5月の津波
第4章 幸
次の日の朝、学校では、
「ユウジ・・・!どうなっとるんやぁ?ただの幼なじみとちごたんかぁ?あぁ?」
コウジのそんなイヤミたらたらの質問攻め・・・。
「何の話?」
少しとぼけてみる。
「何の話?っやあらへん!見とった奴がおんねん!」
「何を?」
「だからぁ!・・お前と・・・その幼なじみが・・・・。抱きあっとったとこを・・・。」
大きかった声が急に小さくなった。
「それだけ?」
「?それだけってお前・・・!他にもなんかしたんか!?白状せえ!」
なんだ・・・キスのことはばれてないのか・・・。
「いや。別に何も。」
大嘘つきだ・・・。
その時、ユイが教室に入ってきた。
「おはよう。」
少し小さな声で言いながら、手を軽く上げながらユイは言った。
「あぁ、おはよう。」
俺も手を少し上げながら答えた。
その行為が、コウジの好奇心に火をつけた。
「だから!どうなっとんねん!」
「しつこい奴やなぁ・・・。」
「なんや?やっぱコレか?」
コウジは左手の小指を立てながら言った。
「まぁ・・・、そういうことかな。」
「なっ・・!あっさり認めやがって・・・・。」
コウジの顔が少しゆがんだ。
「まぁ、そんなに怒るなよ。」
「べ!別に怒ってなんかないぞ!」
「ほら、怒ってる。」
「だから・・・。お前に彼女ができて、祝福とイヤミを込めてだな・・・・・」
「サンキュ、でも今のオレにイヤミは通じないよ、
なんせかなりご機嫌だから。」
「なんじゃそれ。イヤミな奴。」
「イヤミ言うほうが変わってるで。」
「はっ!このやろう・・・・!」
なんの変哲もない、平和な会話だ。
チラッとユイのほうを見る。
ユイもそれに気付いてこっちを見て少し微笑んだ。
俺も少し微笑み返した。
後ろでコウジがギャーギャーまた言い始めたが、
俺の耳には全く届いていない。
今はユイのことで頭が一杯になってる。
俺、今すっげぇ幸せだ・・・!
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