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ゴジラ 怪獣列島
作:MOTHGO

 2 ゴジラ撃沈

会見が終わり報道陣が帰る中、対生防衛軍司令本部にゴジラ出現の報告があった。
 「ゴジラが出た・・・。」
 一番反応したのは加藤だった。松岡はそれに気づいた。
 「総理からの命令だ。ゴジラ撃退のため轟天号出撃!」
 「了解!」
 轟天号の乗組員に選ばれた隊員達が走り出した。だがその中に加藤は入っていない。
 「松岡さん!・・・がんばって。」
 「加藤・・・戦う意味、見つけたか?」
 加藤は未だなぜ松岡がそんなことを聞くのか、その意味すらわかっていなかった。
 「いえ、まだ・・・。」
 「そうか・・・早く見つけるんだな、おまえが戦う理由。そうしたらいっしょに出よう。」
 松岡は轟天号に向かった。

 「轟天号発進準備」
 松岡艦長の合図で轟天号の発進準備が始まる。
 「システム起動、オールクリア。」
 「予想進路上の航空機及び船舶の進入を制御。」
 「整備システム解除。作業員は後退してください。繰り返します、作業員は後退してください。」
 「格納庫ハッチオープン。」
 轟天号格納庫のハッチがゆっくりと外側に倒れていく。
 「轟天号前進。」
 その轟天号の巨体を支える土台がレールを伝って前進する。
格納庫の中から徐々にその姿を現す轟天号の巨体がまぶしい太陽光に照らされる。
その雄志はまさに希望と言えるものだった。
 「機体固定ロック解除。離陸。」
 「ブースターオン、離陸します。」
 機体を固定していたロックが開くと、轟天号の下部に設置された小型ブースターが光り垂直上昇を始めた。
ある程度上昇したところで止まる。
 「轟天号発進。速度マッハ3。」
 「メインブースター点火、飛行速度マッハ3に設定。」
 後部の巨大ブースターが火を噴き、轟天号はマッハ3のスピードでゴジラを目指した。

