体中が痛い。目の前も足元もふらふらするし、口の中も切ったようでじんじんと熱くなっ ている。ボクの横を通り抜けていく人は自分の事が精一杯みたいで前だけ見て他人にぶつ かってもなにもない。ふらふらする目の前がにじんで見えなくなっていく。あとからどん どんでてくる涙を 拭っても、傷だらけの顔を痛いくらい擦ってもとまらなくて、いつのまにかボクは蹲って 泣いてた。 「どうしたの?」だれだろう…顔をあげる。先に歩いていく大人達の中にま じってボクと同じくらいの男の子がボクのすぐとなりにいた。 「どうしたの?」さっきと おんなじ言葉にボク は答える言葉がなかった。 「痛い?」そうかもしれない 「辛いの?」そうかもしれない 「苦しいの?」そうかもしれない 「さみしいの?」 「…一人はやだよ…」しらずしらずの うちにでた言葉に男の子は笑って言う「一緒に遊ぼ!」 ボクの手をとって立ち上がる。 「…ぇ…ぁ…」言葉じ ゃない言葉を口にするボクを見て「あっ、そっか。そのまんまじゃ痛いよね」そう言って 頭に手をのせて「痛いの痛いの、飛んでけ〜…辛いのも、苦しいのも…飛んでけ〜」男の 子の手がひらひらとボクの頭をなでたり空に掲げられる度に どんどん体があったかくなっていった。 「もう大丈夫だよ」笑っていた。なにか嬉しいこ とがあったのでもないのに。なにか楽しいことがあったわけでもないのに。純粋に笑って いた。 「だから…遊ぼう」