12.東京ダイナミクス


この年になるまで完璧に思い違いをしていたことがある。
それは「東京」

よく言われる。
「東京で通用してこそはじめて全国区」
この言葉はジャンルを問わない。

我々塾業界はもちろんだが。
スポーツ 芸能 商業 サービス業 すべてにおいて同じことが言われる。

ところでわかりやすくするためにお笑いを例にとりたい。
テレビのそれも地上波のキー局でゴールデンに出演している連中は
客観的には一流どころということになる。
では 果たして彼らの笑いが面白いのか?

結論を言えばつまらない。
少なくともネタで笑わせていない。
彼らは有名人であることを使って笑わせているだけである。
好きな人の発言はそれだけで好感が持てる。
親近感があればさらに。
おまけに相手が有名人だとなおうれしい。
今の笑いの構造はこれに尽きる。

やってみればわかることだ。
芸人名を隠し、ネタだけ披露して笑えるかどうか。
恐らく笑えない。
そもそもネタ自体を披露しているお笑いタレントはほとんどいない。

さてこういう連中。
ほとんどが大阪弁を駆使する。(ネイティブのものであるかどうかは別にして)
やはり大阪は笑いの本場。
などと思ってはいけない。
大阪の笑いのレベルが高いわけじゃないのだ。

東京の人間が大阪で受けない。
なぜか 簡単である。
よそものの笑いを受け入れる度量の広さが大阪にはないだけのことである。
同じことは名古屋でも言える。

それに対して東京はその人口の半数近くがよそ者である。
はじめから全国の文化のごった煮である。
しかもそいつらは自分の街を捨てて出てきた連中。
はなから閉鎖的なものに嫌悪感を持つと同時に新しいもの、異質なものを素直に受け入れる。
(受け入れない限り自分が東京に受け入れられることもない)

すべてが逆なのだ。
東京でも通用するか ではなくて
東京で通用しなかったらどこでも通用しない。
なのである。

このことをはじめに教えてくれたのは「御大」と私が呼ぶ方であり、
最近になって改めてインスパイアされるきっかけを与えてくれたのは
明石散人の著書であった。

次項では他の原因も考察しつつ
他の業種においても全く同様のことがいえる旨を証明したい。