2001年4月18日 11号
人生の長さで考える

 ついこのあいだ,『おぎゃ!』と生まれたかと思っていたのに,気がついてみれば早40歳の声を間近に聞いて,『あぁ,人生とはかくも短いものだったのかぁ…』と嘆いてみても後の祭である。自分の体のことを振り返ってみれば,百歳まで生きるなど夢のまた夢。65歳の定年でさえ無事に迎えられる自信さえ無い。そうすると(恐ろしいことに)残されたタイムリミットまで,あと○○年である。それまでに何か意味のあることができるだろうか?と考えると奇妙な焦りを禁じ得ない私である。

 『人生』は,『夏休み』みたいなものだ。始まったばかりの頃は,最後の日など遥か彼方のことであって,永遠に続くかに思える。けれど,半ばを過ぎてしまうと信じられないぐらいのスピードで残された日々が過ぎ去ってしまう。その悲しさは毎年夏に嫌というほど経験していることではあるけれど…。

 私の尊敬する世界最高の喜劇俳優チャールズ・チャップリンの言葉に『人は結局,素人で終わる』というのがある。映画『ライムライト』の中でチャップリン扮する老喜劇俳優が言った言葉だ。たった一つのことに一生をかけて努力して,ついにその道では並ぶ者が無いほどの達人となった人でも,その人自身の中では『自分はまだ素人』に過ぎない。そういう気持ちがあるからこそ,一層謙虚に自分を磨こうとする。どんな分野にも共通して言えることだけど,トップに立つ人は常に控え目である。そして努力することを忘れない。自分がまだ素人であることを忘れないからこそ,常に『学び』続けることができる。中途半端な知識や技能を身につけただけで満足してしまうから,私のような人間はしょせん凡人にしかなれないのだと思う。

 あっと言う間に通り過ぎて,宿題の山を残す夏休みのように,人生も(一生懸命頑張っても)やり残したことを山のように残して終わってしまうものなのかも知れない。そう考えると例え何百年生きようとも『人生は短い』。幸いなことに,みんなの人生は始まったばかり。まだ『学ぶことを学んでいる』。時に足をとめて,自分の人生を『どう生きるのか』『何をしようか』と考えてみるのもいいだろう。


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