間接照明によって計算された光量が保たれているトイレ(どんなトイレだ?)。但し現実に存在するトイレなのか笙野かぶれの夢の中のトイレなのかはわからなかった。中央に一つだけ置かれている白い洋式便器は電気椅子のようにもほら穴のようにも見え、変死や安楽死を誘っているようだったし、吐捨物にまみれた洗面所は垂れ流し。それでも私はこのある意味独特なトイレ&便器の存在に、不思議と得も言われぬ癒しを見出していた。私が求めていたものが中央に鎮座しているのだった。
 静物。便器はいくらがんばっても静物である。七変化仁美の対応に追われて疲れ切っていた私はそんな便器に飛びついた。なんとまあ鮮やかなそれらの好対照だったことだろう。湿り気を帯びた馬蹄形便座のぎこちないカーブ(どんなカーブや?)、嫌らしいつやつや感、臭み、そんなものどうでもよかった。
 私は安心して用を足すことが出来た。
 黄色っぽい照明はふらふらと揺れてはいたが。いろんな意味で。
 さて、私がトイレから戻ると、仁美も何事もなかったようにヒトの形に戻っていた。ヒト呼んで仁美、不吉なナオン。ここで一句。

『等しく等価なババロアの・・・』

 すみません無理でした。お粗末でした。自分勝手にイメージした仁美をババロアに例えてごまかし、そう簡単にワクにはめられるはずもない生の仁美から目をそらそうとした自分が恥ずかしいです。
 ・・・・・(vividな沈思黙考)
 それにしたって仁美、いつの間に?・・・相変わらずよのう。
 何かの着ぐるみを纏ってフェルトの鼻までくっつけて(想像力逞しい読者にはおわかりのように顔だけは「素」なのでした。黒くて丸い鼻を除いて)。
 それは本当に何の着ぐるみなのかわからない着ぐるみで、色も不明、どうせ「いろんな色に肥満してしまいました」などと言うつもりだろうと思いきや、私の姿を見るや否や、突っ伏してしくしく「卑怯ですっ!すぎますっ!」
 彼女の言い分はこうだ。
「金柑でもなくリンカーンでもなく正真正銘の欽ちゃんがだなんて、私がいつそんなこと言いました?いつ言いました?録音テープ見せなさい。見せろっ!」
「意気地なしっ!あなタは意気地なしですっ!」
「どしてそんな意固地になるですか?日本海の荒海にでもはぐくまれてかわいがられてしまえっ!」
「おかえりなさいいってらっしゃい。もう二度と言いません」
「ハイハーイ。あなたはインテリアけんちゃんですね」
 そうとでもしておきましょうか。
「私の名前はちゅーらんどっと誰も寝てはなりませぬ。あなたもあなたもあなたこそ、くうねるあそぶしてたらあかんよっ」
「風水で存分に調べ上げましょうね」
「性格の不一致による溝の生成とかをですか?」
 最後のだけ私の発言。地雷を踏んで墓穴を掘った。
「何ですか?それ・・・呆れ返ってもう・・・軽蔑します・・・今私は悲恋の末にドラ息子を掴まされたような心境でありかつなおところてん・・す。こんな気分じゃ全くもってお嫁にもイケマセン!」
 フェルトの丸鼻ぽろんと落ちた。
 時は無言で流れる。
「気が遠くなってきました」
 麻痺状態からようやく我に返り、慌てて身繕いしつつ、仁美は出し抜けにこう言った。
 おまけにこんな言葉まで付け加えて。中学生に向かって
「何か合コンみたいですね」
 あ?
「好きな人がいます」
 はにかみはにかみ道理で脇毛がちらほらと。いや違う。ひらひら。何か釈然としないものがある。リンパ節にキリリと来るものが。
「うれしはずかし初体験でした」
 まじまじ見据え。私が無言でいると、
「身の毛もよだつ経験でした」
 目玉パチクリ明らかに何らかの反応を求めてる。
 だから私は答える。
「ああ、そうですか」
 仁美はすぐさま
「あれが婚前交渉と云ふものですね」
 と。それ以上は何もなく。


