2001年4月23日 21号
忘却の彼方に…(勉強を科学する1)

 眠い目を擦りつつ,けっこう真面目に勉強して全部覚えてきたはずなのに…『思い出せない〜!きぃ〜!悔しい〜!』テストの解答用紙を前にしてこんな悲しい思いをしたことが無い人がいるとしたら,その人は大変幸せな人だ。普通の人間であれば,覚えたことの半分を忘れるのに必要な時間はたったの30分。30日でも30時間でもない。ほんの30分なのだ。(実は人間て凄い馬鹿なんだよ。知ってた?)

 このことは教育の世界では結構有名な話で,今から100年ほど前のドイツの学習心理学者であるエビングハウス(Ebbinghaus,Hermann1850-1909)が膨大な実験を繰り返すことによって右のようなグラフを作った。グラフの横軸は覚えてからの経過時間(h)を示し,縦軸は覚えている量(%)を示している。このグラフによれば,勉強してから1時間後に記憶にとどまっている量はたったの44%,9時間後には36%であり,その後緩やかに忘れていって30日後には0%(つまり完全に忘れてしまう)ということになる。いくら気合いを入れて勉強しようが忘れないようにしようが,30日後にはキレイさっぱり忘れているってことだ。まあ要するに『人間は忘れる動物』であるっちゅうことでしょうね。。。哀しいねぇ(;_;)…

 ここまで読むと,『な〜んだ,じゃあ勉強したって無駄じゃ〜ん!』と思い込んでしまって勉強すること自体を止めてしまう人も出てくることだろう。けれど,ちょっと待ってくれ!冷静に考えてみれば,テストのたびに100点満点を取る人もいるだろうし,どんなに忘れっぽい人であっても自分の名前まで忘れることは無いだろう?小さかった頃の楽しかった思い出なんか,10年もたっているのに思い出せるのは何故だろう。この記憶のシステムにはまだ何か秘密が隠されているに違いない。

 勉強するってことは,ただがむしゃらにやればいいってことでは無い。何事も合理的に最小限の努力で最大限の成果を得ることができる方法を見つけなくては損をしてしまう。根っからの怠け者である私は,そう思う。…と,いうわけで紙面も尽きてしまったので,以下次号に続く。


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