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ゴジラ〜恐怖を統べる者〜
作:ぎどらまん

第一章 

燃え盛る炎。新たな閃光。怒号、そして断末魔の叫び...

1984年、東京湾。
40年ぶりに復活した水爆大怪獣ゴジラに対し、人類はあまりにも無力であった。
港に展開した陸上自衛隊は、ここで258名もの死者を出したのである。

ゴジラは既に都市部に入っていた。壊れた司令車の無線機から、
ゴジラとスーパーXの決戦の様子がむなしく流れている。

火の海となった港を、一人の自衛隊員が走っていた。
名を、島津義雄という。
去年陸上自衛隊に編入されたばかりの新米であった。
その島津が、涙目になって辺りをうろちょろしていた。
何かを探しているようだ。
やがて島津は、目が一点に釘付けとなり、そしてその方向へと駆け寄った。

女が、倒れていた。
胸に戦車の破片が突き刺さり血が流れているものの、
あとは外傷なく、まるで眠っているかのようであった。

「杏子...」

そう言って島津は死体を抱き上げた。
彼の頬を涙が伝い落ちていく。
女の死体の胸元には、島津が恋人へプレゼントした銀のネックレスが輝いていた。


2004年・東京。

深夜の繁華街を、一人の男が歩いていた。
黒髪で背は西洋人並、目鼻立ちもゲルマン系であるが、サングラスをかけているために目の色まではわからない。
真っ白なコートに身を包み、男は人ごみの中を歩いていく。
そして、人気のないところに出た。

「人間...よくもここまで増えたものよ。」

街灯の下で、男がポツリと呟く。

「そうは思わんかね、其処で私を監視している諸君」

そう言って男は後ろを振り向いた。
すると曲がり角から、黒いスーツに黒いサングラスをかけた、金髪の外国人たちが出てきた。
「CIAか...まさか、日本まで追ってくるとはな」
「レドリシア...このテロリストめ。大人しく貴様が作った『ペット』を渡してもらおう」
「ククク...ペット...か。違うな。あれは私の忠実な下僕だよ。天から啓示されし目的を達するための...な。まあ、これから死ぬ諸君に、そのようなことを言っても無駄であろうが」
そう言ってレドリシアと呼ばれた男は、サングラスを取った。
真っ赤な瞳がCIAの男達を睨みつける。

「!!」

CIAの男達は慌てて銃をとった。
が、既に遅かった。レドリシアの目から花立てた光線が、彼らを一瞬にして灰と化したのだ。
「愚かな...神の意に逆らおうとするからそうなるのだ。それだけ人類が横暴になった証拠かも知れぬな」
レドリシアはそう言い残し、闇の中へと消えていった...。 
 


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