『国境の長いトンネルをぬけると雪国だった』

 秘技で秘肉えぐり出すと珍器だった。

 珍器名:神秘なバターコーン

 盛大な拍手をお願いします。サラリーマンに軽〜く眺め飛ばされる女子大生ヘアヌードに近い淫鬱な哀愁を帯びた女にエロんなことしますた。べそをかいてへそを見せる女相手に、しゃかりきに、やりました。フルコースのフルハウスはジャグジーでした。お気楽な恋愛小説どころではなく、イチジクパラダイス。
 マリリンみたいな女と十三回ヤリました。もんどりうってもたげてもげたてさもしい修行みたく、ビリージュエル聴きながら、トマスピンポン読みながら、キュイーンとイッちゃいましたよ。発想が貧困なため視線で会話するから性格の不一致がどうにもならず、けれどもめげなかったのでスタンディング・オーベイションでもでもってお答え願ってもいいですかぁ〜?
 そんな外人ポーズ「お手上げ」・・なぞでごまかさずに、新鮮な空気を吸いましょうや、後生ですからね、邪推せず、うまくとりなして、とりもちて、至極当てつけの如くこすり持て余すいやはやアイロニー。後頭部をこりこりと、それもアイロニー。なにはともあれわたくしどもは目玉焼きとオムレツのような関係でした。
 問題はスタミナ面でした。生命保険が絶対必要なほどの極太棒を用いた小手先のセックス、手羽先の、首を左右に振っているところなぞ、こうなれば思うつぼ、どつぼとも言う、見出しも踊るしゅじゅホー賞、なみなみとたたえてる、地震カミナリ雨あられ、PON!
「平常通りうんこしています」
 カモが来た。
「心ゆくまで存分に味わいなさい」
「は、はいっ!」
 これは敢えて言うなら九州の名月。言うなればソウル。オフィシャル(グッズ)としてのコメディタッチの電動こけしのおったっのっしっみ。女体各部に朱印と肉筆。メフィストーフェレスに押し退けられた阿呆のように、『母たち』のように、ポチョムキンが消えたのはバミューダ(スパシーヴァ)・トライアングルであるかのように・・・・
 皮膚組織ABC型。シュトルム・ウント・ドラング。ピストン・アンド・グラインド。初速と終速。微調整。耳は変形してるのではなく、変形しているのではなく、動かされているのだった。ロイヤルミラクルぷぷっぴじゅう、って感じ。オリモノあふれて「まーそのー」・・・

「こりゃまたしづれいをば・・・」
 彼女は陰部で何かのおまじないを始めている。自己セルフな女、騎乗位の神様、仁美。しょんべたれ女。

 俺はちんぽを持て余し、仁美はクソを、撒き散らす。
「三日坊主のタコ坊主、ぶつぶつにきびのお馬鹿さん、これがまじなわずにおられいますか!」
 私はにきびもなければ三日坊主でもなかった。
「あなたがボーイならば、私はGirlです。ぎゃるではなくて、Girlです。SEXしたーい!・・・ですか?ピコピコバックで、ピコピコバックで、ピコピコバックでェ〜〜」
「もうこうなったらマンコもへったくれもないでしょう?オラオラオラオラ!」
 損傷激しき赤ちゃん死体に埋もれて考える。
「アドレナリンもあなどれーん!・・・デブィ〜大久保いじゅういんみつるっ!キムこ!先送り!国債化!」
「オペしましょ、オペしましょ、解剖しましょうオペしましょ♪」
 うんむ。
「そーなんだー!がってんだー!」
「なにゅってんだー?!」
「だっふんだー!」

 ・・・・・

「いや〜ん」
「うわ〜ん」
 腹ぽっこり、生気のない尻、いびつな肉体、おめでとう。