倉庫 ~旧はにまに期以前~

詩に戻る
トップに戻る





  『某月某日あるばしょで』

空を見つめながら 君の口笛を聞く 
ぼくの中で 君の音だけが響く

この青い空の下で
2人は雑踏に埋もれ
僕は僕を保ったまま
君は君を保ったまま
互いに 侵されていく

僕の赤いセロファンと
君の青いセロファン

重ねて まっしろになる


君の口笛は もう 聞こえない


            『best  place』

特急列車の中 独り 座席に座り 外を眺め

再速で終着駅に辿り着くはずだった
一直線に進んでいたのに

見えたのは
そら くも たいよう
のはら かわ きみのえがお

あれから幾つのときが流れたのだろう
野原の上 寝返りをうつ事もなく
目の前を見つめる

そら くも たいよう
きみのえがお

私は 両手を広げ 腕をのばした
赤 赤い 熱い 鼓動

私のからだから 赤 が染み出していた


「気持ち良い?」

君は腕に優しく触れて
そっと 緑の上へ置いて
私の赤を 全て嘗めとって
私の隣にからだを置いた

「キモチ、イイって、何? 何も、わからない。」

私からまた染み出す赤
頬には 透明がつたっていた
私は頭を横に向けた

そこには 青に支配されたからだと君の笑顔

私は青ごと君を包み込んだ
君は私の赤を嘗めている
消える事のない赤と青
私達は そのまま歩き出した

いつか 赤と青が消える事を願って
いつまでも いつまでも
いつか どこかへ辿り着くと信じて

見えるのは
そら くも つきとほし
きみのえがお

きみのめにうつる わたしのえがお


     『蒲公英(たんぽぽ)』

太陽が黄金色に輝く時
それもまた黄金色に輝く
ひんやり つめたい ほそい くき
ちょんと触るとふりこになる
力を加えれば 簡単に折る事もできて
大きく広げた手のひら
太陽を求め
太陽はそれに応え
いつまでも 輝きを放つ

可愛らしい蝶々とキスをして
白い綿毛をつくる
ふわ ふわ まあるく
風にのせて 空へ飛ばそうと
また どこかで生きられるように

小さな手 茎 引きちぎり
人工的な風 最後の望みを飛ばし

さようなら僕の居場所
さようなら「僕」達

ちぎられたって良いんだ
またどこかで
思いきり光を浴びれると信じているから  


   『こころ』

硝子のココロ 磨かないから
でこ ぼこ でこ ぼこ
ちょっとしたチカラ ぐっと入れて
ぱりん こなごな さようなら
砕けたカケラ 拾えない

まあるいハート ゆでたまご?
つる つる ぷよ ぷよ
するどいモノで 押してみて
さくっ さくさく はりせんぼん
抜いてみるけど 穴だらけ

触らないで傷が付くわ
触ってお願い不安定なの
ここに居て ずっと 守って


   『あめ のち くもり』

今日は朝から雨でした
冷たい冷たい雨でした
痛い痛い雨
だけど 私のココロ程
冷たく痛いものはないでしょう

さっき雲間から光が漏れてました  
とても綺麗な光でした
あたたかそうでした
黄金に輝くひかり
見てるだけで 幸せでした

今は 曇っています
雨雲でもなく 雲間もまるでない
月は輝いているのかな
星は瞬いているのかな
灰色の空
ネオンの光は いらないのに


  『どんなに』

どんなに どんなに 思っても
どんなに どんなに 伝えても
全部伝わるハズないの

どんなに どんなに 夢見ても
どんなに どんなに 願っても
全部叶うハズないの

どんなに どんなに 離れても
どんなに どんなに 殺しても
あなたを忘れるハズないの

ほら 溢れ出るのは涙だけ


   『Yes,  my  mother』

お母さん大好きです。 はい。大好きです。
はい。しっかりお勉強します。
はい。よい子でお留守番します。
はい。わかりました。 はい。
いいえ、私はあなたが大好きです。


   『彩度のない町』

くすんだ灰色の空
白と黒と灰色が入り組んだ町
白と黒と灰色が交差した人の波
無彩色の海
白い太陽 白い月
黒い煙 黒いざわめき
彩度を失った瞳には 何が映って見えるのか 

とうめい、な、せかい。


   『heaven』

これは報いだ
天国は天国のままじゃない
なぜ? ここは天国じゃないから
天国のツラをかぶった地獄
ふとした瞬間赤鬼がやってくる
そして言うんだ
「俺は“天使”だ。」

これは報いだ
罪を犯した者は裁かれ
からだを切り刻まれる
自分の血でできた池へ投げ込まれ
血を吸い付くすまで出る事を許されない

これは報いだ
地獄はやがて天国へと変わり
“天使”は微笑みを浮かべ僕を誘うだろう
何度も何度もくり返す 白と赤の呪縛
抜け出す方法は もう知っている
でもやめられないんだよね
だってここは“天国”なんだもん

