科目名:相対論
教官名:風間洋一
試験実施日時:2004年7月
試験時間:90分
解答用紙:両面1枚 計算用紙:1枚
持ち込み不可
以下の問題では、必要ならば次の数値を適当に近似して用いよ:光の速度c=3.00×108 m/s
陽子の質量mp=938 MeV/c2 電子の質量me=0.511 MeV/c2
第1問
(1)アインシュタインは、ひとつの慣性系の「時間」の概念を、その系で静止しているあらゆ
る時計を合わせる物理的なプロセスによって定義した。「点Aに置いてある時計CAが(異な
る)点Bに置いてある時計CBと合っている」とはどのようなことか、図と式を用いて具体的
に説明せよ。
(2)(1)での定義(これをCA〜CBと書くことにする)は、CAとCBについて見かけ上対称
ではない。しかしこのとき当然CB〜CAも成り立つべきである。これを証明せよ。
第2問
(1)4元速度uμとは何か。定義を述べ、その成分を具体的に書き表せ。
(2)uμの4成分の間に成り立っている関係式を書け。
(3)S'系をS系に対してx軸正方向に速度Vで運動している慣性系とする。
4元速度に対するローレンツ変換を用いて、S'系での粒子の速度のy成分(すなわちvy'=
dy'/dt')をS系の量で表す式を導け。
第3問
(1)反変ベクトルAνを座標xμで微分した∂μAνなる量が、一階共変一階反変の二階のテン
ソルとして振る舞うことを示せ。
(2)二階の反変対称テンソルAμνはローレンツ変換してもやはり対称テンソルにとどまるこ
とを示せ。
第4問
運動エネルギーが (a)100MeV の光子(静止質量ゼロ)、(b)1MeV の電子、(c) 100MeV の陽
子について、次の問に答えよ。但し、根拠となる式も示すこと。
(1)速度の大きいものの順に並べよ。
(2)運動量の大きいものの順に並べよ。
第5問
図のように、静止しているパイ中間子(質量mπ)がミュー中間子(質量mμ)及び質量ゼロの
ニュートリノに崩壊した。
| mμ |
→ pμ |
mπ |
→ pν |
mν=0 |
| ● |
← |
● |
→ |
● |
(1)ミュー中間子のエネルギーEμ、その運動量の大きさpμ、及び速度βμをmπ,mμを用い
て表せ。
(2)別の慣性系でこのプロセスを観測したところ、崩壊したミュー中間子がちょうど止まって
見えた。この系での崩壊前のパイ中間子の速度βπ'及びニュートリノのエネルギーEν'をmπ,mμ
(及び必要ならc)を用いて表せ。
第6問(最高5点を加算する)
講義で最も興味深く感じた事柄をその理由と共に述べよ。
hiro
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