夏が逃げてゆく
始まりは終わり
“9月1日(金)授業再開”
彼が来る
彼女が来る
みんな楽しく騒ぎだす
君は僕を見つけられない
過ぎ去ったもの
君が夏のきらめきの中に見たものは
甘美であったがゆえに幻となり
夏とともに過ぎ去った
永遠に過ぎ去った
もう僕には君が見えない
君なんか死んでしまえ
消えてなくなれ
思い出
君から逃げていた僕は
再び君を捜し求めた
気の弱い僕は
あたりをおどおど見回した
君に逢わずに帰れない
祭に頬を火照らせた
君と逢わずに帰れない
思い出はいらない
疑問
君を見つけた
僕は泣きそうになった
君が近づいてきた
僕は君と向かい合った
どうして君は微笑んでいるのか?
どうして僕は苦しんでいるのか?
どうして君は僕の心を捕えたのか?
ほんとに君は苦しくないのか?
僕はわからなかった
全くわからなかった
悲しい午後
小柄な君の影法師が
アスファルトに長く伸びていて
僕達は午後のけだるさの中
いろんな話をしたけれど
君の悲しき影法師を気にしていたのは
僕だけだった
僕達が黄昏に包まれると
うら若き君の影法師は
消えてしまった
些細な変化
いつもより濃い目の化粧をしてきた君
どうして勝手にそんなことをするのか?
僕はそんな君を見たくはなかった
僕は目をそむけたかった
けれど
僕は君から目が離せない
君から離れられない
いつもと違ってしまった君が
僕にナイフを突き立てる