ウタ集2

- ウタ 60 -

その瞳で映してください

その手で髪を撫でてください

その身体で抱き締めてください

何の証拠も

感覚すら残さないまま

消えてしまっては嫌

息を止めてしまっては嫌


- ウタ 17 -

昨夜、あんな話を聞いてしまったから

ねぇ、どうして

あなたのことになると泪が止まらないのでしょう

泣いたってどうしようもないのに

今でもあなたの裾を離せないでいるのでしょうか

強くならなくてはいけないのに

この泉は枯れることがないのです

本当は

本当は夢など嫌です

記憶は朧の月になってしまう

触れた温かさすら残らない

残るのは

あなたの哀しい言葉の断片と

血の気の失せた孤独だけ

そう、朝が来れば

泪は乾く

けれど其処にあなたは居ない

ほととぎす

夢か現か

朝露の

おきて別れし暁のこゑ


- ウタ 68 -

茜さす夕暮れの中

あなたの言葉も振り切って

唯 色んな幸せを願って

独りぼっち

泣きながら

帰ってきたあの日

きっとずっと

忘れない

忘れたくないから


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