28.言葉のインフレ

言葉がインフレを起こしている。

筆頭は「超」
この言葉が流行りだしてからというもの本来ならば文字通り「超えた」存在だけに使われた「超」という言葉に何のありがたみもなくなってしまった。

他にも「カリスマ」「巨匠」「マエストロ」「鉄人」「達人」「名人」
これらもごろごろしている。

おいしんぼうでおなじみの「究極」なんかもそうだ。

かく言う私も「最強最後の」などとやっているのだから人のことは言えないのだが。
(現段階で出版されている学習法に関わる著作の中では文字通り「最強」という自負はある。なんせ「学習法」とは学習の方法がうまく理解できていない者に容易に実践できかつ効果をあげてナンボだから。 ただ「最後」のほうは考えてしまう。 このタイトルをつけたときは 自分にあった学習法を求めてあっちゃこっちゃジプシーの如く流浪するのはやめにしようではないか 学習法さがしはこれで最後にしようぜ との思いを表現した 学習法は学習とは異なる。 学習法探しをしている時間は肝心の学習はできないのだから)

言葉を文字通り受け取るとツッコミどころ満載である。

オレなんぞはそれで漫才のネタ作って路上デビューしてやろうと思ったくらい。
(これは相方がいないので断念した)

先物取引を勧められた。
「先生なら絶対に大丈夫です。私が保証します」

「ほほお 君が保証してくれるのか」

「はい」

「んじゃ やるわ」

「ありがとうございます」

「うん ついては君 オレに資金用立てしてくれ」
「だって 君 そこまでオレを信じてるんだろ?」

嘘のような実話。

こんなことしてたらいつか刺されるよなあ。
教育の再興を成し遂げるまでは死ねないから少し気をつけないと。

今でこそ言えるが版元との折衝でもこんなの日常茶飯事だった。
「$$$$$ &&&&&&& %%%%%%%」

「それはとおらんだろ。いいか 君らは本売ってるんだろ。本ってのは言葉の集積だろ。言葉を売って生活の糧を得ている君らが言葉の信頼性をそこねてはいかんだろ」

「&&&&& ######」

なんて会話はしょっちゅうであった。

おそらく版元のブラックリストに私の名前は掲載されているにちがいない。

「口うるさい著者」
「急ぎの折は電話を取り次いではならない著者」(笑)



オレは彼らの言葉に責任を負わせる以上 自分の言葉にも責任を負う。

オレは彼らに「初版は必ず完売するから。信じてくれ。オレが責任を持って売る」
と言った。

公約は達成できたようだ。

有言実行。

でもなあ やっぱり有言実行はキツイ。

だって数日後にどんなアクシデントがあるかわからないからね。

それに口に出してしまった後だと実現してもインパクトに欠けるような気もする。

俺には似合いそうもないが不言実行を学ぶのにはちょうどよい頃合かも。