2004/06/22 「エルニーニョに抱かれたい!! おととい来やがれデイアフタートゥモロー」 注)この文章は「すばる」がお題を出して「ふに」が著作したものであり、文責は主にすばるです(なんでだよ) 作品はフィクションであり、作品中の人物名は、元ネタを知らないひとは面白さ半減なので注意してください。 <2004/06/03 05:13> きょうという日。ただそれだけでは、まるでカフェイン抜きのコーヒーのように、素っ気なく、またありふれた存在。しかし人がひとたびそれを「昨日と明日のあいだ」と定義すると、途端に魅力的なものになる。明日が永遠に続くものだとすれば、それを追いかける今日という日もまた永遠。アキレスと亀のパラドクスを例に挙げるまでもなく、決して追いつくことのないその労苦に、私は畏怖を抱く。そして― ぐぅ。 腹が減った。鬼怒川(本当は田川)の流れは合流・分岐を重ね、海原へ流れ出たのが3日前。それから単身、漂流をはじめて、きょうで実に25日目になる。ひとは私を「プランクトン人間」と呼ぶ・・かどうかは知らないが。 「・・少なくとも「人間プランクトン」ではない。私はプランクトンではないのだ」 まだそれくらいの自負はあるようだったが。なんにしろ彼の精神は、相当程度に汚染されているようだった。 すべてはあの忌まわしい大会(注)が原因だった・・。 (注)流しソーメン大会 <2004/06/15 15:30> 「まあ・・確かにこの前の残りのソーメン、まだあるって言ったけどさ・・」 都内某所、横松の下宿。決して手狭ではないはずの彼の部屋は、むさくるしい漢どもに占拠されていた。 「なにもウチで食ってくことないじゃない?」 「まあ硬いコト言うな。おれソーメン嫌いなんだ」 「この際それはどうでもいいよ・・」 ぼやきつつ、それでもしっかり全員分の箸を用意する。意外と面倒見の良い横松だった。 が― 「あれ? 1コ多くねぇ?」 「えっ?」 岡倉の発言に注目が集まった。各自、あらためて確認する。箸をもった野郎が4人。持ち主不在の箸が1膳。誰かひとりたりないことに、その場にいた全員が、いまになってはじめて気付いた。 「あっ・・」 横松がにわかに悟る。 「彼、もういないのにね・・いつものクセで、つい。あはっ、なにやってんだろあたし」 その言葉に、全員が黙ってしまう。重苦しい雰囲気をなんとか和まそうと、岡倉がフォローをいれた。 「あーいや・・その箸はそのまま置いといてやってくれ。himoもきっと、喜んでくれるさ」 「そっ・・そうだよね! じゃあ、みんなも食べよっ!」 どことなくぎこちない様子の横松だったが、皆がうながされるままソーメンに手を伸ばすと、再び以前の活気が戻ってきた。嫌いと言いつつも一口食べてみたら存外美味かったらしく、黙々と食べ続ける岡倉。割り箸がうまく割れなかったことがくやしいのか(うまくどころか、彼の箸の片方は、その中ごろで真っ二つになっていた)、やや不機嫌な面持ちでソーメンをすくう盛男。その横では、めんつゆにチューブ生姜を入れようとしたはいいが、あまりに強く握ってしまったためチューブが裂け、そこから鉄砲水の如く噴出した生姜汁を両目に受けた内山田が、もんどりうって倒れていた。その衝撃で、つゆを入れた器を自らの股間に落としてしまった内山田は、文字通り「つゆだく」になっていた。汁もしたたるイイ男の出来上がりだ。 「めが痛いでござる!! めが痛いでござる!! ・・殿中でござる!!」 と、その時― 『ではたったいま入ったニュースです。先ほど、千葉県銚子沖約120km付近で、未確認の浮遊物が大量に発見されました。こちらがその映像―』 「とのーっ!! ごむたいなーっ!! けどがーっ!!」 「五月蝿えっ!!」 ごがすっ!! 再度、もんどりうって倒れる内山田。岡倉が内山田を蹴り倒してまで見ようとしたニュースの映像に、一同の視線が釘付けとなった。そこに映し出された謎の浮遊物―海面を見渡す限り覆い尽くしている―は、あろうことかhimoの顔面に酷似していたのだ!! 直径約50cm〜1m、おびただしい数のhimoは、全員(?)が几帳面にこちらを向いて、ぷかぷか、ふよふよと、浮遊している。あくまで、無表情のまま。キャスターは緊迫した面持ちのまま、続けた。 『・・発生原因や、そもそもこれらはなんなのかということまで、こちらに一切の情報は入ってきておりません・・あっ、ただいま情報が入りました!! これは政府関係者からのコメントですね。政府はこの謎の浮遊物大量発生をエルニーニョ現象によるものと推定。即時対策委員会を設け、全力で原因究明に乗り出す姿勢です。繰り返しお伝えします・・』 「・・・・・・」 無言で画面をみつめる岡倉、横松、盛男。彼らは決して抗うことのできない大きな奔流に、自分たちの運命が委ねられるのをはっきりと感じていた。脳髄がぴりぴりと痺れるような感覚。高揚し、一方であくまで冷静な思考。3人はお互いの顔を見合わせて、頷いた。その瞳に、確かな決意が宿る。 「オレたちがやる(殺る)しかない・・な」 内山田はひとり恍惚の表情を浮かべている・・。 続・・かない。 <2004/06/22 22:32> あとがき(という名のいいわけ) えーっ。 いや実は今回の作品は、6/2の時点で書き終わってたんだよね・・。 ただあまりに大きく風呂敷をひろげてしまったので、収拾がつかなくなって。 楽しみにしてくれていたすばる、本当に申し訳ない。 今度はキミが純文学を更新してやってくださいね。 と、問題発言をさらりと残して、ではでは〜。 |