今日のゲームについて、わしはいつも以上にこの日のゲームを楽しみにしていた。
わしの弟子とも言えるShunという男がゲームに参加するからだ。
こいつは一つ年下で去年の夏ごろから「サバゲがしたい」とわしに メールを送ってきている男だった。
わしはShunにサバゲの楽しさを味わってもらいたかった。

集合場所であるプラモ屋に行くと、先にやってきていた迷彩服に身を包んだ男がいた。
名前をIという。
話を聞けばこいつも高校生とのこと、わしは高校生の仲間が増えたことを喜んだ。
しかし、こいつはとんでもないサバゲーマーだったのだ。

フィールドに到着し、わしはShunにエアガンの扱い方を教えた。
エアガンと言えども銃なので取り扱いには充分注意しなければならないのだ。
この日のわしとShunのメインウェポンは
わしが先日手に入れたUZIという銃。
Shunがわしの長年の相棒であるSIGだ。
なぜShunにSIGを貸したかと言うと、UZIには弾が40発しか入らなかったからだ。
初めてサバゲをやるのに弾が無くなってやられるのはかわいそうということで、わしは
SIGを貸したのだ。
ちなみにSIGに入る弾数は220発。他の人も300発くらいは弾を用意している。
しかし、わしの銃には40発・・・
こころの中は不安で一杯だったが弟子の目の前なので、
「弾が無くなったらハンドガンでつっこむだけだ。」
などと精一杯格好をつけていた。
男には時としてカッコをつけなければならないときがある(苦笑

不安要素を抱えながらゲームスタート
事前にベテランゲーマーの人がIとShunに
「この道をまっすぐ突っ切って開けた場所に出て、そこでやってくる敵を迎え撃て!」
と指示を出していた。
わしはそのときに
「自分はここの藪を突っ切ってフラッグを攻めます。」
と宣言しておいた。
ピーーーーーー!!!!
ゲーム開始の合図の笛が鳴る。
ザザザザッ!
わしは一気にダッシュをかけて藪に飛び込んだ。
敵の体制が整う前に少しでもフラッグに近づきたかった。
ある程度まで行ったところで敵から身を隠せる茂みに隠れ、まわりの状況を確認していて
びっくりした。
なんと、ShunとIがすぐ後ろに居たのだ。
「お前ら指示通りに動け」と小声で指示を出すと、Shunは後ろに下がっていった。
だが、Iはそのままそこに留まった。
Iもある程度経験を積んでいるだろうから考えがあるのだろうと思い、それ以上は何も言わなかった。
そのまましばらくその場で様子を見ていると向こうから敵がやってきた。
弾数は40発。無駄使いは出来ない。
わしは慎重に狙いをつけると一気にトリガーを引いた
ガガガガガガガ!!!
フルオートで10発ほど弾を撃つ。
後ろの方から射撃音が聞こえるのでIも応戦しているのだろう。
ヒットォ!
わしの弾かIの弾かわからないが、とにかく敵に当たったようだ。
そのまま、敵に居場所がバレないようにとわしは身を伏せた。その時、信じられない声を 聞いた。
「やったぜ!ヒャッホー!!」
Iが大声を上げたのだ。(苦笑
映画の主人公になったつもりか知らないがゲーム中に意味も無い声を上げることは自殺行為だ。
案の定、敵がIめがけて発砲する。
ガガガガガ!!!
「ぎゃーー!!」
ヒットコールじゃ無くて悲鳴が聞こえてきた。
サバゲでは弾が当たったらヒットコールを上げるまでそいつは死んだとみなされない
数秒射撃音が続いてやっと「ひっとぉ・・」という声が聞こえてきた。
わしはIをある程度の腕のサバゲーマーだと思っていたが、ヒットコールも上げないところを見ると、どうやら素人のようだ。
Iはぶつぶつと言いながら死体置き場へと歩いていった。
わしはIを撃った敵の射撃音から敵の位置を探ろうと音がした方向を注意深く見渡していた。すると唐突に
「くっそー、一人殺ったのにやられちまったよ。生きてる?」
とIが話し掛けてきたのだ!
Iが話し掛けたのでわしの位置は敵に見事にバレた。
「そこだ!」
敵の声が聞こえて弾がばらばら飛んできた(泣
応戦したいがわしの銃の弾はのこり30発程度。
わしは敵の銃弾の中を避けるために藪の中をやみくもに走った。
ガサガサガサッ!
イバラのトゲに刺されながらやぶを抜けた先には・・・・
敵がいた(お約束)
ベシッ!(被弾音)
「ヒットォ!」
Shunにいいところを見せたかったが、早々と死んでしまった。
(ちなみにゲーム開始から5分くらい)

