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もう20年以上も前のことになってしまうが,担任のさだが高校生だったころ,我が家は妙に貧乏だった。父親が倒れて仕事をしていなかったせいなのか,それとも先祖代々の貧乏の血筋のせいなのかはわからない。どのくらい貧乏だったかというと,私が『高校に行く』と言ったら親戚一同からひどく驚かれたぐらいで,どうやら端から就職するものと思われていたようである。当然家から小遣いなどもらえるはずもなく,授業料さえアルバイトで稼ぐしかなかった。まあ正直言って当時は辛かったし,欲しい本1冊買えない生活を恨んだりもした。今は,それほど威張れた金額でもないが一応,定(低?)収入を得ることのできる身分であるので,もしタイムマシンがあったなら,あの頃にもどって高校時代の自分に幾許かのお金を渡してやりたいと思うことしきり… さて余談が長くなってしまった。本題である。幸いなことに世の中には奨学金という仕組みがある。有名なところで言えば『日本育英会』。優秀な能力を持ちながら,金銭的理由で学業に支障をきたす学生に対して,お金を貸してくれる仕組みである。およそ世の中で無利息でお金を貸してくれるところなど,他には無い。もちろんお金を借りるわけだから,あとで返すことになるけれど,10年以上かけて返済することができるので,普通に仕事をしていれば無理なく返すことができる。 ときどき,奨学金の仕組みを『貧乏人に対する施し』のように考えてしまう人もいるけれど,全然違う。奨学金は,国家が自らの将来に対して行うもっとも有効な投資だ。優れた能力を持ち,将来,その社会全体に対して貢献することのできる人材の育成は国家にとってもっとも大切な仕事の一つだからだ。
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