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| ゴジラ〜恐怖を統べる者〜 |
| 作:ぎどらまん |
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第三章 首相官邸 「この男がそんなものを持ち込んでいたのか...」 応接室で、和服姿の男が黒いスーツを着た外国人に向かって呟いた。 和服姿の男の名は葵慶喜、現在の日本国内閣総理大臣である。黒いスーツの男はCIA・ロベルト=マイヤーであった。 葵が見ている写真には、男が映されていた。 白いコートで黒髪、真っ赤な瞳を持つゲルマン系の男―レドリシアである。 「男の名はレドリシア=ガルド。 我がCIAの方でも、先日の研究所爆破事件に関与し、なおかつイスラム原理主義過激派のウサイとスラムとに親交があること意外、謎の人物です。」 ロベルトが片言の日本語で話す。 「しかしアメリカがそんなものを作っているとは...意外でしたな。」 「いえ、それはわが国公認の開発ではありません。」 「と、言うと?」 「どうやらハードリー研究所のP.ハードリー教授が国に秘密で金でレドリシアに雇われ、開発していたようで...」 ハードリー研究所とは、爆破された研究所の名である。 「それをあなた方は見過ごしていたと?」 「それを研究、開発していた施設は、研究所の最深部の研究員でもごく限られたものしか入れないような場所だったようで...我々もその存在を、爆破事件の調査中に知ったのです。」 「開発物についても?」 「はい、そして、いくつかの情報筋からレドリシアという男の存在を突き止め、更にこの国に来ているという情報を入手し、追っているのです。」 「先ほど、レドリシアはウサイとスラムとも関係がある...と申されましたな。彼ら二人も日本に逃亡してきている...とか。何か関係が?」 「あの二人はレドリシアにかくまってもらっていたのですし、追いかけてきた...という可能性は考えられます。」 その時、応接室にノックの音が響いた。 「どうぞ」 葵がいい、秘書がドアをあける。 入ってきたのはロベルトの部下であった。 部下はロベルトに素早く近寄ると、耳元で何かささやいた。 狐のように細い彼の目が、一瞬にして見開かれる。 「なにか?」 葵が尋常ならざる自体を察し、尋ねた。 「レドリシアを発見しました...近くに、ウサイとスラムの姿もあるようです。」 「ほう...」 「危険な相手です。我々だけでは少し数が足りません。」 「わかりました。警官隊を増援に出しましょう。」 「ありがとうございます」 ロベルトは例を述べると、足早に官邸を出て行った。 「やれやれ...爆破事件の犯人とテロリストがこの国に来るとはな...しかも危険な『ペット』を持ち込んでくるとは...」 ややこしいことにならぬといいが、とただ切に願う葵であった。 夜の港を、島津は走っていた。 迷彩色の自衛隊服を着て、隣には寄り添うようにしてショートカットの女が走っている。 「義雄、あそこ!!」 女が叫んだ。島津が、女の指差した方向を見る。 其処に立っていたのは、ゴジラだった。 上半身を海面からだし、こちらを睨んでいる。 島津や女のほかにも、自衛官たちが集まってきた。 戦車の姿もある。 彼等は一斉にゴジラに銃を向けた。 だが、島津はそれを降ろしたままだった。 ゴジラの目が、自衛官達を睨み付ける。背筋が冷たくなるような憎悪を備えた目だった。 島津はいやな予感がした。 このまま発砲すれば、自分達は間違いなく死ぬ。そう感じたのである。 「やめろ!杏子!!撃つな!」 島津が隣の女に向かって叫んだその瞬間、彼の周りには銃声が満ちた。 同時にゴジラの口内に青い光が湧き上がり、一気に空気中に湧き出した... 島津は布団から跳ね起きた。 時計を見る。7月1日の深夜1時である。 「夢...か」 またか、と島津は思った。20年前の夢。 もう10日連続この夢ばかり見ている。 以前は全くそんなことは無かった、というわけではない。 しかし、これほどまでに鮮明に、且連続してみたことは無かった。 「何かの前触れかも知れんな...」 そう呟いて、島津は窓の外を見た。 街は、これから起こることの重大さに気付いていないかのように、煌々と輝いていた |
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