 小笠原諸島上空。
そこには出撃した轟天号がいた
 「艦長、前方約5キロの海面に未確認物体。全長100メートル以上。」
 「降下だ。目標を視認するまで近づけ。」
 するとそこには赤紫色の針山が海面を移動していた。
 「生体反応、及び放射能反応検知。間違いなくゴジラです。」
 「よし、攻撃開始。」
 「魚雷発射します。」
 轟天号の魚雷発射管から魚雷が飛び出した。
魚雷は海中にはいると一直線に針山に向かって進んだ。
魚雷が命中し水柱があがる。その水柱の中から針山の主が姿を現した。
ゴジラだ。針山はやはりゴジラの背ビレだった。
自分に攻撃をしてきた轟天号に向かってゴジラは威嚇の大声を出した。
 「カドミウム弾準備。」
 轟天号を睨み付けていたゴジラの口がわずかに開く。
ゴジラはさらに大きく口を開けて声を出した。
 「カドミウム弾発射。」
 轟天号のロケット弾発射機からカドミウム弾が発射された。
カドミウム弾はゴジラの口の中に命中、はじけ飛んだ。
しばらくするとカドミウムが効いてきたのかゴジラの動きが鈍くなってきた。
轟天号がさらに攻撃を加えようとしたその時、ゴジラの背ビレがオレンジ色に光り、放射能熱線を発射した。
轟天号はその直撃をくらったが、耐熱・放射能遮断合金にはあまり効き目がなかった。
しかしゴジラの方は心臓部が抑えられているにもかかわらず熱線を発射したため、すでにフラフラしていた。
ゴジラは海中へ潜った。戦況の雲行きが怪しくなり撤退に移ったのだ。
 「逃がすな、魚雷発射。」
 魚雷による攻撃でゴジラは再び海面に現れた。
 「ロケット弾、ミサイル発射。」
 さらにロケット弾とミサイルが撃ち込まれた。ゴジラは反撃しようにもカドミウムの影響で反撃できないでいた。
 「ここで一気にトドメだ。冷線砲用意。」
 轟天号下部から冷線砲の砲身が現れた。チャージが始まり、砲身が光り出す。
 「目標にロック・オン。冷線砲発射準備完了。」
 だがその時、突如舞い降りた怪鳥がゴジラに襲いかかった。
 「あいつが対空の戦闘機が追っていた怪鳥か。」
 怪鳥はその鋭い爪と嘴でゴジラを攻めていた。
普段のゴジラだったら怪鳥を瞬殺していたかもしれない。しかしカドミウムで動きが鈍っている今は反撃も出来なかった。
 「ゴジラと怪鳥、2体同時に片付けてやる。冷線砲発射。」
 「冷線砲発射します。」
 光り輝いていた冷線砲の砲身から蒼白い冷凍波が発射された。
冷凍波はまっすぐゴジラと怪鳥に向かっていた。
だがそれに気づいたゴジラは尻尾で怪鳥を弾き飛ばし、自らの盾とした。
 「何!?」
 さすがの松岡も驚きを隠せなかった。
冷気の中から現れたゴジラの尻尾は完全に凍り付いた怪鳥と氷でつながっていた。
しかも冷凍波が直撃した怪鳥の右翼は粉々に砕け散っていた。冷線砲の威力は確かなものだった。
ゴジラは尻尾を海面にたたきつけ、怪鳥を完全に砕いた。勝ち誇ったような声を上げたゴジラは、海中に潜り日本を目指した。
 「ゴジラの予想進路は?」
 「このまま直進すると・・・静岡の浜岡原子力発電所にぶつかります。」
 「原子力発電所の核エネルギーでカドミウムに抑えられた分を取り戻すつもりか。行かせるな、ここで食い止める。潜行用意。」
 「潜行用意。」
 轟天号が水しぶきを上げて海中に突入する。約500メートル先をゴジラが泳いでいた。
 「魚雷発射。」
 魚雷発射管から魚雷が放たれる。
それに気づいたゴジラは近づいた魚雷を尻尾でなぎ払った。さらにその矛先を轟天号に変え突進してくる。
轟天号に激突すると鷲づかみにして押し潰そうとする。轟天号の外装が軋んだ音を立てる。
 「うっ、機首ドリル回転開始、ゴジラに突き刺せ!」
 轟天号機首のドリルが回転を始め、ゴジラの腹部を削り始める。
削られた肉片が飛び散り、ゴジラが苦痛の叫び声をあげる。
そして轟天号を突き飛ばした。
ゴジラは眠るように目を閉じ、海底深くへと沈んでいった。
 「やったか?」
 「生体反応弱くなっていきます。・・・・・・ロストしました。」

 〔ゴジラ死亡!〕
 〔最強軍艦轟天号!!〕
 翌日の新聞である。これは21世紀始まって最大の世界規模のニュースとなった。
だがこれは人々の怪獣に対する警戒心を弱くするはたらきをしてしまった。ただ一人、加藤を除いて・・・。
 (本当にゴジラは死んだのか?一時的な仮死状態になっただけだったとしたら・・・。)
 シベリア低地上空・旅客機内。三人の雑誌記者が眠っていた。
もう夜は遅かったが一番窓際の一人は眠れないようだ。ふと、窓の外を見るとある異変に気がついた。
 「おい、あれ何だ?」
 闇の広がるシベリア低地の真ん中でオレンジ色の光りが点滅している。
その光の上を影が通る。光の向きがその影を追うように変化する。
その影が大きくなる。
旅客機に近づいているのだ。
そしてその影が何であるかがわかるほどまで接近し、旅客機をかすめるようにすれ違う。
 「か、怪獣だ!空飛ぶ怪獣だ!」
 「何ボサッとしてんだ!カメラ出せ、カメラ!」
 先程光っていた場所からミサイルのような光が空飛ぶ怪獣めがけて発射された。
怪獣は翼と化した腕をうまく操ってそれを避ける。
そして覚悟を決めたとばかりに光線を吐き出しながら光の発射もとめがけて突っ込んだ。
が、相手の光の直撃を受けて爆発、煙を吹いて落下していった。
 「おい、スクープだ。日本に持ち帰ったらトップニュースになるぞ。」
 「で、でももしかしたら光ってたのも怪獣かもしれな・・・」
 その時機内放送が入った。
 『この便は予定を変更してシェレメチェヴォ2国際空港に緊急着陸いたします。』


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