。
グレテルは、“嫌な奴だが俺の腹が空いているときに役立つ道具だな。”と思い自分のお家へ連れて帰ることにしました。
 家に着くと、すでに意地悪なママハハと父は離婚していて、ヘンゼルと父とで幸せに暮らしていました。
グレテルが帰ってきたら、二人は帰ってこなくてよかったのにという感じで、グレテルを盛大に迎えました。
なんとグレテルが連れて帰ってきた魔女は指名手配中の魔女で、警察に届けたら、お礼のお金をたくさんくれました。
グレテルは「ぜってーそんなことさせねぇ。それは俺の奴隷なんだよ!」と言って、魔女を警察に連れていくことを否定し、警察まで行って訴えました。
訴えているうちに、グレテルは森を燃やした犯人とばれて、捕まってしまいました。
父とヘンゼルはといえば、生活するのに負担だった人がいなくなり、魔女を警察に届けたお金で生活費用にも困らず、幸せに暮らしました。                                                                                   グレテルが警察から帰ってくる前までね。     
      
                 

                                            おしまい