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| ゴジラvsフリーズガン〜銀世界の悪魔〜 |
| 作:香月 |
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第5章 無言の会話
フリーズガンが去った後もいっこうに止まない雪と寒さは片腕を失い、 胸を貫かれたゴジラの体力を少しずつ奪っていた。 だがそれでもゴジラは死ななかった。 フリーズガンへの憎しみと復讐心がゴジラの生命力と自己再生能力を極限にまで増幅させているである。 そしてそれはゴジラに新たな力を与えた。 切断された左腕がまるで蜥蜴の尻尾の様に再生したのだ。 それだけではない、左腕の形が刃へと変わった。 それは彼の電気エネルギーを吸収しさらに鋭利に大きく変化していく。 胸の傷も少し癒えたようだ、ゴジラはふらつきながら立ち上がるとゆっくりと海へ向かっていった。 しばらく休まなければ体が保たないからだ・・・。 数日後 ゴジラは海面から出て大きく呼吸した、 いくらゴジラにえらがあるといっても呼吸の大部分は肺に頼っているので長く水中にいるときには空気中に出ないといけない。 ふとゴジラは背後に視線を感じてふり返った、彼の視線の先には月がいた。 (満月か・・・懐かしい気がする・・・。) しばらく月を見ているとまた背後に視線を感じた、今度は怪獣がいる。 しかも先のフリーズガンと同じような物を感じた。 ゴジラは戦闘体勢に入るが不思議と怪獣は攻撃してこない、そればかりかテレパシーで交信してきたのだ。 (お前は・・・俺と同じ力があるのか?) ゴジラがそう言うと怪獣は頷きこう言った。 (私はフレイラス・・・あなたの分身。) 分身、ゴジラの脳裏にかつて戦った同族のビオランテの姿が浮かんだ。 (フレイラスと言ったな・・・何のようで来た?) (私にも解らない、ただ・・・。) (ただ?) (私はあなたの仲間になりたい・・・。) その答えを聞いてゴジラは気づいた。 この怪獣・・・フレイラスこそが自分が今まで待っていた、そしてようやく巡り会えた仲間。 (・・・。) しばらくの間、2体は無言の会話を続けた。 2体が分かれたのは月が沈み始めた時。 その後しばらくゴジラは夜な夜な海上にでていた。 もう一度会いたい、フレイラスに会いたい。 彼の心には憎しみや復讐よりもその思いが大きかった。 だが最初に出会った日の前までと同じくフレイラスはゴジラの前に現れることはなかった。 この場面の別バージョンを追加します ゴジラは完全に凍りついてはいなかった。 付近の建物や人が凍っているのを見ると異様な光景である。 凍り付いたのはフリーズガンに切り落とされた左腕の指から肘まで部分だけ、 貫かれた胸も徐々に傷口がふさがっていく。 突如ゴジラの目が大きく開かれ赤く光った。 なんと左腕の傷口からカルシウムの棒が植物の茎のように生えてきたのだ。 それはしばらく伸びると止まり三つ又に裂けて4つの枝ができた。 次に血管や筋肉が昆虫の吐く糸の様に骨に巻き付き、 さらに触手がそれらに巻き付くと蒼い電流が流れた。 左腕の再生が完了したのだ。 だが細胞の動きは終わらない 4本の指が融合し爪が大きく変化していって刃となった、刃は電光を放って青く輝く。 ゴジラは起きあがると大きく天に吼えた、そして海へと向かった。 それから数日後、ゴジラは海面上にいた。 彼らはエラを持っているが 呼吸の大部分は肺で行われるため 水中に長期間潜っているときは一日に一回は肺から酸素を吸収しなければならないのだ。 酸素を大量に吸収し2酸化炭素を放出したゴジラは背後に視線を感じてふり返った。 だがそこに敵はいない、いるのは大きな満月だけだった。 「ひさしぶりだな・・・。」 ゴジラは昔別れた友に会ったような声でそう言った後しばらく月を見ていた。 彼にとって月は仲間のような存在だったからだ。 すると今度は斜め後方に気配を感じたふり返ってみると そこには自分とよく似た怪獣がたたずんでいた。 戦闘の用意をするゴジラだったが何故か敵は攻撃してこない。 上手く判断できないゴジラの脳に直接声が聞こえてきた。 テレパシーだ、ゴジラは理解した。 今目の前にいるのはG細胞を持つ者、自分の仲間だと言うことが。 そしてしばらく2体は向き合った後、別れた、その間にどんなやりとりがあったのかは誰にも解らない。 あの無言の会話の後、ゴジラは月夜には必ず海上にいた。 もう一度会いたい、その気持ちが彼を動かしていた。 だがしばらくの間、フレイラスはあの満月の夜の前と同じくゴジラの前に現れることはなかった。 |
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