死体置き場に戻ると、Shunもそこにいた。
やはり初陣はきつかったのだろう。
わしは話し掛けてみた。
「銃の調子はどうだ?」
「あのー、UZI(わしがもっている銃)と替えてくれませんか?」
「え、なんで?UZIは弾数が少ないぞ」
「SIGは長くて扱いにくくて・・・」
「そっか、なら替えてみるか」
ここまでの会話は師匠面をしているが、内心ではSIG帰って来いという
気持ちでいっぱいだった。
「それじゃあ、次からはUZIを使いますね。」
「弾に注意して使えよ」
と言いながらもわしはSIGが帰ってきた嬉しさでいっぱいだった。
ためしに数発撃ってみる。
しっかりと手になじむグリップ、ぴたりと決まるほお付け、狙ったところにびしっ!と入る弾道。
やっぱりSIGだよな!(T▽T)やっぱりわしの相棒はお前しかいないぜ!
わしは冷静に試射をしながら心の中はこんな状態だった。
ガンマニアはやっぱりバカなのである(笑

次のゲーム
わしのチームのフラッグは斜面に面したところにあった
SIGを手に入れたわしは生まれ変わっていた。
ピーーー!!!
開始の合図と共にわしは斜面を駆け上がり、敵が上がってくるであろう場所に
向けて銃口を向けた。
(さぁ、来い!SIGの力を見せてやる)
そんなことを考えながら敵を待つ。
案の定、敵はわしが予測した方からやって来た。
ガガガガガ!!「ヒットォ!」
ガガガガガ!!!「ひっと!」
敵が応戦する間も与えず二人を倒した。
この時点でわしはかなりハイになっている。敵を倒すこの瞬間こそサバゲの醍醐味だ
(さぁ、次はどいつだ?)
ここで調子に乗ったのが運の尽きだった。敵がいるほうを正面とするとちょうど左手の方で敵が走り抜けていった。
そこを逃すまいとわしは撃った。
ガガガガガ!!
敵も茂みに潜んで応戦する
ガガガガガ!!
かなりサバゲらしい瞬間である。わしはこの戦闘の状態に酔いしれていた。
しかし、左側に注意を引き付けるのが敵の作戦だったのだ。
わしが左を撃っているときに正面から3人くらい突っ込んできた。
ドガガガガガガガ!!!!!
ベシベシベシベシ!!!
「ヒット、ヒットォ!!!」
正に集中砲火。あえなく蜂の巣です。
まぁ、二人も倒せたのでいいか。

次のゲーム。
ベテランゲーマーにさっきのやられ方を相談してみると、
待ち伏せに有効な戦い方を教えてくれた。
そのゲーマーによると
敵を待つ場所は斜面の頂上近くがいいらしい。そこならば敵が頭をだした瞬間に撃つことが出来、こちらが圧倒的優位に立てるわけだ。
さすが、ベテラン。言うことに説得力がある。
さっそく、わしとShunとIでその先方に挑戦することにした。
ピーーーー!!!
ゲーム開始の笛が鳴り響く。
わしらは一気にダッシュをかけた。目指すは丘の頂上!!
しかし、わしらは勢いよくダッシュしすぎてちょうどいいポイントを通り過ぎてしまった
バカすぎである。
しかも敵と出くわしてしまった(笑
「うおっ!いた!!」(敵)
「やべっ!!」(わし)
敵もわしもかなり焦った
敵は速攻で弾幕を張ってきた。わしらは射撃準備も出来てない。
とっさに遮蔽物の陰にふせた。ふせたというより倒れたというのが正しい伏せ方だった。
Shunは敵に会う前に別なルートに行ったらしく、出くわしたのはわしとIの二人だけだった。
運良く二人とも生き残っている。
「固まってると一気にやられるからあっちの影に行ってくれ」
とわしが言うとIは緊張した面持ちでわしの指示した物陰に隠れた。
わしとIが隠れているうちに敵の射撃は止んでいた。わしがそっと様子を見ると
もう敵の姿も気配も無い。
どうやら、わしらがいるので別なルートをたどってフラッグに向かうつもりらしい。
わしは敵が行ったと思われる方向に銃を向けた。もしかすると敵の姿が見えるかもしれない。
ふと、Iの方向を見ると変な構え方でしかもあさっての方向を狙っていた。どう考えても
敵がいない方向である。
本気でIがバカに思えてきた。
声をかけるのもアホらしくなったので、わしは敵を追って自分のフラッグの方向に歩き出した。
ガガガガ!!
突然、横から射撃を喰らった。
しかも味方から(泣
まぁ、敵が来るはずの方角から回りを警戒しながら歩いてきたら敵と間違われても無理は無い。
よって、このゲームは味方撃ちで死亡。
ちなみにShunとIはお互いを敵と勘違いして相打ちとなったらしい。
なかなか悲惨なゲームであった。

とまぁ、こんな風に今日のゲームは終わった。
Shunは結果的には負けつづけたわけだが、相当サバゲが気に入ったらしく
「次のゲームはいつなんですか?」
と嬉しそうだった。
気に入ってもらえてわしもうれしかった。楽しんでもらうというわしの目標は達成されたのだ
例のIは休憩中などもずっと銃をいじったり撃ったりしていたが、構え方は変だし
ルールもよくわかってないし、つけてたスコープは調整してないし。とめちゃくちゃ だった。
とりあえず構え方やサバゲの常識は教えておいたけど、あんまり聞いていなかった。
Iを見てShunをこいつみたいなゲーマーにしてはいかん!と強く思った一日だった。