これは報いだ
いつか見つけだす
ここから抜け出さずとも
血の池を飲まずにすむ方法を


   『the star』

あの満月に負けないくらい輝いていたい
あの満月に隠れてしまわないように
私という星 私だけの星
太陽よりも深い輝きで
月よりも神秘的に
この宇宙の何よりも あなたを魅了したいから 

何も見えなくなるくらい輝いていたい
何もかも失ってしまうくらいに
私という星 あなただけの星
太陽よりも熱い輝きで
月よりも純粋に
この宇宙の何よりも あなたに魅了されたから


   『涙』


瞳瞳  から
 涙  溢れ

 涙
 涙
 涙  零れ

 涙
 涙
 涙  壊れ
 ナミ
 ダ

 ナミ
 ダ

 ナ
 ミ
 ダ 隠し

 ・
 ・
 ・
 ・

 ・
 ・
 ・
 ・ ‥
 ・・ あ、  
 ・    涙。


   『大丈夫 大丈夫』


まあるいゆで卵みたいなぷよぷよとした心に 痛い嘘が突き刺さる

音を立てず 静かに 深く その鋭利な言葉で

たとえ抜いたとしても 嘘が消え去ったとしても
その穴は絶対に消えたりしない
嘘にこびりついた黄身は嘘と一緒に消えてしまう

大丈夫 大丈夫

穴は消えやしないけど
優しい言葉で埋める事ができたなら 大丈夫

きっと 嘘が突き刺さる前よりも
もっと 強くなれる もっと 優しくなれる

だから大事に持っていて
卵の黄身がついた その鋭利なモノと
卵の穴を埋めた その優しさを



  『サクラ』

   ふ

 
ユウ        わ

        ふ


   わ
     落


       ち

            る
   一


          枚


アイ

      の


 花

     
シュウ
        弁



   『NO SELF CONTROL』

震える あなたのその顔に
震える あなたのその瞳に

見つめないで 見つめさせて  
私だけ 私だけを見て

震える あなたのその声に
震える あなたのその唇に

もっと聞かせて 近づいて
甘い 甘いキスをちょうだい

震える あなたに
震える あなたが
わたしを不安にさせるから



   『everything』

明かりが見える 雲の隙間から
あなたが見える 雲の隙間から

見えるのは絶望
見えるのは不安

 目ヲ閉ジル 息ヲ止メル 耳ヲ澄マス  

明日が聞こえる 雲の隙間から
あなたが聞こえる 雲の隙間から

聞こえるのは希望
聞こえるのは本能
聞こえるのは思考
聞こえるのは欲望
聞こえるのは
聞こえるモノ
聞こえる全ての
見える全ての
見えるモノ

あなた



   『空と海と雲』

調和しすぎた夏の海と青空は
調和できない雲の白さを隔てて
近づきすぎた二つを隔て
近づくこともできなくなった

小さなチコの実を浮かべても
海は空には届かない
茶色く染まった枯葉はいつも
空から海へ渡るのに


調和して見える空と海とは
限りなく遠く離れていて
空を思う海は空には届かずに
空だけが海に手を差し伸べる


本当にそこには空があるの?
君はいつまで夢を見ているの?

君が見ているその空は
君の憧れている空は
巨大なガラスの中にいる君の
巨大なガラスが見せた幻想
紛れも無い君の姿

今日もただ雲だけが ゆっくりと流れている
  


   『何もかも』

暑い時には涼しげな舞いを舞って
落ちそうになったら下から押し上げる
苦しい時には静かに触れて
疲れたならば優しく子守り歌を歌うでしょう  

あなたの中に入り込んで
老廃物をぬぐい去るの
あなたの体を全て満たして
頑張れって声をかける

誰にも見られずに
誰にも気づかれずに
あなたの邪魔にならないように
ずっとあなたの側にいる

そっと あなたを包み込む
 空気になりたい
             何もかも捨てて




   『不変』

ゆっくりと 流れていく
雲に

風のはやさを 時のはやさを
体に刺激されて

ゆっくりと 変わっていく
雲に

赤くなる 灰色に揺れる
移っていく夜空




 変わらないものなんてない
 変わらずに残るものがある
 蓄積されて埋もれていく
 流されて消えていく


それでもまだ そこにある



ゆっくりと 動いていく
雲は

ひとつひとつ 違う影をつける 


君の面影を寄せる

  『スキ』

イツデモソウ
平然ト笑ッテ冗談ダロト言ッテ
私ノ「好キ」ヲ拒絶スル

私モソウ
平然ト笑ッテ冗談ダヨト言ッテ
私ノ「好キ」を閉ジ込メル


想イハ声ニ出シテ消エル

想イハ届カナイママ

⋯届ケナイママ

平然ト笑ッテ
ソレモ嘘ダヨト ヒトリ呟ク

「好キ」

貴方ノ背中ニシカ 届カナイ言葉