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今をさること数千年の昔。古代ギリシアの神話時代のお話である。地中海に浮かぶキュプロスという島にピュグマリオンという王様がいた。彼は優れた彫刻家でもあった。彼の創りだす女性像の美しさは現実の女性など足元にも及ぶものではなかった。やがてピュグマリオンは生身の女性に失望し,自らの創りだした美しい少女の像に恋をしてしまう。想いは日に日に深まり,ピュグマリオンは寝食を忘れて,朝から晩まで自らの作品である少女像を眺め,恋を語り続けた。なんとも悲しい恋。いくら語りかけても彫像は返事をしてくれないからね…。しかし,彼の想いは天に届く。天界から,この様子をずっと見ていた美の女神アフロディーテが奇跡を起こした。ただの彫刻に過ぎなかった少女像に魂を与えてくれたのである。一瞬にして象牙の肌に熱い血がかよい,美しい微笑みに生命が宿る。この後ピュグマリオンは,この少女と結ばれ末長く幸せに暮らしたという。めでたし,めでたし(^_^) (参考:阿刀田 高『ギリシア神話を知ってますか』新潮文庫)
このことは学習の分野にも応用される。とある学校で実際に行われた実験がある。可能な限り能力も適性も人間関係も同じになるように二つのクラスを作り,これまた同じぐらいの指導能力を持つ二人の先生にそれぞれ担任をしてもらう。ただし違うのは一方のクラスの先生には『このクラスの生徒たちは非常に高い能力を持っています』と伝え,もう一方のクラスの先生には『このクラスの生徒たちは残念ながら学習能力が低いのです』と伝える。さてさて,一年後,この二つのクラスの生徒たちはどうなったでしょうか?二つのクラスの成績には信じられないぐらいの差がついてしまった。 人間の能力なんてものは曖昧なもだ。『優秀な能力を持つ』と扱われるか,『たいしたことない』と扱われるかで,とんでもない差がついてしまうものなのだ。 |